「TABU」

2015-06-27 23:59:45 | 舞台
現実と真実は違うのか?

罪とは何か?

がテーマの作品ですかね…?

難しい内容だったので、原作者、演出家の意図と違うかもしれないけど…を前提に感じたこと書きます。

ぶっちゃけ、最初はなんのこっちゃ???の導入部だったのですが、ラストに向かうにつれてストーリーの核心が見えてきた…って感じですね。

私には、ケビン・スペイシー主演映画「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」がフラッシュバックされました。

結局は同じことが言いたかったんだと思うんですよ。現実と真実は違う、ということを。

「ライフ~」では、デビッドは、婦女助暴行拉致殺人罪の罪で今まさに死刑が執行されようとしていて、真実が明らかになった時にはもう死刑は執行されてしまった…というストーリーで…。真実は、婦女暴行拉致殺人は自作自演でデビッドは殺人を行っていない。現実は冤罪で死刑が執行されてしまったということ。この映画は、死刑制度反対派の主人公が自分の命をもって、死刑制度の盲点を世に知らしめようとした秀作です

そう、全く同じようなことが、この「TABU」でも描かれている。真田佑馬君演じる主人公ゼバスティアンも殺人罪で捕まり、裁判で罪状が決ろうとしてる。そんな中、橋爪功さん演じる主人公の弁護士ビーグラーが真実を突き止めようと奮闘する。

ネタバレすると、結局はゼバスティアンは無罪になる。でも、どう無罪になるのかがこの作品の面白さとなっている。で、この作品でも、現実と真実の違いが問われている。

この「TABU」では、裁判制度の盲点と取り調べを行う警察側の問題点を突いていて、「ライフ~」と同じことが言いたかったんだと思うんですよ。

お前らちゃんと真実を突き止めてるんか!?状況証拠だけで、無実なのに冤罪にしてないか!?ちゃんと調べてるんか!?って言いたかったんだと思うんですよ。

司法制度に対して喧嘩を売っているという点で、タイトルが“タブー(御法度)”なんだろうな~と思いました。

ホント最初は、ゼバスティアンは何の罪に問われているのかすら分からないくらいちんぷんかんぷんだったんですが、橋爪さんが良い意味で笑いを交えたメリハリのある演技をしてくれたお蔭でだんだん内容が見えてきた…って感じでした。

シリアスな内容なんだけど、橋爪さん演じる弁護士が、まるで刑事コロンボとか金田一耕助とか名探偵ポアロみたいな愛嬌のある存在感だったので、ストーリーに置いてきぼりにされなくてすみました。橋爪さん演じるビーグラーはいいキャラでした。

ということで、トークショーの祐飛さん見たさでただのミーハー心で観たんですが、結局はストーリーに入り込んでしまうくらいなかなか面白い内容&展開でした。てっきり祐飛さんが主役だと思ったら違いましたね。そう、なんでソフィア役に祐飛さんをチョイスしたんだろうね…?その理由が知りたい。決して悪い訳じゃないよ。ま、あの役は祐飛さんじゃなくても…とは思ったのは事実ですm(__)m

そう、一年ぶりの祐飛さん。すっかり女性の声になっていてビックリしました!「唐版滝の白糸」「天守物語」では舞台俳優的な声の出し方だったんですが、今回は完全に女性らしさが全面に出た女優の声でした。あまりの変わり様に驚きました(笑)m(__)m

トークショーでは大人気だった橋爪さんの役者魂は本当に素晴らしかった。ぶっちゃけ、橋爪さんのユーモアセンスがなければ、ワタクシ完全に寝てたと思います(笑)それくらい最初はちんぷんかんぷんでしたからね。

それが、橋爪さんのアドリブも含めユーモアのセンスがビーグラーの個性に繋がってストーリーに入っていくことが出来ました。シリアスな作品だからこそ余計、ユーモアのセンスは、作品にメリハリを付けるだけでなく、観客を作品に引き付ける役目になっているんだと改めて感じました。

野田さんの「エッグ」の時も感じましたが、やはり、橋爪はなかなかの舞台俳優さんです。←はい、上から目線ですm(__)m祐飛さんも、橋爪さんに対しては上から目線だそうです。背が高いから(笑)

そうなんだよね、真面目な話をただ真面目に演じるだけでは観てる側としてはつまらないんよね…。

佑馬君は、最初は演技が上手いのかどうかすら分からない存在感だったのですが、結果的には上手かったです。いくらゼバスティアンは無罪でも、あれは十分罪やと思うで。的な役柄が上手かったです。現実は無罪やけど、真実は罪だと思うよ。

トークショーは、キャスト&スタッフの皆さん、橋爪さん大好き!!!をアピールしただけの内容の印象しかない(笑)ほぼ内容に触れてないトークでした。でも、とっても笑える楽しいトークショーでした。

個人的には祐飛さんの話が聞きたかったですが、全て佑馬君と橋爪さんと司会者さんが持っていっちゃいましたね(笑)演出家の深作さんが、緊張してかお茶目キャラで可愛かったです(笑)祐飛さんの上から目線見たかったな~(笑)

今回の兵庫公演では、東京より意外と笑いが多くてビックリされた様子でしたが、関西はお笑いの文化なので、どんな小さなことでも拾いまっせぇ~(笑)

今日のまとめ:この作品を観て面白いと思われた方は、是非とも「ライフ~」も観て欲しい!
この記事についてブログを書く
« 「五右衛門vs轟天」 | トップ | 「あん」 »