■渡辺照宏「お経の話」岩波新書(1967年刊)
ずいぶん昔、高校の終わりころだと思うが、表面づらだけは読んでいる。むろん内容が理解できたわけではない。文字を追っただけ(´?ω?)
だけど、多少は記憶のへりに引っかかっているものがある。
たとえば、
《諸行無常 諸の行は無常なり。
是生滅法 これ生滅を法となす。
生滅滅已 生滅にして滅し已(おわら)らば
寂滅為楽 寂滅して楽となる。》
. . . 本文を読む
オビに、「没後100年の今、明かされる『桜の園』の作家の知られざる素顔」と銘打たれている。そうだ・・・もうそんな時間が流れたのだ。
この岩波新書は前に一度読んでいるので、今回が2回目。つい数年なのに、半分、いやそれ以上忘れている、あきれたことに(´・ω・)?
浦雅春「チェーホフ」はとても切れ味の鋭い、論旨明快な一冊。しかも深い“読み”。21世紀のチェーホフ論は、本書をはずしてはかんがえられないだろ . . . 本文を読む
ベッド脇に平積みした本を整理していたら、吉本さんの「背景の記憶」(平凡社ライブラリー)が出てきた。
小川哲生さんという人が、「過去についての自註」その他、いわば“雑文”を編集したもの。吉本さんは自伝は書いていないが、集められた短文を順ぐりに読んでいくと自伝の趣を呈する。
「共同幻想論」等の主著は理解できそうにないが、エッセイやインタビューもたくさん出版している。
表紙がいいなあ、下町を歩く吉本さ . . . 本文を読む
■植木雅俊「法華経とは何か その思想と背景」中公新書(2020年刊)
本書の構成はつぎのようになっている。
1.「法華経」の基礎知識 インドで生まれ、中国から各地に伝えられた経典
2.「法華経」前夜の仏教 原始仏教から小乗、そして大乗の興起へ
3.「法華経」各章の思想
4.「法華経」の人間主義 “偉大な人間”とは誰のことか
スタートはわくわくもの、法華経研究の最前線をのぞき見る思いがした。植木 . . . 本文を読む
母を入院させた病院へ、好きなひと口チョコ、手紙などを届けにいった。そういえば、母は3月生まれ、誕生日がくれば95歳になる。
ボケがすすんでいるので、手紙の内容が理解できるかどうか(´・ω・)?
帰りがけに、ふと見上げた紅梅が網膜に染み入るようにキレイだった。例年より、1週間程度はやいのじゃないかしら、今年は。 . . . 本文を読む
「法華経とは何か その思想と背景」この本はすごいな、まだ読みはじめたばかりで、テキストクリティーク部分だけど。
2020年に刊行された中公新書の一冊だが、圧倒的な説得力を持っている! いやはや植木雅俊さんはたいへんな碩学である。橋爪大三郎さんとの対談「ほんとうの法華経」も読みたくなったぞ(ノω`*)
角川のソフィア文庫からは「法華経」「維摩経」もお出しになっている。
ふ~むむ。現在における仏教 . . . 本文を読む
何百冊も平積みした、ほこりっぽい本の山をひっくり返していたら、中央公論社版全集の「研究」「思い出」がようやく出てきた。いつ買ったのだったか(´・ω・)? 退職したらゆっくり読もうとかんがえて買っておいた本がたくさんある。写真集「チェーホフの風景」が、わたしの知的好奇心を揺るがし、蘇ってきた。
中央公論社の全集は、古書店でバラだったものを買い、十冊くらいはあったなあ。さがせばまだ出てくる。一時代前 . . . 本文を読む
微妙かつ複雑な味わいを持っているのでだれもが誤読する、作者チェーホフが「喜劇」と書いているのに。
彼にとって「桜の園」は特別な戯曲(ノω`*)
迫りくる死の足音を聞きながら書いた最後の作品。
以前は岩波文庫だったが、読み返すつもりで光文社の浦雅春訳を買ってきた。
神西清さんが気づかせてくれたのだ!
浦雅春さんが、とてもすぐれた解説を書いている。
「プロポーズ」や「熊」といった一幕ものの喜劇の方 . . . 本文を読む
野鳥を撮りに外出しなくなったので、一日の大半は家のなかか、クルマのなかで過ごしている。
若いころ、10代20代のころにも、こうして長い時間、本を相手に過ごしたものだ。
だけど、それから半世紀あまり、本から目をあげたときの風景はずいぶんと違っている。
外界やわたしが、変わってしまった・・・ということだ(´Д`)
昨日は思い余って、救急車を頼んで、すっかり老衰した母を病院へつれていって、入院手続き。 . . . 本文を読む
秀逸な一冊である・・・と思われた。
馬場紀寿(ばばのりとし)さんは、1973年生まれ、東京大学の先生で、専攻はいわずと知れた仏教学。
さして期待をもたずに読みはじめたが、とんでもない!
しつこいくらい論理的(理屈っぽいという意味ではない)で明快である。曖昧なところが、少しもないだけでなく、読者への訴求力はすごいし、牽引力もある。ことばを几帳面に定義しているからだろう。
「わたし自身のために書いて . . . 本文を読む