二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

閑中忙有り(~o~)

2013年02月17日 | 音楽(クラシック関連)
いつのまにか日脚がのびて、夕方5時をすぎても空が明るい。2月も後半戦に突入。そこそこ忙しくなってはいるが、たいしたことはなく、ヒマなので稼ぎも少ない(^^;)忙中閑有りといいたいところだが、じっさいは“閑中忙有り”かな(笑)。こうして振り返ってみると、昨年も暖冬だったのですね。寒さにはいたって弱いので、撮影には出かけず、事務所や家にこもって、モーツァルトばかり聴いている。いやリストやシベリウスも聴くのだけれど、1、2枚聴いてはモーツァルトにもどってくる。いまのところ、ここが「わが家」なのだ。 . . . 本文を読む
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橋口譲二さんのローライ、わたしのローライ

2013年02月16日 | Blog & Photo
<わたしのローライフレックス3.5F>さっき「橋口譲二 二眼レフ」でgoogleの画像検索をしていたら、わたしが二草庵摘録でアップした写真が、12枚もひっかかってきたので、眼を丸くした。ははーん、そういうことか(笑)。橋口さんの「BERLIN」はわたしの大好きな写真集。橋口さんは4×5と6×6のカメラでこの仕事をしたはずだが、6×6はローライのなんていう機種だったか、忘れてしまったので、調べようとしたわけだ。 http://blog.goo.ne.jp/nikonhp/e/eb8aebc653f6c402c6e7149a91579c5d わたし自身も過去にこんなblogをアップしてある。これらが「画像検索」によって、検出されたのだ。 . . . 本文を読む
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昨日・今日・明日

2013年02月16日 | エッセイ(国内)
一冊、一冊にはほんの短いコメントしかつけていないが、長く書くためには資料を探したり、写真集をじっくりと見直ししたりしないといけないので、いっぺんに数冊ずつ取り上げるなんて、たっぷりと時間があるときでないととても不可能。いままであまりふれたことのないウォーカー・エバンスが数日まえから気になっているんだけれど、この写真家について語るにはかなりの準備が必要になる。アメリカン・フォトグラフの最高峰を極めた一人だし、あまりいい加減なアプローチは避けるべきだと、そんな配慮が働く。昨日・今日・明日。忙中閑ありというのが、日常生活のおもしろいところ。そうすぐには気持ちは切り替わらないのも事実だが、俳句の本を読みながらモーツァルトを聴くことくらいは、朝飯前といっていい(笑)。こういうとき、わたしは自分が日本人であることを、よくも悪くも痛感する。 . . . 本文を読む
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萬町が万町になった日

2013年02月13日 | Blog & Photo
過去にアップした写真を、たまに見直す。「ははあ、こんな写真を撮っていたのだ」日記を読み返すより、写真を見返してヒマつぶしをすることのほうが、ずっと多い。1.撮影したとき。2.アルバムにアップするとき。3.なにかの気まぐれで見直すとき。4.さらにまた、見直すとき。 そのときどきで、どうも少し印象が変わって見えるのが、写真の効用のひとつ。写真が変わったわけではなく、それを見るときのこちらの心持ちが変わるのだ。はじめにピックアップした写真を、さっき見直していて、萬町が万町になった日はいつなのだろうと、気になった。町の中には、看板・広告があふれている。 . . . 本文を読む
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雨上がりの散歩(ポエムNO.2-03)

2013年02月13日 | 俳句・短歌・詩集
ほほーい ほい。最後の雨だれがポツンと落ちて水たまりに波紋がひろがる。雨がやんでどのくらい時間がたったのだろう。雨が降るまえのきみと 雨があがったあとのきみのあいだに長いながい黒板塀があってね。 見知らぬ家の台所でなんの役にもたたない思想がぐつぐつ煮えている音がする。ほほーい ほい。猫のコタロウがその家の奥から出てきてもうさっそく日溜りをさがしはじめた。ここを通り抜けたらこの町いちばんの大橋に出る。 . . . 本文を読む
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道端(ポエムNO.2-02)

