虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

調べ学習にチャレンジ♪ と 「会話」の話 2

2010-06-02 19:03:04 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
調べ学習のヒントになるかと思うので、少し続きを書きますね。

息子といっしょに調べ学習をする時、私たちは、
本を見て表にまとめるのではなくて、
最初に「表の枠」を作って、
あとから本を調べながら整理していきました。

そうすると、表に空白ができて、きれいに仕上げることは、できません。
いくら調べても、資料がないことも多いからです。

しかし、その空白が好奇心を刺激し、
たくさんの本に接する機会を作ってくれました。
もしこれが、すぐれた資料を
ただ整理し、要約する形でまとめていたら、
調べが、わくわくする体験にならなかったのではないでしょうか?

はじめに、インドの象棋(しょう棋は、インドで生まれたそう。ただ、日本では
象に乗って戦う習慣がないので、当て字の将がつかわれたのだとか…。)
チェス
中国象棋
日本の将棋
のマスの数、図、ルール、ルーツ、特徴について、
表にまとめました。

そこで、息子が驚いたのは、9×9マスは、
日本人が考えたとばかり思っていたのに、
子ども用の中国象棋で7×9マスの写真を見つけたことでした。

息子との会話の中で、
東洋的な考え方から、マスに奇数のアイデアがもたらされたのではないか?
という新しい仮説が生まれました。
東洋の過去の「家」制度からいっても、
チェスのように女王が戦場に出てくるゲームは受け入れられなかったのでしょうか?

つまり、チェスのようなゲームから、
女王が除かれて 奇数になったのか…??

そう考えるうち、何時代に将棋や囲碁が日本に入ってきて、
どのように遊ばれていたかを調べないと、
こんがらがってきました。

そこで、息子は、はじめて「歴史年表作り」にチャレンジしました。

そうして進んだ調べ学習は、
さいころのなぞに取り掛かり始めたとき
最高にわくわくするものになりました。

当時の息子の作文です。

「さいころのすごいなぞ」 4年○組○○○○

図書館でとりよせてもらった本は大人向けの専門の本だった。
けれどびっくりするような写真がいっぱい載っていて、ぼくは夢中になった。
一番驚いたのは、紀元前8世紀のアッシリアのさいころ。
他の資料では、ずっと、後になっても、
ぼうの形や動物の骨のさいころを使っているのに、
なぜかこんな昔に立方体のさいころが。
おまけに絵のさいころじゃなくて、今とおなじ玉の数を
あらわしている。
写真をじっと見ていたら、横の面に大きな穴のようなものが見える。
なんだろう。
「この数なんだろう。」とお母さんが行ったので、
ぼくは急いで自分のさいころを持ってきて、
面と面をくらべてみた。
4のはずだ。
でも、穴はひとつみたいだけど。
「昔のサイコロは、今とおなじ玉の位置とは限らないよ。」と
お姉ちゃんが言った。
ぼくは、さいころのなぞを考えるのが、おもしろくておもしろくて、
こういうことを調べる学者さんになりたい、
と思ったくらいだった。
でも前からなりたかったゲームをつくる人になる夢も捨てがたい
ので、「将来はゲームをつくる人になって、
参考のために、そのなぞを調べたりする人になりたい。」と言った。



うちの息子は、何をするにも、たらたらぐずぐすする性格で、
宿題に取り掛かるのも、明日の準備をするのも、とにかく
あとまわし…。
ねころがってゲームの攻略本を何時間も眺めていたり、
休みになると食事に帰るのも忘れて遊びほうけていたりしました。
1つくらいは習い事をさせたいと思っていたのですが、小学校の6年間、
頑固に拒絶して、何もせず……。
それでも、こうした作業をいっしょにしてみると、
そうした子の中に広がるイマジネーション溢れる世界に触れたような
心地がしました。
それぞれの子に、それぞれの個性……わが子もその通りです。
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3 コメント

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お願い (まつ)
2010-06-02 21:09:00
実は上の子(小2)が、今の先生の考えで
ほぼ毎日、「調べ学習」の宿題が出ています。
幸か不幸か今は、インターネットという
便利なものがあるので、
図書館で調べて…とか、もっと深い部分での学習ができていません。

先生の記事を見ながら、親が出過ぎている部分を反省しつつ読ませて頂きました。
子供の疑問に対して、親が知識が少なすぎて
私自身の調べ学習になっています。

もし、もう少し掘り下げて教えて頂けたら
うれしいです。
返信する
ちょっとご相談です (ハム太郎)
2010-06-02 23:27:59
いつも楽しみにブログを読ませていただいています。育児をする上で、先生のまなざしが大好きで、参考にさせてもらっています。この記事とは直接関係がないのですが、一つすっきりしないことがありまして、先生に読んでもらいたいと思い、書くことにしました。実は娘は年長組なのですが、昨年の担任の先生より「サ行とタ行がわかりにくい」と言われ、「だから何?」と思ったものの、意固地になってもよくないか、と考え、勧められるままに「言葉の教室」に通うことになりました。一回目は発音のチェックなどをして、二回目の今日はトランポリンなどで遊びました。途中絵を描く時間があり、「頭から足までの人を描いて」と言われた娘は、何を思ったかハートやウサギを描き散らし、そのあともう一度言われて人を描きました。また、トランポリンでは夢中になって、先生が「止まるにはこうして」と言われても、ずっと飛び続け、最後はちゃんと言われた方法で止まりました。私は何も考えずに見ていましたが、終わってから「指示が入りにくい」という指摘を受けました。確かに娘はマイペースで、夢中で遊んでいる時は人の話を聞きません。また、何かを教えようとしてもあまり受けつけないタイプです。ただ、私もあまり教えたり指示したりすることなくここまで育ててきました。先生が言いたかったことは、今後発音を直す上で、指示が入ることは重要、ということだったようなのですが、それとは別に、自由に遊んでいる時に指示を入れ、それが飛ばされたからといって「指示が入りにくい」というのはどうなのだろうか、と疑問に思っています。私はむしろ指示通りにしか動けない方がイヤだと思って子育てしてきました。幼稚園で本を読んで、その内容にちなんだクイズをしたときなどはちゃんと答えていますので、話は聞いていると思います。発達障害を疑われているのか、単に今後の発音矯正の参考なのか、遊んでいる時に言われた通りにすることがそんなに重要なのか、先生のお考えはいかがでしょうか。お忙しいと思いますので、もしお時間があればお考えを聞かせていただけたら、と思います。長文になりましてどうも失礼いたしました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-06-03 01:42:11
他人からの疑問ではなく、自分の中から湧き出した疑問。だから、掘り下げて調べることが出来るんでしょうね。興味のないことなら、調べても楽しくないかもしれません。この疑問はどうやってわいてくるのでしょうか??

ところで、

最初に「表の枠」を作って、
あとから本を調べながら整理していきました。

と書いてありますが、よく理解できません。もう少し詳しく書いていただけるとありがたいです。
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