の続きです。
自閉症の子が、火曜日から土曜日までは
問題なく学校に通っているのに、休み明けの月曜日になると
学校に行くのを嫌がるという話を耳にしたことが何度かあります。
変化が苦手な子や前日と同じ行動を繰り返したがる子が多いからのようです。
★くんも、ゆったりと土日を過ごした後の月曜日は、
どうしても学校に向かう気が起こらなくなるようです。
もし月曜日に休ませてしまったら、次には火曜日にもっと
学校に行きづらくなるかもしれませんから、★くんのお母さんは
対応にとても困っておられるようでした。
クマのぬいぐるみを手にして、月曜日の朝のクマくん
のストーリーを演じてみせました。
すると、★くんはたちまち
この人形劇に夢中になっていました。
「さぁ、今日は月曜日よ。朝ごはんを食べて、ランドセルをしょって
学校に行くよ」と布団をかけて寝ているクマくんを起こして、
学校に向けて出発させると、
★くんは、お母さんといっしょに、「ランドセル」と言って、手に持っていたトースターのおもちゃを
クマの背中につけました。トースターに入っているパンは
国語の教科書なのだそうです。
いっしょにレッスンを受けていた●くんが、「宿題を忘れているよ」と言って
トースターに紙も入れました。
クマに「今日は、月曜日だ。学校に行きたくないなぁ」と言わせて、コテンと転がすと、
★くんはゲラゲラと笑い出しました。
「学校に行ったら、月曜日だから全校集会があるのかな?嫌だなぁ。
みんながいっぱいいるのかな?
全校集会があるから学校に行きたくないなぁ」と言わせてから、
(★くんの学校ではいつも月曜日に全校集会があるそうです。)
「どうしよう?★くん。クマくんが、月曜日は全校集会があるから
学校に行きたくないないんだって。どうしたらいい?」とたずねると、
★くんが、「お母さんといっしょに行けばいい」と答えました。
これには、とても驚きました。
★くんが自分のファンタジーの世界にひたっていることはよくあるけれど、
他の人の話にこれほど熱心に耳を傾ける姿も、
問題をどうやって解決すればいいのか、自分から意見を言う姿も
初めて目にしたからです。
★くんは真剣に一生懸命、月曜日に学校に向かうクマくんを
応援しているようでした。
クマくんの手をお母さんとつながせて、学校に送り届けるシーンを演じると、
★くんはピョンピョン跳びはねながら、真剣にその様子を見ていました。
★くんのブロックで物を作る能力はとてもすばらしいです。
わたしが作っていた算数の立体パズルの模型に手を加えて、
ミルクティーが出てくる機械を作ってくれました。
昨日の月曜日は、びっくりするくらいスムーズに学校に行けました!前日就寝前に「ママ、心配しないでね、明日はちゃんと学校行くからね」と言いながら寝ました。教室での先生とのやりとりを聞いていたからでしょうか。もしそうならば想像以上に内面が成長しているなと感じました。
人形劇は以前のレッスンでも何度かしていただきましたが、今回ほど反応がよかったのは初めてでした。これからも自分の事として受け止めるのがキツイと感じるであろうものは人形劇で再現してみたいと思います。