2013年02月13日 | 俳句・短歌・詩集
じゃがいも畑の隣りにひまわり畑があってね。そのあいだのまがりくねった細い道をきみは歩いている。きょろきょろと探しまわるが探しものはいっこうに見つからないね。最初からわかっていたことだけれど。 夢子というなんの変哲もないスナックのかたわらに古びた円筒形のポストがあってね。そこにけさ生まれたばかりの影がよりそっている。きみはそれをカメラにおさめたあと 乞食のようななりをした永劫の旅人とすれ違う。クロヤマアリの黒い電車が生け垣のあいだを抜けてゆく。道端にころがっていた空き缶を拾ったらぐあんぐあんと犬の遠吠えのような路面電車の音のようなさび色の響きにつつまれる。 . . . 本文を読む
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W・バックハウスと柳田國男

2013年02月11日 | 音楽(クラシック関連)
「バックハウスはベートーヴェンでしょ」ずっとそう考えていた。バックハウスは稀代の正統派ベートーヴェン弾きとして勇名をはせたからだ。初心者向けの解説本には、皆そう書かれてある。わたしもその常識を疑わないできた。ところがこのあいだ吉田秀和さんの「モーツァルト」(講談社学術文庫)を読んでいたら、そこにすばらしいバックハウス論が収録されていて、その論旨にすっかりまいってしまった。長くなるから引用はさけるけれど、まさに目からうろこといったような感想をいだいた。(根が単純な人間なので、こういうことはよく起こる)。なるほど、バックハウスとは、こういうピアニストであったのか!そこで前橋にある紀伊國屋へ出かけ、このDECCAの廉価盤を買ってきた。 . . . 本文を読む
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おもちゃ箱をひっくり返す(ポエムNO.2-01)

2013年02月10日 | 俳句・短歌・詩集
記憶の底にわだかまるおもちゃ箱をひっくり返す。クラッシュするスコアボード。フラスコの中のたてがみのない透明な馬。垂直にのびるヒコーキ雲。 マスタードの味がするトラックのヘッドライト。捨てられない奇妙ながらくたが飛び出してくる。あれはなに?なんだろう。真っ白いまな板のうえで影絵のモーツァルトがお辞儀している。まぶたの裏でコオロギが鳴き鮎が数匹跳ねる 跳ねる。見えるのにそこにないもの。 . . . 本文を読む
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Remember!モーツァルト

2013年02月10日 | 音楽(クラシック関連)
モーツァルトが聴きたくて、今日もBGMには、モーツァルトが流れている。 「名曲名盤300」というクラシックの本には、モーツァルトの“名曲”が40曲ノミネートされて、2位のベートーヴェン、3位のバッハを引き離し、最高の圧倒的人気を誇っている。だけど、モーツァルトとつあっていると、ここにノミネートされた曲ばかりでなく、ほかにもすぐれた曲が続々と出てくる。ポリーニでモーツァルトのピアノ・コンチェルト第17番や19番を聴いたとき、そのことを痛感した。モーツァルトは一般的に35年の生涯の中で600曲と少しの音楽を作曲しているとされる。ディヴァルティメントやセレナードを聴いていると「若書き」といわれるころのものにも、すぐれた作品がかなりある。聴きなじんでくると、そういうものに、少しずつ理解がおよぶようになって「おやおや。これもいいじゃないか、うん、こっちも . . . 本文を読む
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昭和の生き残りが消えてゆく

2013年02月09日 | Blog & Photo
つぶやきでも書いたように、2012年12月に、写真界の大御所的存在だった東松照明さんが亡くなった。大御所といっても、土門さんや木村伊兵衛さんのように、お弟子さんたちに囲まれていたわけではない。どちらかといえば、一匹狼タイプ。最期は沖縄の病院で迎えたとのこと。奈良原一高や細江英公とならぶ「VIVO」の代表的なメンバーで、森山大道、中平卓馬、荒木経惟はじめ、あとからつづく新鋭に大きな影響をあたえた。岩波写真文庫でもいい仕事をしたし、沖縄を6×6で撮った「太陽の鉛筆」も、すばらしい仕事だった。いまからみると主として「LIFE」がつくりあげた写真ジャーナリズムの時代色が背景に強くただよっているのは否定できないものの、単純な意味での報道写真家ではない。 . . . 本文を読む
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