二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「銀河系惑星学の挑戦」松井孝典(NHK出版新書)レビュー

2018年12月09日 | エッセイ・評論(国内)
  (ネットで検索し、近所の書店で購入) 「1万年目の人間圏」をさきに読みはじめたのだけれど、あとから読みはじめたこの「銀河系惑星学の挑戦」の方をまず読み終えた。 朝日カルチャースクールでの5回の講座が元になって編集された。したがって、首尾一貫した“読み物”になっている。文体はですます調で、読者に話しかけてくるような親しみがあり、たいした予備知識なしで、スラスラと読める。 かつて指摘したように . . . 本文を読む
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内田樹「街場のメディア論」光文社新書(2010年刊)レビュー

2018年09月30日 | エッセイ・評論(国内)
  (本の表紙だけをスキャンするのではない。背景が大事(^^♪) 「私家版・ユダヤ文化論」 2006年 「下流志向」2007年 「日本辺境論」2009年 いまウィキペディアを参照したら、単著だけで2017年までに50冊の本をお出しになっている。 ところが、わたしがこれまで読んだのは、以上の3冊のみ。 「私家版・ユダヤ文化論」などは、友人にすすめられて手にしたにもかかわらず、論点についていけず . . . 本文を読む
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「ペスト大流行 –ヨーロッパ中世の崩壊-」村上陽一郎著(岩波新書)レビュー

2018年08月30日 | エッセイ・評論(国内)
  (ペストを主題とした3冊。ペストは古代、中世の文献にもさまざまな形で登場する) わたしがペストに関心をもったのは、中央公論社の「世界の歴史」あたりで、ヨーロッパの中世史をはじめて読んだときだから、1985-6年ころではなかったかと思う。 “メメント・モリ”(死を忘れるな)ということばもそのころ覚えた。 病原菌による感染が、数千万もの人間を死に追いやったのである。村や都市がそれによって、まる . . . 本文を読む
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「アレント入門」中山元(ちくま新書)レビュー

2018年08月30日 | エッセイ・評論(国内)
  (レビューはパスしようと考えたけど、心覚えのため書いてUPしておこう) ハンナ・アレント、あるいはハンナ・アーレント。 このあいだ主著のひとつ「人間の条件」(ちくま文庫)を買ったので、手許にある。 日本の言論界、とくに社会学者等にかなりな影響力をもっていることがわかったため、本書で少しお勉強しようと考えて買ってきた。 木田元さんではなく、中山元さん。 哲学者であり、翻訳家でもある。中山元 . . . 本文を読む
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明治150年

2018年08月20日 | エッセイ・評論(国内)
  (どちらも昭和40年代の本なので、黄ばみ、汚れがひどい) タイムカプセルの中から出てきた本の中に、この2冊がある。 「小説とは何か?」を学習するため、高校時代に読んだ。 どちらも理路整然としていて、無知だった頭に沁み通ったので、少し読みはじめたら、すぐに思い出した。 中村光夫「風俗小説論」と、臼井吉見「小説の味わい方」。 その昔は新潮文庫で手軽に読めた。 この2冊は、要するに小説にお . . . 本文を読む
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「下流志向」内田樹著(講談社文庫)を読み返す

2018年08月18日 | エッセイ・評論(国内)
本書は内田樹さんの(たぶん)ベストセラーとなった「下流志向」の文庫版。 かつて単行本で読み、感心した記憶がある。 初版は2007年1月刊行。 《学ばない子どもたち 働かない若者たち》というサブタイトルがある。 せんだっては「日本辺境論」を読み返したが、最初読んだときに較べ、評価が大幅に下がった。 論旨が混乱しているというのか、あまりにもうがちすぎてややこしく、結論がよくわからない。思考の(あるい . . . 本文を読む
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「香しき岬」の人、須賀敦子没後20年

2018年04月25日 | エッセイ・評論(国内)
  (右は娘時代の、左は夫ペッピーノとのツーショット) 須賀さんの没後20年にあたる今年、書店に須賀敦子コーナーが設置され、たくさんの本たちがならんでいる。 それで「トリエステの坂道」と出会ったころを思い出した。 BOOK OFFの書棚の前に立って、立ち読みするクセがわたしにはある。 そうして手にとって、ぱらぱらと中身検索をする♪ ■https://blog.goo.ne.jp/nikon . . . 本文を読む
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経済学と生物学の最新事情

2018年02月14日 | エッセイ・評論(国内)
  (知の空間を少し拡げるための読書がつづき、こういった領域へも関心がのびている) ■岩井克人「二十一世紀の資本主義論」ちくま学芸文庫2006年刊 刊行された直後に読んでいたら、いまより遙かにインパクトがあったろう。いや、いまでも十分インパクトをもっている。 本書を読んでから、世の中に対する見方が変わった。経済学にかんして無知な人なら、こういった分析に驚きを隠せないだろう。 理路整然とし . . . 本文を読む
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今年読んだ本の一冊 保苅瑞穂「モンテーニュ よく生き、よく死ぬために」 (講談社学術文庫)

2017年12月31日 | エッセイ・評論(国内)
さて今年のラストシーンは「今年読んだ本の一冊」。 今年は14件のレビューを書いて、mixiや「二草庵摘録」に記事をUPした。 読んだ本はその2倍くらいかな・・・たいした数字にはならない。 ただし、途中で中断してしまったり、読むのをやめてしまったり、拾い読みにとどめてあったりする本が、さらに2倍以上ある。したがって、60冊前後の本が、わたしの内部を通りすぎていった、といっていいだろう。日記や「つぶ . . . 本文を読む
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「反哲学入門」木田 元(新潮文庫)レビュー

2017年12月10日 | エッセイ・評論(国内)
メルロ=ポンティの「眼と精神」(木田元・滝浦静雄共訳 みすず書房 1966年)を買ったのは、たぶんまだ東京にいたころだから、20代の終わりころ。 サルトルやカミュなど、実存主義と呼ばれる思想家・文学者がまだ、一部の学生のあいだでよく読まれていた時代。 わたしの場合、カミュは高校のとき、親しくしていた友人Tさんが「シーシュポスの神話」の熱烈な信奉者だった関係で、はじめて手にした“哲学書”(本当は文学 . . . 本文を読む
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