いやー、表現のレベルがめちゃくちゃ上がってるやん!?
一歩間違えれば学芸会なんてそんなギリギリのレベルじゃなく、
50年の歴史を背負った(なぞった)ベルばらでもなく、
決して植田歌舞伎とは言わせない、
一つ一つの台詞が、説明台詞に聞こえず、生きた言葉になっていて、
これぞ芝居の雪組!を体現した、
蒼穹の昴並、いや蒼穹の昴超えの完成度の高いベルばらに進化してました!
今日は、2階席だったから、1階席よりも俯瞰して冷静に観るだろうな〜と思っていたのに!
フェルゼンとアンドレのシーンからウルウルが始まり、
ニワニワ組長のルイ16世にもウルウルし、
今宵一夜でもウルウル、
バスティーユの、アーサオスカルとマリンさんブイエ将軍のやり取りでウルウル、
縣アンドレが撃たれるシーンでウルウル、
牢獄のあやカペー未亡人とゆうちゃんさんメルシー伯爵のやり取りから、最後の断頭台に上がるシーンまでずっとウルウル、プラス鼻をすすりまくってた。
いやいやいやいや、
今まで、映像も含め全ベルばらを観てきたが、
こんなにウルウルさせられたベルばらは初めてだった!
確かに、前回は、隣席のおばあちゃんのバイブ音で名場面が台無しになったとはいえ、たとえバイブ音が鳴らなかったとしても、周りは泣いても私はウルウルすることはないだろう…と思っていたのに!
しかも2階B席だから余計にないと思っていたのに!
演劇レベル、いや、表現レベルが高すぎて、マジ、ウルウルさせられまくりだった!
マジ、アッパレじゃ!!
過去の作品の誰かを真似した再現度ではなく、
今の雪組だからこその、今の雪組でしか表現出来ない、オリジナル性が高いベルばらになっていたことが本当に素晴らしかった!
縣君のアンドレが更に磨きがかかって熱いアンドレ像になっていたから、咲ちゃんフェルゼンがアンドレに諭す台詞がめちゃくちゃ活きていた!
フェルゼンとマリー、オスカルとアンドレ、フェルゼンとアンドレ、オスカルとフェルゼン、フェルゼンとメルシー伯爵、マリーとメルシー伯爵、マリーとロザリー、ロザリーとベルナール、ジャンヌと貴婦人…、
上級生と下級生の学年差や関係性を越えた、各々が役として生きた言葉を発していたので、完全にベルばらワールドに引きずり込まれてしまった。
もちろん、初めて観た、カリンチョさんといっちゃんと鮎ちゃんのベルばらを越える感動はないけども、咲ちゃん率いる今の雪組の表現力の高さは別格!
実は、前回もその存在感に注目していたんですが、いかんせんまだ若いから役になりきれていなかったので、あえて取り上げはしなかったのですが、
ベルナール役の華世京君がめちゃくちゃ良くなってた!!
前回は、華世京君の、マリコさんに似た顔立ちと雰囲気に心を鷲掴みにされましたが、ベルナールの抜擢はまだ早くないか?と思っていたのに、
今日の華世京君のベルナールは、下級生が演じるベルナールではなく、ちゃんとベルばらのベルナールとして存在していたのでめちゃくちゃ驚いた!&感動した!
これは、もちろん、ひまりちゃん演じるロザリーのお膳立て(引き立て)あってこそのベルナール像ではあったのは言うまでもないが、華世京君の男っぷりがめちゃくちゃ上がっていて超カッコ良かった!
前回は、ヴィジュアルは完璧だけど、牢獄シーンでベルナールが発する、 “カペー未亡人!” と叫ぶ台詞がイマイチだったんよね。
この“カペー未亡人!” と叫ぶ台詞は、ただ名前を呼ぶだけの台詞ではあるけども、単純にカペー未亡人を呼びに来た台詞ではないやん。
ベルナールは、フランス革命は失敗であること、王政を廃止しても市民の生活は良くはならない、革命派が市民を利用しただけだと悟るわけよね。だったらもう一度王政を復活させたいと思って、王妃様を救出しようと計画しようとしたわけやん。
その計画を知ったロザリーがベルナールを止めにかかる。王妃様にこれ以上の汚名を着させないために。
今はカペー未亡人である王妃自身もフランスの女王として最期の務めを果たそうと決意しているわけやん?
