古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

兵庫県神戸市・五色塚古墳

2013-01-05 08:06:44 | Weblog
兵庫県神戸市垂水区五色山4丁目 の住宅地の中のあります。
JR山陽線・垂水駅西へ徒歩約10分、山陽電鉄・霞ヶ丘駅東へ徒歩約5分 の所です。
千壺古墳と呼ばれることもあります。
明石海峡がすぐ目の前です。

全長194m、 後円部径125m・高さ18m、 前方部先端幅81m・高さ11.5m 三段構築の前方後円墳です。
一段目は地山を利用し、二・三段目は盛り土で造られています。
前方部は、JR・山陽電鉄線で一部削平されています。
兵庫県内最大の前方後円墳で、全国でも39番目の大きさです。

墳丘の周りには幅約10mの周濠があります。
墳丘には、円礫による葺き石が施されています。
築造当時の葺き石の総数は223万個、総重量2,784トンと推定されています。
使用されている円礫は「日本書紀」にある通り、淡路島からは運ばれたものだそうです。
墳頂と墳丘2段目テラスから円筒埴輪や鰭付円筒埴輪・朝顔形埴輪・蓋形埴輪・盾形埴輪などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。
その数2,200本にもなると推定されています。
くびれ部東側には、一辺が20m・高さ5mの造り出しがあります。
後円部東側にも、外側から濠の中に向かって方形の造り出しがあります。
これらはいづれも葺き石で覆われていたようです。

神戸市教育委員会が、10年の歳月(1965年10月1日~1975年3月31日)をかけて整備事業を行っています。
墳丘は築造当時のように復元されていて、墳丘には埴輪のレプリカが並び、葺き石が綺麗に補修・整備されています。


1965年には発掘調査も行われています。
後円部にある埋葬施設は、竪穴式石室に長持型石棺が収められていたそうです。
碧玉製合子などが出土しています。

古墳時代前期・4世紀末ころの築造と推定されています。

大正10年3月3日、国の史跡に指定されています。

整備される前、墳丘は樹木に覆われていたそうです。
戦時中、墳丘上の樹木を船材として伐採し、また農地としても耕されていたそうです。

墳丘上へは、管理事務所の許可(午前9時~午後5時)を受ければ自由に登れるそうです。
所が私が訪ねた日は、事務所が休み(毎週月曜日・年末年始)で登ることができませんでした。
墳丘からの明石海峡の素晴らしい眺めを期待していたのに残念でした。
またいつか機会を見つけて訪ねたいと思います。
当日は曇り空で、おまけに夕刻が迫る時間帯でした。





   (前方部ー奥に見えるのは明石海峡大橋)