「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」

2018-03-01 20:08:13 | ニコール・キッドマン
いや〜、プロット的には舞台化も出来るくらい面白い脚本だった!

久々に、邦題のつけ方が上手い!と思った。

南北戦争下の物語なのに、オリジナル作品もはるか昔なのに全く古臭さを感じなかった。

コレ、ラースが監督したらめちゃエログロになりそうな題材でしたね。

ということで、今年初ニコール作品、去年のカンヌでも話題だった、私にとっては実は初ソフィア・コッポラ作品を観てきました。

よく出来た脚本というよりかは、単純に面白い脚本でした。私にはね。

女性しかいない女学校に、彼女らにとっては敵の、北軍(ヤンキー)の負傷兵がやってくる。
ヤンキーは、南部の女性をレイプすると恐れられている輩ども。

彼女らは、その負傷兵の足の傷を治し、匿うようになる。やがてその負傷兵に女性としての欲望が目覚め…。

いや〜、レイプすると恐れられている北軍の負傷兵に恋心を抱く…。負傷兵にとっては逆ハーレム状態なわけだよ。そこに女性同士の確執が…。

こう書いたらやらしいけど、ラースが監督したらもっとリアルにエロい作品になってたと思うよ(笑)

ソフィアは女性の監督だから決してリアルなエロさは…、そんなにない。だから、エロを期待するとガッカリするとは思うけど、女性目線で描いているから女性受けはイイと思う。

ソフィアが描いた欲望の目覚めは、もっと純粋なもの。

性の解放だけでなく、南北戦争下の閉塞感からの脱出。自分の身を守るためには、男より長年築き上げた絆を大切にする女性ならではの関係性。枠の外に飛び出したいが、枠の中に収まってしまう深層心理。理不尽で不条理な世界観?の中にある道理を描いていて、ホント面白い脚本だと思った。

レイプすると恐れられている敵軍の…、というのがこの作品のミソで、きのこがキーアイテム。

で、ニコールの役処は、女学校の園長。だからそれなりに…負傷兵に刺激を受ける。決して言葉では説明しない、心の奥に潜む欲望を見事に表現してました。

負傷兵を助けたい想い。コリン・ファレル演じる負傷兵目線だと、その想いは復讐とも取れる園長の決断。

女は怖い!と思うか、負傷兵はアホやな!と思うかは観客次第な見せ方なので、ホント上手いと思った。説明セリフがないだけに、登場人物の心理を読み取る作業こそがこの作品の面白味かな?と思った。

「パーティで〜」ではキュートな宇宙人役だったエルの今回の役は、それはそれは見事な小悪魔的役柄。見事な化けっぷりでした!将来が本当楽しみな女優さんです。

ソフィアの作品には欠かせないキルスティン。この人もなかなかの天才的女優さんやね。こんなこと書いたら失礼だけど、人相ってめちゃ役柄に影響を与えるのに、キルスティンは見事にマイナス要素をプラスに変えたね。素晴らしい!

次作でもニコールと共演しているコリン。予告トレーラーを観る限り、次作の役柄がなかなかのオッサンぶりですが、今回は、乙女たちに欲望を目覚めさせる役柄なので、それなりにイケメンでした(笑)

子役の女の子たち。作品においては、登場人物としてはめちゃ癒しの存在なんだけど、ストーリー的には、子役に…な内容なので、観客としてではなく大人の人間目線で見ると複雑。まさにこの壁紙のシーンです。


本作は、予告トレラーにはあって、本編にないシーンがありましたが、予告トレラーを見てたら、結局そういうことね…と思わせるシーンだったことに気付くはず。あのシーンは、説明セリフのシーンになるのでカットして正解だと思った。

今、予告トレラーを観て気付いた、戸田女史と翻訳が違う!!!

マジかよ!?

コラッ、配給会社!!

ということで、もし、この作品をご覧になる方は、先に予告トレラーをご覧になってからをオススメします。

小さいけど、パンフレットもオススメ!これはナイス配給会社!

今日のまとめ:今日、早く起きられたら、せっかくの映画の日なのでもう一本観たかったですが、次回にお預け!
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