二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「チャイコフスキーコンクール」中村紘子(中央公論社)

2010年04月21日 | エッセイ(国内)
クラシック音楽熱にとり憑かれたことが、過去に二回あった。 一度目は高校のころ。まだLPの時代で、廉価版をあさって、3、40枚のレコードを集めた。いまもそうだが、曲目をあげるのもはずかしくなるような、ごくオーソドックスな定番ばかり。きっかけはなんだったのだろう? 小学校のころから、群馬交響楽団による「移動音楽教室」が、たびたびぶち抜きの教室や体育館で開催され、それが下地になったうえ、昔はなからずどん . . . 本文を読む
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「大英帝国衰亡史」 中西輝政(PHP文庫)

2010年04月07日 | 歴史・民俗・人類学
中西さんは、以前「なぜ国家は衰亡するのか」(PHP新書)を読んでいる。 高坂正堯さんの高弟で、イギリス留学経験がある。ヨーロッパ外交史を専門とし、マスコミなどでは、高坂さんの後継者として紹介されることが、かつては多かったようである。 名著といわれる高坂さんの「文明が衰亡するとき」は7、8年まえに読んでいるけれど、もうあまり覚えていない。 本書は、もしかしたら、いや間違いなく「文明が衰亡するとき」に . . . 本文を読む
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「この国の仇」 福田和也(光文社)

2010年04月04日 | エッセイ(国内)
平成10年の刊行なので、もうずいぶん古い本になってしまった。 福田和也さんは、知る人ぞ知る保守論客の一人。 1993年に「日本の家郷」で三島由紀夫賞を受賞しているので、 はじめは文芸評論家として出発している。 しかし、その後かなりの本を出しているけれど、文芸批評というより、 こういった「論説」本が多いように思える。 本書は3つの章に分かれている。 1.「こどもの人権」というまやかしの大合唱を討つ . . . 本文を読む
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