二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「大衆の反逆」中島岳志(NHK 100分de名著 2019年刊)レビュー

2019年01月31日 | 哲学・思想・宗教
本書も書店で見かけてパッと買ってしまった衝動買いの一冊。 100分de名著シリーズはこれまで7~8冊は読んでいるが、なかなか書評を書きたくなるような、すぐれた内容を備えたものとぶつからなった。読書人ではなく、一般の視聴者を想定し、TV番組の枠内で話されたもののテキスト化だから、まあこんなレベルかな・・・と思わないでもない(^^;) 「大衆の反逆」とは、端的にいえば反ポピュリズムの本である。 ・第 . . . 本文を読む
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「フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ」岡本裕一朗(中公新書 2015年刊)レビュー

2019年01月25日 | 哲学・思想・宗教
新刊書店の散歩をしているとき棚にあったのを見つけた。 その場で立ち読みし、即買い。 いや~、こんなガイドブックがあったのか・・・これはぜひ、はやめに読んでおこう、と。 というのも、レヴィ=ストロース、ミシェル・フーコー、ドゥルーズ等、フランス現代思想の本が、昨年秋あたりから身辺に集まってきているからだ(。・_・) 歴史と文学のジャンルに較べて、哲学・思想・宗教の分野はむずかしい。 若いころから読ん . . . 本文を読む
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「職業としての政治」マックス・ヴェーバー(脇圭平訳 岩波文庫1980年刊)レビュー

2019年01月17日 | 哲学・思想・宗教
以前、半分ほど読んだ記憶が微かにある。1980年の刊行だから、その翌年か翌々年ではなかったろうか? 活字が小さい上、翻訳が読みにくかった。原文を忠実に訳そうとしているためか、日本語としてこなれていない。一種の学術用語なので、慣れないと論旨についていくのが大変である。 この著作は、大学時代から知っていた。法学部の政治学科の学生であったわたしは「必読書リスト」の一冊として、書名を覚えた。 政治学を学 . . . 本文を読む
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地獄の釜の中をのぞく ~「ピエール・リヴィエール」(フーコー編著)の衝撃(2)

2019年01月11日 | 哲学・思想・宗教
*ヨーロッパ型の人間が、いかにキリスト教という宗教に骨がらみになっているか、本書を読むとよくわかる。 人格あるいは主体の底辺は、わたしの眼から見ると、キリスト教によって形成され、ある意味で“支配”されいるということだ。人格はその宗教の上に組み立てられる。 ピエールが聖書やそれと関連する宗教書をどう読んだかは、多少ねじれた形ではあるにせよ、この男の内面を推定する大きな手がかりとなるだろう。 *本書 . . . 本文を読む
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地獄の釜の中をのぞく ~「ピエール・リヴィエール」(フーコー編著)の衝撃(1)

2019年01月11日 | 哲学・思想・宗教
本書の刊行は1973年、フランス語原題の日本語訳は、正しくは「私ピエール・リヴィエールは、母、妹、弟を殺害しました・・・十九世紀の親殺し事件」である。 本書は、哲学書ではない。ミッシェル・フーコーといえば、現代フランスを代表する哲学者・思想家として有名で、ついそういったカテゴリーの範疇で考えてしまう。 しかし、重要なのは、本書の核心が「ドキュメント」だということ。 わたしはフーコーがこういうドキ . . . 本文を読む
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K・マルクスそして、M・フーコーへ歩み寄る

2019年01月05日 | 哲学・思想・宗教
  (新たに買いなおした岩波「ドイツ・イデオロギー」。高校時代は古在由重訳で読んだ) 昨日マルクスの「ドイツ・イデオロギー」を四十数年ぶりに読み返していて、あるページに、昔そうしたように足をとどめ、あらためて心ふるわせた。 マルクスは共産主義社会という彼らのユートピアをこう語っている。 岩波文庫の現行本では66、67ページ。 《共産主義社会では、各人は排他的な活動領域というものをもたず、任意 . . . 本文を読む
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新年の読書二冊 2019

2019年01月03日 | 哲学・思想・宗教
  (単行本ソフトカバー177ページ、中身の濃い対談となっている) ■「はじめてのマルクス」鎌倉孝夫 佐藤優・対談(株式会社金曜日 2013年刊) 佐藤さんがまえがきを、鎌倉さんがあとがきを書いている。単に形式的なものではなく、力のこもったまえがき、あとがきになっている。 鎌倉孝夫さんは佐藤さんにとっては恩師筋にあたる、宇野経済学派の重鎮のひとり、といえようか。 資本主義の核心には「労働力 . . . 本文を読む
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年末の読書二冊 2018

2018年12月31日 | 哲学・思想・宗教
■「若者よ、マルクスを読もう――20歳代の模索と情熱」 内田樹 石川康宏(角川ソフィア文庫2013年刊) タイトルから察せられるように、超初心者向けの本である。2010年かもがわ出版から刊行された単行本が角川文庫に収録されたもの。 内田樹さんのお名前があったので、手をのばした。石川先生とは、神戸女学院大学で、内田さんの同僚、7歳ほど年下で、マルクス学の専門家と紹介されている。 《読めば頭がよ . . . 本文を読む
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「マルクス思想の核心 ――21世紀の社会理論のために」鈴木直(NHKBOOKS 2016年刊)レビュー

2018年12月27日 | 哲学・思想・宗教
  (最後のフィニッシュが決まらなかったので、評価が下がった) う~ん、本書の第七章(最終章)にはいささかびっくり(*゚。゚) たぶん“まとめ”に入ったのだろうが、まるで木に竹を接いだような無理がある。わたしの眼にはそう映じた。 マルクスに代わって、カントとハーバーマス理論の要約・紹介となっているのだ。改めて鈴木直さんの来歴、肩書を見返すと“社会思想史”が専門だとある。 しかし、この最終章が . . . 本文を読む
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21世紀のいま、マルクスを読むということ

2018年12月24日 | 哲学・思想・宗教
  (昨夜この「マルクス思想の核心」を読みはじめた) 漫然と書籍の世界に耽溺しているようだけれど、わたしなり方向性ははっきりしている。 1.聖書(旧約・新約)を読む 2.プラトンまでさかのぼって、哲学書を読み、哲学史に理解を深める 3.その中から、デカルト、スピノザ、ニーチェなどと、フランスの「ポストモダン」といわれる一群の思想家について、ある程度の知見をもつ。 4.世界史に関する読書を継続 . . . 本文を読む
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