虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

4歳児さんたちのおしゃべり 5歳児さんたちの物語の算数

2014-10-22 15:25:34 | 初めてお越しの方
 
4歳児さんたちのおしゃべり。

★くんが、「ぼくが生まれる前にねぇ、お父さんとお母さんが結婚したん
 
だよ」と、すごいでしょっ と自慢するように言いました。
 
それを聞いた☆ちゃんが、ちょっとあやふやに、
 
「うちのお父さんとお母さんは私が赤ちゃんのときに結婚したよ
 
(たぶん……という様子)」と言いました。それを横で聞いていた●ちゃん。
 
「じゃあぁ、赤ちゃんだったけど、結婚式のときはお留守番してたの?」
 
と心配そうにたずねました。

考え込む☆ちゃん。
 
「だったらさぁ、いっしょに連れてってもらったらいいんだ。結婚式に」と
 
★くん。
 
一同、そうそうその手があった~!とほっとしてから、大笑い。
 
「ウェディングケーキを作ろうか?」とたずねると、

「ケーキを作りたいけど、ウェディングケーキはいや!」と☆ちゃん、
 
●ちゃん。

「なら、お誕生日ケーキ?」

「そんなのいやー!」

そう言いつつも黙々とケーキの飾りつけをする子どもたち。

「だったら、ぐりとぐらが森の中で焼いたケーキにする?」とたずねると、

「そうするー!!」「わたしもそうする!!」
 
「ぐりとぐらのケーキがいい!」

と元気いっぱいの返事が返ってきました。

 

想像力と創造力がとっても豊かな年中さんの★ちゃんと

年長さんの☆ちゃんレッスンです。

「お話を聞かせて!」と言うので、

算数に関わるお話を即席で作って、二人に質問を投げかけてみました。

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<ものがたりの算数>

ある日のこと。

クッキーがたくさん、たくさんあったのよ。

先生が1枚食べてみると、まだたくさんあったわ。

もう1枚食べると、まだたくさんあったの。

それでね、もう1枚、もう1枚、もう1枚、もう1枚って食べて、

しまいに9枚食べたらね、

びっくりすることが起こったの!

クッキーが少ししかなかったのよ!!!

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この話はふたりに大受けで、

ついでに「少しって何枚くらいだったと思う?」とたずねると、

なかなか抜け目のない答えが返ってきました。

「だって最初に何枚だかわかんないと、どれだけ残ったかなんてわかん

ないわよねー」と★ちゃん。

「ねー」と☆ちゃん。

「初めが100枚だったら?」とたずねてみました。

「ええーっ!!」と★ちゃんはびっくりした声をあげてから、

疑り深い口調になって、

「それね、1枚、1枚って食べても、少しになるの?」とたずねました。

「おっかしいよねー」と☆ちゃん。

正確に答えがわかるわけではないけれど、

100という数の食べ物の量と、それをある程度食べてもたいして減らな

いという経験があるようです。

「じゃ、最初が10枚だったら?」とたずねてから、10の指を見せて

1本、1本折り曲げて9枚分曲げると、

二人とも当たり前のことを聞く……とふんがいしたように、

「それは、す、こ、し、でしょー!」と言ってから、

ちょっと自信なさげになって、1が少しなのか、ただの1なのか

二人で相談していました。

 

そんな算数のお話をしたあとで、足し算、引き算の文章題をいくつか

出すと、二人ともとても喜んで解いていました。

 

最後にもうひとつ <ものがたりの算数>

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魔法使いがいてね。

1枚のクッキーに魔法をかけました。

ちちんぷいぷい~エイ!1枚のクッキーたくさんになあれ。

(エイのところで、クッキーをたたくまねをします)

ほらね。こまごましたかけらが、いっぱいいっぱい。

たくさんのクッキーになったわよ。

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この話にお腹がよじれるほど笑っていた★ちゃんに、

「本物の魔法使いじゃないから、しょうがないわ。こんな魔法でも。

だって、この魔法使いは魔法使いの格好をしていた☆ちゃんのお母さん

だったんだもの」というと、

今度は☆ちゃんも涙が出るほど笑っています。

 

そこで、「でもね、たくさんのかけらはあっという間になくなったの。

なぜだと思う?」とたずねました。

 

いつも奇想天外なストーリーを思いつく★ちゃんが、「そりゃあ、

どろうぼうが持ってったってことも考えられるけど、

あんまりそういうことはないわね。

どろぼうはあんまりこういうところにいないから。アリかもしれないわ。

アリはちいさいけど、みんなで力を

あわせてうんしょうんしょって運ぶこともあるんだから。

それと誰かがたべたのよ。子どもとか。

でも、先生。これはうその話?本当の話?」

「うその話」

二人は笑いながら、「うそなんかついたら、本当にあったことかって

信じちゃうじゃない」

「そうよ。わたしのお母さんが魔法使いの格好していたって、

本当かと思っちゃう」

「あら、でも、絵本のなかのものがたりはうその話もあるわよ。

先生のするお話は算数のものがたりだから、作ったお話なのよ。

ね、二人とも絵本にでてくるクマやうさぎがおしゃべりしていろんな

ことをする話は本当の話だと思う?」

「ちがうよ。それはうその話だよ」と★ちゃん。

「でも、クマやうさぎがおしゃべりする話は、どれもみんな

うその話なのかな?

 それとも、ほんのちょっぴりは本当に話もあるのかな?」と

聞きなおすと、真剣な表情で考えていて、

「やっぱりおかしいもん。きっと全部、うその話」「そうそう」という

返事が返ってきました。

 

わたしが、「うそのお話を考えるのもなかなか難しいよ」と言うと、

★ちゃんが、「そんなことないよ。うそなんか誰でもかんたんかんたんに

つけるんだから。

幼稚園の◎くんだって、いっつもうそつくんだから」と言いました。

「どんなうそ?」

「きのうきゅうしゅうに飛行機で行ったっていうんだよ」

「きゅうしゅうでは何を食べたの?」

「ラーメン!」

「それは、凝っているうそねぇ。でも、本当にうそをつくのって簡単

かな?」とたずねると、★ちゃんの次のような返事が返ってきました。

「うそなら★も簡単につけるよ。あのね、きのう、くつやさんに行ったら

おばけがいたの。そのおばけのなかには、☆ちゃんが入っていて、

☆ちゃんの中には奈緒美先生が入っていて、

奈緒美先生のなかには、★のお母さんが入っていて、

★のお母さんの中には☆ちゃんのお母さんが入っていたのよ。ほーらね、

うそついたわ」

「面白いうそね。なかにはいってるってどんな風に?」

「マトリョーシカちゃんみたいに。パカッと開けたら、

どんどん小さくなっている人が入ってるのよ」

 

それは、なかなか魅力的なうそですね……。

こんなふうに★ちゃんは、お話を考えるのが大好きで、

☆ちゃんは、一日がどうして24時間なのかとか、宇宙や星のこととか、

時間の流れや天体の動きや身の回りのありとあらゆることが不思議で

ならない子です。

☆ちゃんとそうした話をしていると話が尽きません。

いつも遊んでいる仲良しさんの二人ですが、

興味を持つことや、理解する内容がずいぶんちがっています。

子どもの個性って面白いなとしみじみ感じます。


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