ベルナールとしては、王妃様を救いたい気持ちとロザリーの言う通り最期を全うしてもらいたいという相反する気持ちで心が揺れているはずやん?
“カペー未亡人!”という、たった一言の台詞の中に、揺らぎを感じさせないといけないと思うんよね。
前回は揺らぎがなかったが、今日はちゃんと揺らぎがあった!心がせめぎ合っているのが伝わった。
個人的には、カペー未亡人が “ベルナール!”と呼び止める台詞で、完全に振り向いてはいけないが、振り向こうとする一瞬の仕草が欲しいんよね。更に揺らぎが表れるからね。
ベルナールは、その場にもう一人、王妃様を救出を願う(試みる)人物、フェルゼンがいることを知ってるはずだからね。
それを除いても、今日の華世京君のベルナールは完璧だったよ!
もうさ、今日の牢獄シーンはどれも完璧!絶品だった!
牢獄シーンと言えば、マリーとメルシー伯爵、マリーとフェルゼンが名シーンだと誰もが思うが、私は、ベルナールとロザリーの存在あってこその牢獄シーンだと思ってる。この2人が影の功労者だと思ってる。
マリーにスープを勧めるロザリー。マリーを呼びに来るベルナール。フェルゼンを引き止めるロザリー。
ベルナールもロザリーもそれぞれ想いを抱えてるんよ。ただ出番を増やしているんじゃないんだよ。各々が王妃様を、フランスの未来を想ってるんだよ。
ひまりちゃんのロザリーはマジ完璧!
下級生のあやちゃんに対しても、ちゃんとロザリーとして舞台に立っている。この2人のスープのシーンはマジ素晴らしい!
あやちゃんのマリーは、本当に素晴らし過ぎて、まさか断頭台に上がるシーンまでウルウルさせられるとは思ってもみなかった。1階席じゃなくて2階席やのに!
少ない登場シーンで、あやちゃんは完全にマリー・アントワネットの一生を演じきっていた。マリーの成長と覚悟にマジ泣かされた。マジ凄いわ、アンタ!
前回はゆうちゃんさんは休演されてましたが、今日は本役として登場され、
噂通り完璧なメルシー伯爵でした。
それこそ登場シーンはわずかなのに、メルシー伯爵の背中にオーストリアハプスブルク帝国を背負っているのが視えた。
メルシー伯爵もフェルゼンもマリーの内面を理解しているが、方向性か違うだけ。精神面か体面か。現代だと圧倒的に精神面が優先されるが、実はどちらも大事。精神面だけでは生活できない。パトロンあってこその精神面サポート。
私みたいな貧乏の独りものは、仕事も大事。お金を稼ぐためにはある程度の精神面の犠牲も不可欠。
そういう意味でも、フェルゼンとメルシー伯爵は対照的な存在だがどちらもマリーには必要不可欠な存在。
上手く描かれている!
ハバマイちゃんのジャンヌもさらにヒール度が上がってビックリ!貴婦人を押し倒すシーンが迫力あった。ますます目が離せない存在。
そうそう、咲ちゃんのフェルゼンとアーサのオスカルはもう完成されているので追記なし。
ただ、今宵一夜でオスカルが途中で跪くのは…。早くないか?(笑)
いずれにせよ、本当にすごい作品を観させられた感覚!
これからご覧になられる方は超お楽しみに!
そうそう、2階席だと1階席のどよめきは全く分からなかった。悲鳴があったのか?なかったのか?さっぱり分からん!
1幕ラスト、咲ちゃんかはけるシーンは、しらけるどころか拍手が沸いたので、羨ましさは皆無だった。
パレード前の客席からの登場は、皆前のめり(笑)