虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

天才児の通う幼稚園と ギフティッドチャイルドの話

2007-12-11 09:04:10 | 通常レッスン
アメリカには「ギフティド・チャイルド」と呼ばれるIQ160以上の
子どもたちが子どもたちが通う
幼稚園があるのだそうです。
ちょっと驚きなのは そこが公立校なことですが‥
その子たちには 小学校、中学校高校と一貫した天才教育が続くのだとか‥。

そうした幼稚園のクラスは十五人と少数精鋭で
各教室には担任に加え、二人のアシスタント・ティーチャーがつくため、子供
に対して十分な注意が行き渡ります。クラスは必ずしも年齢だけで編成をせず、理
解度によって上の学年の子供と混成することもある。5歳児のカリキュラムはコンピューター、算数、チェス、アート、第二外国語のスペイン語、など。
グループ単位で プロジェクトに取り組む子供もいれば、個人の作業に熱中する子供もいるらしく
見たところ てんでんバラバラに子供たちが動き回っているそうです。

とても面白いなぁ‥と思ったのは チェスの 授業の目的が
なんと”敗れ方”を学ぶことだということ!!

 担当責任者のポリー・ブレーランドさんいわく、
「ギフティド・チャイルドは多くの面で秀でている分、
敗れを体験しにくいの
です。繊細なうえに完璧主義者の彼らが、
いったん敗北を味わうと、ダメージ
はとても大きい。でも人生は勝ち続けるなんて不可能でしょ。早いうちに”敗
れ方”を学ぶ必要もあるのです。」

‥!!確かに
私もその問題は深刻だ!と考えています。
以前 幼児教育の結果 不良になってしまう子!?という記事でも書いたのですが
周囲から賢い子というイメージのみで
褒められ続けて育った子は
ほんの些細な挫折でも
深く傷つき 前に進めなくなる子がいます。

天才教育に対しては、エリート至上主義としての批判もありますが
天才児の学校の校長は
「子供の世界では[ギフティド]であることもひとつの異端です。異端視からの
がれるために、自分の天賦(てんぷ)の才を隠し続け、せっかくの才能をダメ
にしてしまう子供が多いのです。
と話しています。

別の天才児の通う学校の教師は
 
 「ギフティド・チャイルドは一種のハンディーキャップの子供と同じ。特別
のケアと特別のプログラムが必要です。
 とにかく、次々と課題を与え、モーチべーションを高め続けなければなりま
せん。さもなければ、すぐに退屈してしまいます。」
と話しています。

 しかし、周りから優秀と言われ続け、次第に自分のなかにエリート意識が生
まれていったことも否めないそうだ。現在、教師になって、
「ギフティド・チャイルドの問題はとても複雑です。教える側には慎重な態度
が必要です。」
 と自覚できるようになった。教え子たちにも、
「頭がよいということは、必ずしも他人より人間的に優れているということで
はない」
 とあえて説いているのだそう。

虹色教室にも とても才能のある小学4年生が2名通ってきています。
どちらも2~3学年上の学習内容を
短時間に理解してマスターしてしまいますが
才能の質は正反対です。

一人の子は
幼い頃から優等生タイプの子で
記憶力がよく まじめで
忍耐強い性質です。
しかしいたずらが少なかったのか
空間認知やひらめきの面で少し弱い部分もあります。

もう一人の子は
集中力にムラがある困ったくんですが
頭の回転が速く
直感力や空間認知力 創造性は抜群です。
ただ落ち着きが無いこと 自分をコントロールすることが苦手なこと
‥これから克服する課題は多いです。

こうした子たちに接していると
この子たちが公教育で
人間関係以外の面‥つまり知的な刺激を受けるという面で
学べることがあるのか疑問です。
日本の教育は 平均的な能力を持った子を優先しすぎていて
能力のある子
学習に困難のある子のどちらにも
心地いい教育環境を与えていない気がします。
 
しかたがないので親が教育するとなると
日本のギフティッドチャイルドは偏ったプリント学習ばかり
を受けてしまうようです。

「能力別教育こそ平等教育だ」とするアメリカ式の平等教育 ‥
日本では受け入れにくいのでしょうか‥ね?

にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ 


 
    

最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
興味深いテーマです。 (ぷじみ~)
2007-12-11 12:18:59
来春から小学校に入学する娘がいますが、彼女は「どの課題にも平均的」であるかどうか…と言われたら違うと思います。
偏りがあるのを感じているので、小学校で困らないように「平均的になるように」と教育している自分がいました。
でも、なおみ先生の記事を拝見しているとそれは「伸ばさないこと」にもつながるのだと感じました。
これからも、なおみ先生の記事からたくさんの気付きをいただきたいと思います。
いつも、本当にありがとうございます。
返信する
敗れ方を学ぶ (いけいけ)
2007-12-11 22:05:23
これってどうやって学ばせるのか大変興味がありますね~。
自分の子はどうなのか今はさっぱり分からない状態ですが、私自身がダメージに弱い性格(笑)なので、子供は強くあって欲しいと思っちゃてます。
返信する
Unknown (ハーフ君のママ)
2007-12-11 23:26:10
先日は2歳の天才児(メンサと呼ばれるみたいです)
が見つかったそうで その幼稚園のために引っ越さなければならないとニュースでやっていました。
両親も大変ですね。



返信する
本当に (がっちゃん)
2007-12-11 23:43:36
 一人ひとりに特別な配慮を必要とする児童が年々増え続けている気がします。親自身のケアも大切ですがなかなか現場は忙しくてそこまで手がなかなか回りません。学級通信等で呼びかけるのが精一杯といったところです。「負けから学ぶ」今日のテレビ「暴れん坊ママ」でも話題になってましたね。
 一人ひとり十分力が出せる,満足で
「明日も学校楽しみだ。」
と重いランドセルしょってくる子らに応えていきたいです。
返信する
ふむ♪ (金太郎GDX)
2007-12-12 01:40:09
僕は能力的に並以下ですが、
それでも「目立つと損だ」という意識が強いですね^^;
昔は、天才にあこがれたものですが・・・
頭の良い人は、それを生かして、
賢い立ち回り方を身につけるのが大事でしょうね~☆
返信する
ぷじみ~さんへ (なおみ)
2007-12-12 21:17:55
コメントありがとうございます。
幼児の時はすばらしい才能を見せていた子が 学校に入って日を追うごとに「普通」の子になっていくのを
よく見かけます。
たくさんの子を見ている学校には 限界があるでしょうが 
親だけは子どもの潜在能力を十分開花させるために 子どもの能力に栄養を与え続けた方がいいですよね。
私もそうした親御さんたちの ちょっとしたお手伝いがしたいなぁと思っています。
返信する
がっちゃんさんへ (なおみ)
2007-12-12 21:19:19
コメントありがとうございます。
がっちゃんのクラス 楽しそうですね。学校好きの子が増えるといいですね。
返信する
ハーフくんのママさんへ (なおみ)
2007-12-12 21:28:51
2歳のメンサですか?
周囲が特別扱いしすぎると 子どもの願望と周囲の期待があいまいになりそうで 何だか子どもがかわいそうな気がします。
自分の願望だと 意識できる経験がもてるかも怪しいような‥。
その子の能力を十分わかっていて 常に最善のものを与えながら ごく自然に接する‥って難しいですね。
ヨーロッパには昔からそうした知恵もあったようですが。
返信する
金太郎GDXさんへ (なおみ)
2007-12-12 21:34:03
コメントありがとうございます。私も 昔 パートで目立つと損!!を実感しました。うっかり入ったばっかりで上司に褒められたりしたら大変です。
あんまりがんばってもダメ!仕事が遅くてもダメ!
日本は大人の社会も
教育の世界もちょっと似てますね~。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。