虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもは科学者と同じやり方で学習する 1

2011-06-08 19:20:05 | 本の紹介

「心の理論」研究の創始者一人であり、

「理論理論」、つまり、

子どもは科学者と同じやり方で学習するという説を提唱した

アリソン・コプニック教授の『哲学する赤ちゃん』という著書を読みました。

「はじめに」に次のようなこの本の内容についての説明があります。(短く要約して紹介します。

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心理学者や神経科学者は最近になって、赤ちゃんには

めざましい学習能力だけでなく、私たちの予想していた以上の

想像力があって、人を愛することも知っているし、豊かな世界を体験していることを発見しました。

幼児はある意味、大人以上に賢く、想像力に富んでいて、思いやりがあって、

意識も鮮明だったのです。

 

本書には、さまざまな実験や見解が登場します。その前提となる考えは

共通で、それは、人間は他のどんな生物よりもすぐれた変革能力をもっている、ということです。

子どもと大人は、同じホモ・サピエンスでありながら、形態のまるで違う生物だと

考えるほうが適切です。

子どもも大人も、複雑ですぐれた心と脳の意識形態をもっています。

人間の発達は、いも虫が蝶に変態するのに近いといえます。ただし、人間の場合、空をヒラヒラ舞うのは

幼いときで、大人はノロノロと這い続けるといえます。

幼児期は、人間の子どもが大人に独特の依存の仕方をして過ごす、他の時期からはっきりと区別される時期です。

この守られた未熟期間が、人間の変革能力と分かちがたい関係をもっています。

前頭前野が未熟な子どもは、大人に勝る想像力と学習能力を発揮できます。

 

前頭前野には「抑制」の機能があって、脳が他の部分の情報を遮断し、体験、行動、思考を絞り込みます。

複雑な計画を実行したり、大人がするような思考や行動をするには、この「抑制」が必要なのです。

けれども、想像力が学習能力を自由に働かせるには、抑制は逆効果なのです。

知能指数は、前頭葉の成熟の遅さや可逆性と相関があるという証拠もあります。

抑制のない開かれた心を長く保つことが、賢くなる条件の一つなのでしょう。

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『哲学する赤ちゃん』は、赤ちゃんは、第一線の認知科学者であるアリソン・ゴプニック博士が、

幼児がどのように発達し、どのようにして学ぶのか、

最新の研究の成果をわかりやすい言葉で解説してくださっている

すばらしい本です。

とても読みやすい本なので、幼児を育てている全ての親御さんに

ぜひ読んでいただきたい本です。

私は、日ごろ、幼い子たちと接する機会が多いので、

1歳児がどれほど洞察力に富んでいるのか、2歳児がどれほど想像力や共感力を持っているのか、

を実感しています。

そうした幼い子たちの能力を引き出し、伸ばすには、

日常のごちゃごちゃした出来事……年上の子に遊びを邪魔されたり、大人たちにあやされたり、

自由にいたずらしたり、お散歩先で犬や猫を見かけたり……が、最適だと感じていました。

この著書を読んで、

乳幼児のうちは、作られた早期教育プログラムなどより、

雑多な環境で自由に遊ぶほうが能力が育ちやすいことや、

一見無駄に見える行為が、子どもの成長に欠かせない役立つものであることを

再確認して、

うれしく感じました。

この記事の続きは、近いうちに書きますね。

 

 


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-06-09 09:02:47
「子供は普通に天才なんです。」って言葉を
思い出しました。
最近、ほんまにそうやと思います。

大人が子供の才能を潰さないようにしなきゃ。
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