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ふるあめりかに袖はぬらさじ

2022-06-27 00:46:00 | 古典芸能
さすが玉三郎さん!

いなせでお節介やさん、喋りすぎがたまに、ではなく、しょっちゅう傷であるお園役を、気品漂う玉三郎さんがどう演じるのかと思ったら、

めちゃくちゃ玉三郎さんだった!あ、いい意味でね!

第一声から素の玉三郎さんかと思った。トーク番組でお話しされている玉三郎さんのままだった。全く声音を使ってなかったからね。

ちゃきちゃきな江戸っ子まではいかないけど、女寅さんみたいないなせな感じが、お園役なのか玉三郎さんなのか分からないくらい同化してた。

人間味にあふれ、ラスト恐怖におののきお酒に溺れ乱れた玉三郎さんの演技が超絶素晴らしかった!

場面場面での見せ場が本当に秀逸!

お節介ぶりから一転して見事な語り手に化け、そしてお酒に溺れる。人生の山と谷、喜怒哀楽が絶品でした!

ぶっちゃけ書くと、台詞をかまれることはありましたが、自殺した亀有(亀遊)の嘘の武勇伝を語る台詞回しがもうアッパレでした!水を得た魚のようでした。客席から拍手が湧きましたね。

ということで、歌舞伎座に行ってきました!

実は、ワタクシ、90年代に杉村春子さんのお園を観てます。とても大きなホールでの公演だったので、声が小さくて聞き取りにくかったですが、めちゃくちゃ面白かった印象がありました。

それから、2000年代前後に新橋耐子さんのお園を観ました。玉三郎さん版に比べたら圧倒的に登場人物が少なかった印象。でも面白かった印象しかない。

そして、今回玉三郎さんのお園を観させてもらい、やはり、めちゃくちゃ面白いと思った。

声に出して笑ったらアカンと気を付けていたんですが、いつもは頷きオッサンになっているんですが、今回ばかりは、有吉佐和子さんが紡ぎ出す掛け台詞が上手すぎてついつい声に出てしまった。

すでに2回観てるのに、ストーリーを忘れているので、新鮮に観させてもらいました。

まさに今の社会を風刺した内容でもあったので、1972年が初演なのにめちゃくちゃリアリティーがありました!

仁左衛門さんの体調不良により急遽演目が変わることとなり、まさかの歌舞伎と新派のコラボが歌舞伎座で観れるなんて!雪之丞さんと喜多村緑郎さんを拝見できる!そして、福ちゃんがめちゃくちゃいい役!

東京まで来た甲斐がありました!

もうさ、歌舞伎では、玉三郎さんと雪之丞さんの女形の美女対決は、正直五分五分ですが、

今回は、圧倒的に雪之丞さんが美しく儚げ。リアル女性にしか見えない声音の出し方や所作の美しさ!

全てにおいて雪之丞さんと役作りが対照的な玉三郎さんのお園だったので、2人の演じ方の違いがめちゃくちゃ楽しめた!

美女対決の時はどちらも美しいので決着がつかないけど、今回はもう、お互いの存在がお互いを引き立て合っていたので、ある意味、北島マヤと姫川亜弓の対決に思えた。もちろん、勝負に決着がつくわけではないですが。

見事な演技バトルでした。もちろん競い合ってないですが。見応えがありました!

そして、そして、福ちゃんがまぁー男前!紳士!いい男!エエ声!

お兄ちゃんに似て、現代劇なのに型を壊すことをしないので少し不器用さを感じましたが、真面目に取り組んでる様、型を大事にする様は逆に好感が持てた。

ハッシーもそうだけど、決して演技が下手なわけじゃないんよ。アドリブと融通が利かないだけ。歌舞伎は確かに型は大事だけど、お芝居の醍醐味は生であること。時間は戻らない1回切なんだもん。現代劇ならもっと遊んだらいいのに。楽しんだらいいのに。もっと先輩方の懐に飛んで行ったらいいのに。ま、緊張するわな。でも、いい機会が貰えて良かったね!

ぶっちゃけさ、歌舞伎の世界では、恋人同士を演じる上で、役者同士の年齢差が大きいことが当たり前だったりするじゃないですか?

雪之丞さんと福ちゃんも実年齢はある意味親子。

なのに、なのに!

全然違和感ない!同年代にしか見えない!これが一番の驚き!

