オペラ座の怪人

2023-03-24 16:50:25 | ミュージカル
あー、やっぱラストは泣ける〜(泣)

ということで、実に約30年ぶりに劇団四季のオペラ座の怪人を観てきました。

ちなみに、30年前は大阪公演の再演でした。今はなき近鉄劇場。

初演の伝説のファントムを演じた市村さんはもう退団されていましたが、紅白で観た市村ファントムはめちゃくちゃ素晴らしかった。

私が観た30年前のファントムは、当時は芥川英司さんという芸名だった鈴木壮麻さんでした。クリスティーヌは鈴木京子さん。ラウルは丸さんこと石丸幹二さんでした。当時はまだ新人に近かった方々ですが、今となってはめちゃくちゃ豪華キャスト!

生のオペラ座の怪人は、2006年にドイツで観て以来。

そうそう、これがまーひどい劇場だった。一番安い席がなんと1階の後方席。1階で観れるの!?めちゃラッキーやん!?と思ったら、2階席の突っ張り部に遮られて天井のシャンデリアが全く見えないという有り様。そりゃ安いわ!じゃ納得できなかった。シャンデリアが見れないオペラ座の怪人なんてオペラ座の怪人じゃないよ!着席した時からもう興ざめ。全く楽しめなかった。ぶっちゃけ、トラウマを植え付けた劇場だった。

それ以来、劇場チェックと下調べは欠かせなくなった。やはり、宝塚大劇場は、客席数収容力と見やすさではダンドツ1位やね。何処の席でも端っこでも見やすい!

それはさておき、

約30年ぶりの劇団四季版。17年ぶりの生オペラ座の怪人は、

めちゃくちゃ良かった!!

やはり、劇団四季はミュージカル集団だから宝塚と違って皆さん歌が上手い!

ま、やはり宝塚には劇団四季にはない良い部分もあって、特に…、あ、書けないわ。差別発言になってしまう…。

久々の劇団四季は、母音法が緩和されたのか、一部の役者さんは母音法じゃなかったら聞きやすかった。

母音法は、言葉に重きを置くから感情が遠退いて不自然に感じてしまって、観てる側(特に私)は置いてけぼり感を食らうんよね。感情移入が出来なくなるんよね。

でも、今日のキャスト陣は、ラウル役の方がこれぞ母音法の発声をされていましたが、ほとんどの方が自然に表現されていたので違和感が最小限でした。

ファントムを演じられた岩城雄太さんの表現が素晴らしくて、ラストの孤独の表現に涙涙でした。見た目は大の大人なのに、心は純粋な少年のような清らかさがあって思い返すとまた泣けてくる。

時折、感情が乗りすぎて声が裏返るのも良かった。私が知ってる劇団四季の俳優さんの表現じゃなかったね。めちゃくちゃ良かった!

クリスティーヌを演じられた藤原遥香さんも素晴らしかった。歌い方は、私は音源でしか聞いたことがない野村玲子さんのクリスティーヌがフラッシュバックされましたね。よく似てました。完璧なクリスティーヌ像ではあったけど、ぶっちゃけ、他の娘役さん(あえて宝塚風に表現)と見た目も雰囲気も背の高さも変わらなかったのが唯一の残念要素だったかな。

アンサンブルの中にもクリスティーヌ候補がたくさんいたからね。これは、藤原さんが悪いわけでも誰が悪いわけでもないんだけど、クリスティーヌはやはり他の娘役さんともう少し髪型とかで差別化を図って欲しかったかな。

ラウルを演じられた光田健一さんは、まさに劇団四季の鑑のような母音法で表現されていましたが、御本人自身もめちゃくちゃ真面目な方だと思うのでそれがラウル像にピッタリでしたね。   

今回のキャスト陣は知らない方ばかりでしたが、

特にマダム・ジリーを演じられた佐和由梨さんがめちゃくちゃ良かった!声も表現も素晴らしかった。

カルロッタの吉田絢香さんも、イタリア人の雰囲気がよく出ていて素晴らしい役作りとオペラ歌唱でした。

アンドレ役の日浦眞矩さんの声も特徴的で印象に残る。

最近は、オペラ座の怪人よりファントムの方がよく観ていたから、カルロッタがクリスティーヌに毒?薬を飲ませるシーンがなかったことに、めちゃくちゃファントムに脳が侵食されていたことに気付かさせられましたが、

脚本は圧倒的にファントムの方が好きですが、私が怪人を演じるならやはりオペラ座の怪人ですね。ロイド・ウェバーの曲が圧倒的に素晴らしい!

舞台美術も装置も演出もブロードウェイ版?ウエストエンド版と同じだから尚更懐かしさと感慨深があった。

やっぱさ、シャンデリアに限らず、地下へ降りる演出、蝋燭が床から上がってきたり(ドイツでは袖からスライドだったから興ざめ)、30年前もそうだったか忘れましたが、ラウルが地下に飛び降りたり、ファントムの高速迫り下がりも見応えがあったし、ロイド・ウェバーの曲たちだけでなく、これぞオペラ座の怪人演出を堪能させてもらいました。

そう、ブロードウェイでは、とうとうクローズされちゃったみたいだしね。ウエストエンドはまだ上演されているはず。ま、こっちが先だからね。

昨今、海外ミュージカルは日本オリジナル演出が多い中、海外オリジナル演出で上演してもらえるのは劇団四季とホリプロくらいだからね(他にもあったらごめんなさい)。本当にありがたい。

大阪公演は8月までなので、もう一度観たいと思った。大阪は14年ぶりの上演だったから、次いつ大阪に来るか分からないしね。ま、大阪は14年ぶりでもそれまでに京都公演もあったけど…。