虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

現在の子育て、幼児教育の盲点 (間違った幼児教育が意欲と考える力が弱い子を量産している)4

2015-09-21 23:51:02 | 幼児教育の基本

かばんを作り終えた後で、わたしは100円ショップで見つけためずらしい折り紙を

子どもたちに見せました。

木製の床の柄が印刷された折り紙です。

この珍しい折り紙を見たとたん、どの子も創作意欲が刺激されたようで、

「ドールハウス作り」に誘うと喜んで応じました。

 

物作りをする時、自分で自由に発展させやすい基本の部分や基本の技術だけ

手本を見せて、後はそれぞれがやりたいように任せて見守っています。

今回教えたドールハウスの基本は、「床の柄の折り紙2枚をテープでつなぐこと」と、

「それを画用紙貼って、画用紙部分を立てて壁にすること」です。

要望に合わせて、「窓を切る時は、紙を折って切り込みを入れるとよいこと」も

教えました。

 

すると、こちらが思いもしない場面で、子どもの側から、

社会参加のレパートリーを変容させる行動を起こすことがよくあります。

 

もうすぐ4歳になるBちゃんは、内向的で物静かな子です。

レッスンに参加し始めた当初は、黙って周囲を観察するだけで、

固まっている時間が長い子でした。

が、グループでの活動に慣れてくるにつれ、Bちゃん自ら、積極的に他の子へ

働きかけていく行動が増えてきました。

 

Bちゃんは「きれいなもの」「めずらしいもの」がとても好きなようで、

そうしたものが目につくと、手に取って、あれこれたずねてきます。

特に淡い上品な色合いの自然素材やさまざまな色がたくさん混在しているものに

目がないようです。

木目柄の折り紙を見た時も、最初は他の子らと同じ濃い茶色のものを

2枚選んで手本通りに作っていたのですが、

途中で他の柄を確かめに折り紙置き場に行っていました。

 

と、突然、何やら閃いた様子。淡いベージュの木の柄の折り紙を手にすると、

自分の1枚を取ってから、1枚ずつ他の子らに配りだしました。

わたしは材料を購入する時、子どもが自分の思いつきを実現したり

気に入った作業を思う存分繰り返せるように

魅力的で安価で応用のきく素材を「たっぷり」用意するよう気をつけています。

人数分、同じ量の材料をそろえるだけでは、さまざまなバリエーションの意欲に

つながらないからです。

Bちゃんにとって、「自分が見つけた魅力的な材料を、その場にいるひとりひとりが

手にできるようにする」という行動の発見はあとても大きなことだったようです。

その直後から、ストローの先に銀色の紙を貼ってスタンド式の鏡を作ったり、

自分が気づいたことや思っていることを一生懸命言葉にしようとする姿がありました。

 

 

 

 


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