虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

NOTHING ナッシング(2003/カナダ、日本 )

2006年11月16日 | 映画感想な行
NOTHING
監督: ヴィンチェンゾ・ナタリ
出演: デヴィッド・ヒューレット デイブ
   アンドリュー・ミラー アンドリュー

 カナダ、トロント。デイブとアンドリューは、共に人付き合いに難がある性格。デイブは協調性がなく、アンドリューは極度の心配性で家から出られない引きこもり。その二人は、デイブが外で、アンドリューが家にいることで、なんとか生きていた。しかしその二人の生活にひびが入り、ついで仕事も家も失いそうになり、思わず二人は“放っといてくれ!”と叫ぶ。するとその瞬間から、驚いたことに彼らの家の周りは“無の世界”に・・・。

 特典映像を見ていたら、「低予算映画の見本」とか言われてます。
 ともかく二人の周りからすべてが消えていく、消したいと思ったものを消すことはできるが元に戻すことは出来ないという力を偶々持たされてしまった二人のダメ男に何が起こったか。
 驚いたことにぜんぜんシュールを感じない。気に入らないものを消すことができる力に気がついて、良く考えるとあんまりありがたくもなさそうなその力をどうやって使うか。気に触るものを刹那的にドンドン消していくのであって、その瞬間には結果なんか考えてられない。実によく分かる。
 この大変な事態になにやってるんだろうねえ…とか。(日本)刀を革ベルトで背負った下着姿にいささか哀感覚えたり…。とんでもない事態に直面してやってることのあほらしさにしみじみ共感(してしまうのだ私は)…。
 まあ、二人とも降りかかるトラブルに対して、ワタクシの家庭で父母の教へ給ひしトラブルへの対処法とはまったく別の対処ばっかりしていて余りの不器用さ、いい加減さに唸らされるのだが、なんかやっぱりその不器用さに共感してしまう。
 結局二人はお神酒徳利みたいなものなのに、なかなか気がつけないのにまた哀感しみじみ。
 多分コメディだろうけれど、つくづくしみじみしてしまった映画。

 それとは別に思い出したのがローレンツの「ソロモンの指輪」身の丈に合わない能力も不幸の元ですって。