年長のAくんは新幹線が大好きです。教室に着くなり、
「今日は500系の運転席が作りたい。自分で運転できるようになっていて、
丸いとことかボタンとかハンドルとかあるやつ」と言いました。
いくつか材料を出してくると、「それじゃぁダメ、もっと大きいのじゃなくちゃ」
とのこと。
ようやく納得した箱に青いガムテープや色画用紙を貼ると、
それらしい形になりました。
Aくんははりきってモニターの画面やボタンの部分などを作っていました。
ちゃんと折りたためるようになっています。
発達に凹凸があるAくんは、数の把握に困難を持っています。
物をひとつひとつ数えられるようになるのにもずいぶん時間がかかりました。
小学校にあがってから算数につまずきがでないように
簡単な計算や文章題に親しむようにしていますが、
「6+3」や「8+4」など、ちょっと難しそうな計算にぶつかると、
数えるための小道具を用意していてもパニックを起こして大騒ぎしていました。
そこで、問題を見るだけでかんしゃくにつながっていた計算問題をピックアップして
ICカード風にし、お気に入りの500系の運転席に透明ファイルの一部で
タッチパネルを数字カードを出し入れできるようにしてみました。
すると、大嫌いだったはずの計算問題を手にしても、
「いくぞー、こんなの簡単だぁ!エィッ!」とポーズをつけながら、
答えの部分にカードをタッチさせて喜んでいました。
ブロックで作った電話を設置。
Aくんは、もともとこの運転席に
8両までの車両をチェックするモニター画面を作っていたので、
答えが8になるまでの計算問題を口頭ですると、
正しい数字に指をタッチさせて得意そうにしていました。
そこで、Aくんが「不審者を確認するモニター」と言っていた画面に
10より大きな数をいくつか書いて
(↓の写真を、この記事の最初の写真と見比べてください)
Aくんにとってまだ難しいくりあがりのある計算のカードを作ったところ、
ご機嫌で問題にチャレンジしていました。
大きな作品なので教室に置いて帰る予定だったのですが、
本人の強い希望でお家に持って帰ることになりました。