自閉っ子がわかっているようでわかっていない問題というのがあります。
「答え自体はあっているんだけど、どこを見て判断しているのかどうも怪しい……。」
そんな問題があるのです。
「かさ」を扱う問題もそのひとつです。
↑のイラストのように、
花瓶の中に入る水の量が11ぱいとある場合。
もし他の容器はコップ12はいとあって、「どちらがおおいですか?」と問われたら、
多い方に丸をつけることができても、11と12という数の部分だけ目で見て、
機械的に大きな数字に丸をつけていることがよくあります。
「この花瓶の中に水をそそぐと、コップで11ぱい分である」という意味を
説明しても、何の話かピンときていないようなのです。
プリントの答えがあっているから……と、こうした「わかっているようで
実はわかっていない」を放置したまま学習を続けていると、
ある日それまで学んだことが総崩れを起こすのは時間の問題です、
アスペルガー症候群や高機能自閉症の子たちで、
こちらの説明することを理解しようという気持ちが少しでも育っている子なら、
プリントで学習する際に、小さいサイズのコップと容器などを用意して、
水を注いでみて、手で操作しながら教えることも可能です。
(イラストを見て、動きをイメージするのは難しいと思います。
動画なら大丈夫ですが……)
でも、実際には、教具を用意して教えようと思っても、
それに注目しようとしなかったり、
見て触れるもので理解を促そうにも、それとプリントで習っていることの
つながりに気づけない場合の方が多いかもしれません。
自閉っ子に「かさ」の問題を教えるなら、
数ヶ月かけて、ゆっくりとわかっていくことを目指すつもりで、
お風呂に○杯かはかるためのプラスチックのコップと
何杯なのか調べるための小ぶりなバケツや容器などを置いて、
「何杯かな?」と言いながら、何度も遊ばせてあげるといいのかもしれません。
でも、やる気もないのに、湯をコップに入れて注ぐように言っても
やらないか学ばないので、
いらなくなったシャンプー類のポンプなどを用意して、
「ポンプを押して湯を注ぎたい」という本人のやる気に引っ張らせながら、
「かさ」への理解を進めるのがいいと思います。
ついでに、空いた1000ミリリットルの牛乳パックも
そうしたおもちゃのひとつ加えて、
「1リットル」や「1000ミリリットル」という言葉に慣れておくのもオススメです。
一年生の息子に算数を教えるのに、この様な方法で学ばせるのが大事だと思い、思考錯誤しながらやっています。出来ないと癇癪を起こしながらですが、私の話をだいぶ聞いてくれるようになりました。
今学校で、点と点を繋いで図形を書くのを習っていますが、視覚的な問題を抱えている事もあり、非常に苦労しています。三角や丸のマグネットで、様々な形を作るのも難しいようです。私も教え方が思い浮かばなくて困っている状態です。奈緒美先生のお知恵を拝借できたら幸いです。過去記事にあるようでしたら申し訳ありません。