二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

かなしいしょうねん 2021-07(7月25日)

2021年07月31日 | 俳句・短歌・詩集
  (撮影 2016年) ゆあーんゆよーん ゆやゆよんと ブランコはゆれる。 十歳の坊やだった中也をのせてゆれる ゆれる。 おや 水平線がかたむいているね。 牛が七頭 八頭と群れて おいしそうに草を食んでいる。 中也はなぜ悲しいのか そういう宿命のもとに生まれたからか? 自分から不幸を招き寄せたんだ と 友人たちがそう証言している。 ゆあーんゆよーん ゆやゆよん とブランコはゆれて ニヒ . . . 本文を読む
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ことばが流れこんでくる 2021-006 (7月23日)

2021年07月30日 | 俳句・短歌・詩集
ことばを操っているのか 操られているのかわからなくなる。 利根川はいつも流れていて 流れがとまることはない。 ことばも同じように流れている。 きみのこころの底をたっぷり水びたしにして。 意味という砂をそうして運んでいく。 「われはもと無用の人 これはもと無用の書物」 朔太郎を読んでいると ぼくまで昏く 自虐的なっちまって うずくまりたくなる ことばの座布団の上に。 長くすわっていると そこに欲 . . . 本文を読む
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雷雨&豪雨

2021年07月29日 | シャッフル/photos
ものすごい雷雨。 ぐんまでは雷は昔は“名物”といわれたものだが、近年ではめっきり少なくなった。 これまでパソコンを3台も壊された経験があるので、雷雨がくるといささか緊張(。-ω-)  ゴロゴロ、ドカン! と地鳴りがして近くに落雷があった模様。 駐車場に止めたクルマの窓を閉め、おとなしくしていたけど・・・。 . . . 本文を読む
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森安孝夫「シルクロード世界史」講談社選書メチエ2020年刊レビュー

2021年07月29日 | 歴史・民俗・人類学
このタイトルにひかれて読みはじめた。海外の小説を20冊ばかり買いこんで、「さて、読まなくちゃ」とかんがえてはいるのだが、どーゆーわけか、フィクションにはこの1-2年、手がなかなかのびない。 中央アジアの世界史。 何冊かはこれまで読んでいる。しかし、この地域の歴史はわかっていることより、わかっていないことの方がはるかに多いのである。 ラクダを眺めるのに、針の穴(孔)を通してみるようなもの(´Д` . . . 本文を読む
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石川真澄・山口二郎「戦後政治史 第三版」(岩波新書 2010年刊) レビュー

2021年07月27日 | 歴史・民俗・人類学
ひと口に評してしまえば、戦後政治史入門編、読む年表である。 よいとか悪いとかいっても仕方がない。政権交代がどのようになされたのか、大づかみに素描してある。それだけではなく、最初に歴代首相の一覧、巻末に国会議員選挙の結果のデータがある。 年表的なので、超特急である。佐藤栄作さんも田中角栄さんも、3~4ページで片づけられている。 しかも、本書の刊行年月日が2010年ということなので、2011年以後の . . . 本文を読む
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キジ♀ と遭遇

2021年07月27日 | シャッフル/photos
コンビニ帰り、少し遠回りしたら、何やら大きな鳥の影。 助手席の望遠ズームをすばやくかまえてのぞいたら「わお、キジ!」。 オスはときおり見かけるけれど、メスはめずらしい。用心深いですからね(^^♪  背景は老人収容施設の壁。 衣裳デザインが似ていなくもないスズメたちと比べると、その大きさにびっくりする。 . . . 本文を読む
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あの夏のいま 2021-05(7月21日)

2021年07月27日 | 俳句・短歌・詩集
  (ジョウビタキ♂ 2015年2月) 老いてよろよろと歩くアヒルのように 立ち居振る舞いを変えるたび きみは顔をしかめながら近く ・・・ではなく遠くを眺めるように目をほそめる。 そうすれば二十歳のころのあの夏に帰れるとでもいうように。 親しかった友人が二人亡くなって 身辺ががらんとしてしまったな。 美人だった女の子も皺だらけで 犀のように角をふりふり突っかかってくる。 「あんたねえ . . . 本文を読む
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朔太郎からの伝言 2021-004 (7月15日)

2021年07月25日 | 俳句・短歌・詩集
   妄想のはらわたに火薬をつめこみ    さびしい野原に古ぼけた大砲をひきずりだして    どおぼん どおぼんとうってゐようよ         萩原朔太郎「大砲を撃つ」より 朔太郎にそそのかされて こんな野原までやってきた。 地はみどりだが空は銀色 右が利根川。  ほらほらきみのこころからあらわれた 色鮮やかな笹船がいったりきたり この銀色の空の下を。 パリではなくここは前橋 ニューヨー . . . 本文を読む
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ドーデー「風車小屋だより」(桜田佐訳)の改版が刊行された

2021年07月25日 | 小説(海外)
   (左改版、右旧版) ドーデーの「風車小屋だより」(岩波文庫)の待ちに待った改版が、ようやく刊行された(^^♪ 桜田佐さんのあとがきをふくめ226ページだったのが、文字がやや大きくなって278ページ。 それに有田英也さんの解説、年譜つき。そのほか表紙の風車の挿絵が変わり、ばったがバッタとなるなど、表記の見直しもなされている。 この本は100円コーナーにあったので、見つけると買い、また買い . . . 本文を読む
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悲観的なつぶやき 2021-003 (2021年7月15日)

2021年07月24日 | 俳句・短歌・詩集
引き戸のすきまからちらりと姿をのぞかせた 長いひげをたくわえた神様がきみの神様だろう。 あちらからきみが もっと不幸せになるのを見ている。 ゆっくりと斜面をずり落ちていくように 年をとって きみはさらにつまらない人間になり ムンクの叫びのようなひしゃげた顔をして こころの底では世界を呪っている。 「終わりが近づいてきたね」 隣にいる人にそういってみる。 するとその人がまた隣の人に 同じことをい . . . 本文を読む
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