二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「新人生論ノート」木田元(集英社新書 2005年刊)レビュー

2018年04月04日 | 哲学・思想・宗教
ある程度の年になると、人は人生論を語りたくなるものらしい。 五木寛之さんなど、お若いころは、かなりいま風(といっても70~80年代風)のとんがった小説を書いていたのに、老年になって、仏教と人生論が得意分野となった(笑)。 本書は編集者が「三木清の『人生論ノート』のようなものを」と、木田先生に注文をつけ、集英社の広報誌「青春と読書」に連載したものだそうである。 木田先生といえば、西洋哲学の専門家。 . . . 本文を読む
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中谷巌さんの「資本主義以後の世界」を読む

2018年03月16日 | 哲学・思想・宗教
やれやれ、繁忙期のピークを過ぎ、トンネルの出口が見えてきた「(゚ペ) 週休二日というのは、けっこう贅沢な労働条件なのか・・・まあ、2月3月限定だけどね。 これまで何度も書いているように、うちにはTVがない。晩飯は母屋で両親と食べるので、そのときだけニュースを見たり、「鶴瓶の家族に乾杯」「ぶらタモリ」を見るくらいで、その代わりに本を読む。 本は心のご飯、たとえわずかではあっても、毎日読むし、ど . . . 本文を読む
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「闘うための哲学書」小川仁志/萱野稔人(講談社現代新書)2014年刊 レビュー

2018年02月04日 | 哲学・思想・宗教
生きるとは何ものかと闘うことであるという意味で、このタイトルが選ばれたのだろう。 入門書とは謳っていない。しかし、やや毛色の変わった入門書であることは間違いない。 本書で取り上げられている「哲学書」はつぎの22冊。 1.「饗宴」プラトン 2.「ニコマコス倫理学」アリストテレス 3.「方法序説」デカルト 4.「リヴァイアサン」トマス・ホッブズ 5.「統治二論」ジョン・ロック 6.「社会契約論」 ジ . . . 本文を読む
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人はなぜ本を読まなくなったか ~教養主義の衰退

2018年02月02日 | 哲学・思想・宗教
   (本日も、雪) 昭和のころに較べ、人は本を読まなくなった。 その背景には「教養主義の衰退」があると指摘されている。 以前は世界や己自身の存在を考え、深く知ろうとしたら、まず書物=印刷物に向かう人びとが多かった。 ところが、映画、TV、マンガが、既存のメディアにかわって、「情報」の主流に躍り出、ネットの普及によって、本離れ=古典的な教養主義の衰退に、ますます拍車がかかった。 そういうことを . . . 本文を読む
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「いま生きる『資本論』」佐藤優(新潮文庫)レビュー

2018年01月19日 | 哲学・思想・宗教
ライブ感たっぷりの、わたしのごとき無知なる輩にはたいへん為になる一冊(゚∀゚*) こんな本を探していた・・・といってもいいような、ね。 担当編集者が描いたと思われるキャッチコピーがうまいので、引用させていただこう。 《ソビエト崩壊後、貨幣代わりに流通したマルボロから「一般的等価物」を語り、大使館にカジノ代をたかる外遊議員が提示したキックバックに「金貸し資本」のありようを見る。『資本論』の主要概念を . . . 本文を読む
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「憲法の無意識」柄谷行人(岩波新書)レビュー

2018年01月17日 | 哲学・思想・宗教
「遊動論」に比べたら、こちらははるかにおもしろく読めた。まったく思いもしなかった角度から論じられた憲法論。ただし哲学者・思想家による政治論なので、二重三重にひねりが加えられてある。 なぜおもしろいのかというと、論点がすっきりしていて、読者の頭に入り込みやすいからであろう。 本書はつぎの4つの講演から成り立っている。 ・憲法の意識から無意識へ(2015年) ・憲法の先行形態(2015年) ・カント . . . 本文を読む
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「ひとはなぜ戦争をするのか」アインシュタイン/フロイト(講談社学術文庫)レビュー

2018年01月16日 | 哲学・思想・宗教
すでにつぶやきでも取り上げたが、ここではレビューの形で書き直しておこう。 養老孟司さん、斎藤環さんの解説をふくめ、110ページの小冊子みたいな書籍なので、読みおえるのにさしたる手間はかからない。 国際連盟の提唱で《誰でも好きな方を選び、いまの文明でもっとも大切と思える問いについて意見を交換できることになりました。》とアインシュタインは書簡の冒頭に書いている。 日付は1932年7月。これに対し、同 . . . 本文を読む
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「世界共和国へ −−−−資本=ネーション=国家を超えて」柄谷行人(岩波新書)レビュー

2018年01月06日 | 哲学・思想・宗教
哲学書を読んでいるような難解さがある。世の中には、マルクスやカントをすらすら読める人がいるが、わたしの場合は、哲学・思想分野は、なかなか手ごわいと思えることが多い。 抽象度の高い語彙がページの上で乱舞しはじめると、しばしば“意味のつながり”がわからなくなり、本の中で迷子になってしまうのだ´Д`|┛ そのときは、迷子になった場所へ戻って読み直す。 だから、ドイツ観念論はもちろん、マルクスなども、遠 . . . 本文を読む
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「パウロ 十字架の使徒」青野太潮(岩波新書)レビュー

2017年12月16日 | 哲学・思想・宗教
わたしは仏教徒である。 しかし、ヨーロッパの小説、詩を、若いころからよく読んできた。 だから、キリスト教にはそれなりの関心がずっとあった。 そして四福音書は一通り眼をとおしたが、パウロの手紙でつまずいた。キリスト教徒ではない日本人にとって、パウロの手紙はかなり難解なのではないだろうか? 《力は弱さにおいて完全になる》 《キリスト教「最初の神学者」、その生涯と思想をたどる》 オビ文にそう書かれて . . . 本文を読む
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「哲学散歩」木田元(文春文庫)を一気読み

2017年10月23日 | 哲学・思想・宗教
お天気に翻弄され、なかなか撮影がはかどらないけど、 そのかわり本の世界に浸り込んでいる。 哲学・思想というジャンルは、どうもわたしには敷居が高く、近寄りがたいものがある´Д゜ そこで衝動買いしたのがコレ♪  木田さんといえばハイデッガーだけど、本書は書名通り普段着の散歩で、こぼれ話が面白く一気読みした。 カント、ヘーゲルどころか、ギリシャ哲学すらまったく読んでない。 哲学というのは、議論のため . . . 本文を読む
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