二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

高島俊男「三国志 きらめく群像」(ちくま文庫)を読みおえる

2018年08月02日 | 歴史・民俗
結論をさきにいえば、隠れた名著とは、もしかしたらこういう著書のことをいうのかもしれない。 古書店でなにげなく手に入れた本だが、そういってみたいくらい感心したので、しばらくは余震がつづくだろう。 ちくま文庫で、全一巻、末尾の人名索引までふくめ、445ページ。 参考までに、もくじを掲げておこう。 ・はじめに ・正史「三国志」の話 1.混沌(カオスのはじまり) 2.曹操をめぐる勇士傑物 3.北方の勇 . . . 本文を読む
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「大英帝国という経験」(興亡の世界史シリーズ)井野瀬久美恵(講談社学術文庫)レビュー

2018年06月07日 | 歴史・民俗
筆者がありったけの知識と情熱をかたむけたような仕上がりの本。 話題がてんこ盛り、いい意味でも悪い意味でも、四方八方への配慮がいきとどいている。時代を横切って去っていった人たちが、じつに大勢登場し、息つくヒマがないほど。したがって、話題はつぎからつぎへと展開する。 わたしは1ヶ月半ほどかかって、途切れとぎれに読んだので、最初の方は忘れてしまった。うかつにも、井野瀬久美恵さんというイギリス近代史家は . . . 本文を読む
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「東インド会社とアジアの海」羽田正(講談社文庫 2017年刊)レビュー

2018年05月17日 | 歴史・民俗
本書は5点満点の評価にはおさまりきらない名著であると思われる。まず何より、わたし自身にとって、エキサイティングな知的メニューがぎっしりつまっている。 はじめは、講談社“興亡の世界史”のシリーズ21巻の一冊として、2007年に、ハードカバーとして刊行された。 ☆興亡の世界史全21巻リストはこちら http://www.bibliostyle.com/bnavi/kobo.html 「東インド会社 . . . 本文を読む
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「地政学入門 外交戦略の政治学」曽村保信(中公新書 1984年刊)レビュー

2018年05月01日 | 歴史・民俗
読みはじめたのは羽田正さんの「東インド会社とアジアの海」(講談社・興亡の世界史)の方が早かった。だが、読みおえたのはこちらが先になった。 専門書ではなく、一般向けに書かれた世界史の本としては、どちらも、いまだ第一級の知的レベルをたもっていると思われる。 読みおえてからAmazonでレビュー検索をしてみた。興味深いのはこれが、政治・軍事の図書というより、現代のビジネス戦士の“必読書”として扱われて . . . 本文を読む
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「二十世紀日本の戦争」座談会(文春新書 2000年刊)レビュー

2018年04月22日 | 歴史・民俗
特売品コーナーのワゴンにあったのがふと目に付いたため、帰り際に買ってきた。 手に入れると、大抵は「序章」だとか、「まえがき」だとか、「おわりに」などを先に読むクセがついた。 いつごろからだろう、おそらく本をたくさん(月に10~20冊)買うようになってからだろう。いくらTVはない・・・とはいっても、まだ現役で仕事をしているため、どうしても時間は限られる。読みたい本が10冊あったとしても、1冊か2冊し . . . 本文を読む
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「イギリス帝国の歴史 アジアから考える」秋田茂(中公新書 2012年刊))レビュー

2018年04月14日 | 歴史・民俗
こんな本があったらいいなあ、こういう本が読みたい・・・という漠然とした期待があった。 本書は、その期待に応えてくれた一冊。 半分ほど読んだところで、う~む、これは類書をしのぐ労作だぞと思って、Webの検索をしてみたら、第4回読売・吉野作造賞を受賞していることに気が付いた。ついでに吉野作造賞について調べてみたら、さすが受賞者は錚々たる顔ぶれである。 「イギリス帝国と20世紀(1)パクス・ブリタニカ . . . 本文を読む
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「茶の世界史 緑茶の文化と紅茶の社会」角山栄(中公文庫 1980年刊)レビュー

2018年04月06日 | 歴史・民俗
   (背景の建物はわが茅屋「二草庵」の一部) 本書は1980年12月に刊行されている。奥付をみると2016年までに37版が発行され、わたしが入手したのが、2017年の改版。 かなりの冊数が世の中に出まわり、高い評価をあびているものと推測される。 広告ページを参照すると「名著刷新!」の大きな文字が躍っている。 ただし、mixiには42件のカスタマーレビューがあるれど、Amazonには2件のレビ . . . 本文を読む
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「二〇世紀の歴史」木畑洋一(岩波新書 2014年刊)レビュー

2018年04月04日 | 歴史・民俗
こばたさんとお読みするのかと思ったら、きばたとお読みする。東大出の先生で、ご専門は、イギリス帝国史、国際関係史、国際関係論。 わたしの関心はこのところ、世界史へと向かっている。古代史や中世史については、これまで、そこそこの本を読んできたが、近現代史には弱いので、二〇世紀に焦点をあてているこの本を手に取った。 しかし10日ほど前に読みおえているため、いささか、印象が薄れてしまった(^^;) この本 . . . 本文を読む
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「宰相吉田茂」高坂正堯(中公叢書)レビュー

2018年03月28日 | 歴史・民俗
ついさっき、わたしは「宰相吉田茂論」(中公叢書「宰相吉田茂所収」)を読みおえ、その感動の中にいる。 塩野七生さんが最大限の賛辞を呈している国際政治学者・思想家の高坂正堯さんについて、猪木(正道)さんは高坂の没後に、「高坂は僕が教えた中では、ピカイチの天才だった」と回想しているそうである。(出典ウィキペディア) 現在は、「海洋国家日本の構想」とともに、中公クラシクスの一冊に収められていて、Amaz . . . 本文を読む
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旅行記2冊(シュリーマンと長谷川如是閑)

2018年03月20日 | 歴史・民俗
何度もいうようだけど、わが家にはTVがない。もちろん意図的にそうしている。 皆さんがTVに釘づけになっているあいだに本を読むためだ。 左は昨夜読みおえたかのシュリーマンが書いた末期の清国と幕末日本訪問記。 ずっと以前、友人にすすめられていたのだ。薄っぺらいから、イザベラ・バードの「日本奥地紀行」のような読み応えはない。 しかし、トロイアの遺跡の発掘に向かう数年前に日本にやってきていたのだ。 な . . . 本文を読む
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