古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

大阪府枚方市・禁野(きんや)車塚古墳

2013-05-18 08:05:42 | Weblog

      (前方部から後円部をみています)

大阪府枚方市宮之阪5丁目381、天野川右岸の低段丘上にあります。
京阪電車・交野線、宮之阪駅の南・徒歩約5分の所です。
天野川と京阪電車・交野線に挟まれた地です。


古墳全体が公園になっていますが、後円部は立ち入り禁止になっていました。
平地(低段丘上)に盛り土で造られています。

2008年の関西・京都橘・京都府立大学などによる合同の再測量調査の結果、
全長120m、 後円部径57m・高さ9.9m、 前方部幅40m・高さ4m  二段構築の前方後円墳と判明しました。
前方部を西に向けています。
卵型の後円部とバチ型の前方部の墳形が、奈良県桜井市のあの「箸墓古墳」と類似しています。

墳丘には葺き石が施されていたようです。
円筒埴輪や楕円形埴輪・草摺形埴輪 などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。
埋葬施設やその副葬品などは明らかになっていません。
ただ、後円部上に板石が散見されることから、主体部は竪穴式石室ではないかとみられています。

古墳時代前期・3世紀末から4世紀初頭ころの築造と推定されています。

枚方市最大の前方後円墳で、後円部・前方部それぞれ一部削平は受けていますがほぼ良好な状態で保存されています。
淀川と天野川の合流点を望む場所にあることから、この地の交通権を握っていた人物の墓とみられています。

昭和47年3月22日、国の史跡に指定されています。