「ふくすけ」

2012-09-14 23:48:49 | 舞台
大竹しのぶにやられた~!!!←また呼び捨てかいっ!?Part2(笑)

ってくらい、しのぶさんに限らず、大人計画が面白かった!

いや~、マジやられた。こんなに面白い劇団だとは思わなかった。もっと早くに出会いたかった。と、もっと小さいな小屋で観たかった。

しのぶさん×阿部ちゃん(阿部サダヲ)×古田さんの共演なら観ないわけには行かないと思って、運よく取れた大千秋楽のチケットだったのですが、想像を上回る作品の面白さと役者さんの個性と演技力に完全ノックアウトでした。

も~、めちゃくちゃ笑いまくってもうたわ(笑)一人ばかウケしてもうて、両隣のお客さんにご迷惑をおかけしてしまいました。ごめんなさいm(__)m

実は、下ネタ系弱いんですよ(笑)「宝塚BOYS」のような真面目なストーリーで下ネタは引いてしまうけど、「ふくすけ」のようなアングラテイスト満載の作品の下ネタは大好き(笑)小劇場独特の雰囲気があって堪らなく面白かった!

本当は面白いという表現は使ってはいけない内容ではあるんですが、最後まで楽しませてもらいました。

しのぶさんのラジオで、いつもしのぶさんは、「ふくすけ」は暗い作品で、生きる希望や勇気がもてない作品だと言ってましたが、私は逆にたくさん元気をもらいました。こんな面白い作品に出会ったら、たった1日のしかもたった3時間の出会いでも、仕事に張りがでる。幸せな気分を味ってますよ。

確かに脚本自体は暗い。どうしようもない展開に救いようのないラストではありますが、松尾スズキさんの脚本演出力と出演者の個性と手を抜かない演技に感動しまくりました。

この脚本を普通のストレートプレイとして演出してたら、きっとブルーな気持ちになったと思いますが、しのぶさん、古田さん、多部ちゃんをゲストに迎えたこの大人計画の役者さん皆さんが本当に素晴らしかったので、本当に最高に良かった!

ま、ま、確かに、ふくすけのあの客席に向かって喧嘩を売ったあの独白は、ぶっちゃけ、個人的にムカッときましたよ(笑)でも全然許せる。確かにその通りだからね。生まれてこなければ良かった人生も確かにある。でも生まれてきてしまったんだから仕方ない人生もある。一つ歯車がズレただけで、人生が悪変したり好転することもある。この「ふくすけ」はひたすら悪くなる一方で皆が皆悲惨な最期を迎えることになる。どうしようもない結末。だからこそ、ユーモアが大事になってくると思うんですよ。

このお芝居のように、くだらないギャグや物まねが一種の清涼剤になると思うんですよ。

どうしようもない人生だからこそ、ちょっとでも元気になれるユーモアや前向きになれる第三者のパワーが必要になってくると思うんですよね。

ラジオのしのぶさんに一言言わせてもらうならば、被災地の方に本当に必要なのは第三者のエネルギーやパワーだと思うんですよ。もちろんお金も大事だけど、もっと大事なのは、皆一人じゃないんだよと思わせてくれるようなエネルギーだと思うんですよ。どんなに苦しい生活でも生きていて良かったと思える希望を持てることが、一番大事だと思うんですよね。私なんてミーハーだから、憧れの役者さんや大好きな女優さんに出会えたら、もうそれだけでもうハッピーですよ(笑)

本来、人生は苦しいものなんだよ!苦しいからこそ、小さな喜びが大きな幸せに変わるんですよ。だからこの大人計画の「ふくすけ」はたくさんのエネルギーを頂きました。実際今日の仕事、しんどかったけど楽しかった。

話がかなり逸れましたが、もうしのぶさん最高っ!めちゃくちゃ良かった!ライトのカットインからもうしのぶさんに釘付け。めちゃ面白い!やっぱ、しのぶさんは狂女が似合う!しのぶさんの表情の七変化に完全やられました。鬱、躁、十五年前の奥さん、選挙立候補者、一人の女…。同じ人物なのに色んな顔を持つエスダマス。最高に良かったです!まさかの桃井かおりさんと、プチドラえもんにはかなり笑わせてもらいました(笑)ラジオでは毎回笑わせてもらってますが、生で聞けるなんてめちゃハッピー(笑)あ、一瞬だったけど、ニコールに見えた時があったな…。完全に目の錯覚ですけどね(笑)

男・北島マヤの阿部ちゃんのふくすけも良かった。でも…、私はパルコ劇場で観た「人間風車」の阿部ちゃんの狂気とギャップを見て惚れてしまったので、それと比較しても仕方ないけど、ぶっちゃけなんか物足りなかったな…。阿部ちゃんでなくても…と思ったm(__)mでも、あの独白は腹が立つくらい良かった(笑)

古田さんのエスダヒデイチも良かった。めちゃ真面目な役なのにどこか破綻してるんだよね。最後は大破綻してしまってるけど。お尻を犬に噛まれるシーンはもう大爆笑。超くだらん演出にめちゃ笑わせてもらいました。

意外に良かったのが多部ちゃん。ドラマの多部ちゃんしか知らないから、ぶっちゃけ舞台はどうなのか不安ではあったのですが、心配無用でした。なんだ、普通にこういう役も出来るんだと安心した。あまりにもドラマのイメージとギャップがある役だったからね。全然文句なし。

松尾スズキさんは…ドラマや映画で見る松尾さんのイメージとそのまんまでしたね(笑)結構、ナマ松尾さんも面白かった。

後は知らない役者さんばかりだったのですが、どの役者さんも個性が強くて本当演技だけでも十分楽しめた。中でも一番良かったのが平岩紙さんでした。弱視のサカエ役、凄くリアルに演じてた。新興宗教の教祖になってしまう役でもあるですが、見事なギャップでしたね。

松尾さん脚本「ふくすけ」は本当面白い。野田さん並みの面白さがあって展開が読めなかった。松尾さんもかなり複雑な思考能力を持った方ですね。裏社会の裏事情を見事に表沙汰にしてくれたと思います(笑)まさにかつてのアングラ演劇を思い出させてくれる脚本演出にマジ感動!ホンマもう少し小さな小屋で観たかったな。ま、有名になった証拠だから仕方ないけど
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