このあいだ谷澤永一の「雑書放蕩記」(新潮社 1996年刊)という本が出てきた。そしてそのオビ。
「本は私にすべてのことを教えてくれた―。蒐書六十年、その数二十余万冊、稀有の読書人が熱い心で描く感動の読書自伝。」とある。
20万冊はすげえな(^O^)
谷澤さんといえば開高健さんの盟友だった。
初版が多いようだが、本の写真がぞくぞくと掲載されている。
大部分稀覯本かもしれない。
関西大学で長らく教 . . . 本文を読む
講談社文芸文庫から坪内祐三選で「白鳥随筆」「白鳥評論」がセットで刊行されている。
この2-3日「白鳥評論」を読んでいたが、そこへ新潮日本文學全集12巻がくわわった。
昨夜、見当をつけて、日本文學12巻所収の「髑髏と酒場」を読みはじめたら、これがおもしろかった!!
白鳥は晩年にはめぐまれ、文化勲章をうけた。
「髑髏と酒場」は昭和6年(52)、名高い「明治文壇総評」と同じ時期に発表されている。
小 . . . 本文を読む
昨夜遅く池内紀さんの「となりのカフカ」(2004年刊)を読み了えた。
なかなか愉しめ、ポストイットをたくさん挟み込んでしまった(*´ω`)
最後に新書による“プラハ観光”がついているあたり、著者のエスプリを感じさせる。
わたしが持っているカフカは、新潮文庫の頭木さんの前はほとんど池内さんのものだった。
あしたになったら、日記を書こうかなあ。
長篇「審判」「城」が懸案となってはいる。
しか~し . . . 本文を読む
福田和也「作家の値打ち」(飛鳥新社 2000年刊)、こんな本があったのを思い出した。
「作家の価値は、人の記憶に残る作品をどれがけ書けるかで決まる。その点からすれば、やはり《第三の新人》までの作家は偉い、というか高い値打ちをもっていると云わなければなるまい。」
文学の世界の“偏向”がどうやら許せないらしい。
全574点のうち、最高点をたたき出しているのは「仮往生伝試文」古井由吉、「ねじまき鳥クロ . . . 本文を読む
中村光夫「私小説名作選 上」で、太宰治「富嶽百景」をしばらくぶりに読み返したが、半分ほど忘れていた。
2度目に読み返したのは30代のはじめだったかも♪
「晩年」の諸作と「津軽」が好き。
中でも本作は極上の逸品。
「私小説名作選 上」は田山花袋のはじめて読む「少女病」からスタートするが、これは残念ながら習作レベルである。
徳田秋声、近松秋江、志賀直哉、嘉村礒多など堂々たる私小説作家の代表作に伍し . . . 本文を読む
新品だとたった3冊で6,000円超え(´Д`)
血迷ったわけじゃないけど、講談社学芸文庫はお高いですなあ。
「群像短篇名作選」2,300円、「戦後文学を読む」2,000円、「明治深刻悲惨小説」1,800円。もちろんこれに消費税が加わる。表紙は金文字でピッカピカ♬
岩波と新潮にはかなわないからねぇ、破れかぶれ?
年表だの解説だのがびっしり付属している。
昔の単行本なみか、それ以上なので、お値 . . . 本文を読む
関川夏央の「おじさんはなぜ時代小説が好きか」(集英社文庫)の中に興味深い引用があった。
志賀直哉「小僧の神様」のストーリーにおいて、中沢新一が“成熟した貨幣経済のうちで「純粋贈与」は可能か”と問いかけているという。
「小僧の神様」はわずか24枚ほどの短篇だが、昔から傑作として名高い♬
「それは不可能」というのが、中沢さんの結論だそうです。
近代文学を読むにしても「それはいつ書かれたのか」という問 . . . 本文を読む
車谷長吉の「武蔵丸」と、織田作之助の「聴雨」は近ごろ“大あたり”だった。
拾ってきたカブトムシのことを書いた「武蔵丸」より、坂田三吉のことを描いた「聴雨」の方が上ですね↑
フ~ムフム。はてさて大量に抱え込んだ本を、数百冊売らねばならないなあ。6DKでもいる場所がなくなってしまう。
5-600冊売れば多少は風通しがよくなる・・・かな!?
単行本の類は思い切って捨てることだなあ、やれやれ(´Д . . . 本文を読む
一週間のうち、半分は本を探しているか、本屋へいって本を物色している(^O^)ナハハ
どうなっているんだ、あんた。
右の本が行方不明となって、もう1年はたつ。そうしたら、白秋の「フレップ・トリップ」と一緒に寝室から出てきた。
この樺太の旅は友人から数年前にすすめられて買った、そして積読。詩人白秋の童心があっちこっちで炸裂し、読者を別天地へと誘う紀行文。
Cheerfulという英語を連想する人もい . . . 本文を読む
「おかしいなあ、おかしいなあ」と、一つの本を3日も4日も探している。現役時代には想像できなかった(;^ω^)
ずばりいえばそれだけヒマなのだ。
「近代日本人の発想の諸形式」はすぐに見つかった。
有名な近代小説論だけど、出版社もおそらく品切れなのだ。
「小説の認識」ぜひ読みたい論攷が4つほどある。
「小説入門」は古めかしい新書版で手にしたことがある。
講談社文芸文庫だと、ん!? ¥12,735 . . . 本文を読む