虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

大いなる休暇(2003/カナダ)

2006年11月02日 | 映画感想あ行
LA GRANDE SEDUCTION
監督: ジャン=フランソワ・プリオ
出演: レイモン・ブシャール     ジェルマン・ルサージュ
    デヴィッド・ブータン    クリストファー・ルイス
    ブノワ・ブリエール    アンリ・ジルー
    ピエール・コラン    イヴォン・ブルネ
     リュシー・ロリエ    エヴ・ボーシュマン

 カナダ、ケベック州の小さな島。かつて漁業で充足した暮らしをしていた島民も、今はほとんどが生活保護を受ける有様。プラスチック工場誘致に望みを託しているが、誘致には“島に定住する医師がいること”が条件。しかし、医者が来る当てはない。そんなとき、島を脱出した元村長のつてで青年医師クリストファーがやってくる。そして島民が一致団結して彼がをだまくらかし、そのまま定住させようと策を練る…

 「だまくらかし」としては低レベルな作戦なのに…クリストファーは相当マヌケなお人よしさんに描かれちゃってます。
 それに、やっぱり島の皆さんは目的のために相当他が見えない状態になっているので、ラストの「NO!」までは愛すべき嘘とか笑ってられない。ラストはああまとめてくれてほんとに良かった。おかげでスッキリした気持ちで見終わることができました。
 「NO!」はこれから素で付き合うという合図みたいなものです。
 だけど、クリストファーにとっては当面の意思としては「この契約」期間だけで、長い休暇の続きみたいなものかも。その意味でもタイトルうまいなあ、と思う。
 島民の皆さんも勝負はこれからが肝心のようです。でもほんとにお人よしだからなあ…

 それにしても、どこの国でも流れに乗り損ねた地方というのは厳しいものなのですね。第1次産業というのは食べるものには何とか恵まれているのかと思っていました。クリストファーの診察の予約のシーンなど、可笑しくても切ない、取り残された地方の窮状みたいなものが伝わってきます。