古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

福岡県久留米市・上津荒木浦山古墳

2012-08-04 07:58:11 | Weblog
福岡県久留米市上津町1386、通称茶坊主山といわれる小丘陵の頂上にあります。
国道3号線沿いの成田山久留米分院の東隣(境内内)です。

全長60m、 後円部径40m・高さ6m、 前方部幅20m・高さ4m  二段構築の帆立貝式前方後円墳です。
前方部を西に向けています。

大正7年(1918年)、京都帝国大学の浜田耕作により調査が行われています。
その時は円墳と考えられていました。
現在前方部は、成田山の建物により破壊されています。

墳丘には葺き石が施されています。
円筒埴輪などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。

埋葬施設は、後円部中央に北西方向に開口する単室の横穴式石室です。
長さ約2.8m・幅1.5m・高さ2m あるそうです。
現在石室は覆屋にて保存されていて、成田山で鍵を借りて中を見ることができるそうです。
残念ながら後にそのことを知り、その時は石室を見ることはできませんでした。
石室前端の天井部が破壊されていて、中をのぞくことができるのだそうです。
石室内には、「妻入横口式」の組合せ式家形石棺が収められています。
石棺は底面で長さ約1.8m・幅約0.8m・高さ約1m あるそうです。
石棺内は赤色で彩色され、線刻文様が施されているそうです。
石棺の奥壁と左右両壁には、あの「石人山古墳」の石棺同様、同心円文を挟んで上下に直弧文が掘られているそうです。

明治初期に石材採取のため発掘された折、人骨や刀剣が発見されています。
そののち勾玉、耳環、甲冑片が発掘されたと伝えられていますが、所在は不明だそうです。

5世紀後半から6世紀初頭ころの築造と推定されています。
昭和26年6月9日、国の史跡に指定されています。

成田山には巨大な「慈母大観音像」があり、どこからでもその威容を見ることができます。


       (手前が前方部になります。)


         (後円部の葺き石)


       (石室保存のための覆屋)