こんこと書いたら雪之丞さんに失礼ですが、下手すると年増の花魁になりかねないのに、めちゃくちゃ自然に若い女性にしか見えない!

そして福ちゃんも、若い紐になりかねないのに、めちゃくちゃしっかりした青年だったので、2人の実年齢差を全く感じることなく観させてもらいました。

お二ともとても良かったです。

そして緑郎さんも、語弊があるように聞こえるかも知れませんが、歌舞伎の化粧が似合う!

雪之丞さんも緑郎さんも歌舞伎座おかえりなさい!と素直に思えたよ。

そしてもう一人、中村鴈治郎さんがめちゃくちゃいい味を出してる!いい意味で関西のお芝居が生かされている。稽古場ではムードメーカーの役割を担っていたいたと推察。

私には、鴈治郎さんの演技と存在感で場が和んで見えた。空気が変わる。歌舞伎役者さんと新派の女優さん方と歌舞伎座をかけ混ぜるのに必要な、接着剤の役割を担っていたと思います。だから役者さん方は、垣根を超えて伸び伸びと演じられたのではないかと思います。もちろん玉三郎さんの功績もありますが。

あと演出的に、第1幕はさておき、2幕目からの演出が見事に賑やかになりましたね!

さすが歌舞伎座公演!芸者さんは沢山でてくるし、武士も多いし、私が2回みた演出と派手さがちがった。より遊郭?の派手さと亀遊が隔離された部屋とのギャップの見せ方が非常に素晴らしかった。

杉村さんのときよりも、障子の隙間から漏れこぼれる陽の光の演出がもう最高に良かった!背中で表情を見せる演技が最初と最後で異なる点も哀愁があって良かった。


物語は、まさにいまの社会やメディアを風刺していて、注目を集めるため、収益につながるからとスキャンダルをでっちあげたり、真実をねじ曲げたり、噂が独り歩きして色々と憶測で脚色されることが多々あります。

嘘はいつかめくれる、また、嘘が真実になることも大いにある。

ぶっちゃけ、関係ない話ですが、ダーウィンの進化論、猿が人間になった説は私は信じてないんですけどね。

中国四千年歴史で何が進化しました?身長が伸びただけじゃないですか?猿が人間に近づきましたか?

ネアンデルタール人の骨。じゃあそれ以降亡くなったかたの骨はどこにあるの?なんでネアンデルタール人の骨だけが見つかるの?違和感ありません?いきなり火葬文化が世界に広まったの?私には謎だらけです。卵が先か鶏が先か?私は細胞が先だと思います。

脱線しまくり(笑)

真実が1%で嘘が99%の情報が報道されるのがメディア。脚色されまくり、都合のいいことしか伝えないのがマスメディア。これはしばらく変わらないと思う。なぜなら、スポンサーがいるから。お金貰ってるんだもん。綺麗事を演じる、見せるのが仕事やん。

これからは、しばらくはYouTubeが真実が語られる、真実がみえる、嘘がめくれる場になること間違いない。

そしてまた、YouTubeにかわる新しくツールが生み出され、またそれにのかっていく…の繰り返し。

そのうち、簡単に宇宙に行ける日も遠くないでしょう。ガンダムみたいに宇宙で生活することも大いにありうるね。

進化してきたのはお猿さんじゃなくて、人間の脳だと思うよ。

私のわけわからん説はさておき、有吉佐和子さんの人間観察力や洞察力や社会を見る目は本当に素晴らしいと思った。言葉遊びも上手いし。タイトルの回収の仕方が絶品!

生きていらしたら日本の文化ももう少しメスが入って、真実を見る目を持つ方が増えたことと思います。

改めて、たまたまとはいえ、この舞台を上演して下った玉三郎さんと松竹さんに感謝です。私も日頃の愚痴が書けたし(笑)

歌舞伎座に子役で女の子が舞台にたたれるこもはありますが、新派の女優さんが歌舞伎座の舞台に立つことは非常に珍しいですね。

今回は特別な事情がありましたが、江戸時代には存在していた女性歌舞伎、当時は娼婦まがいなことをしていたらしいですが、健全な女性歌舞伎も実現する日は遠くないのかなと思います。これに関しては永遠に賛否両論あると思いますが。誰かさんの言うように多様化する必要はあるのかもしれませんね。


8月は、南座で再び玉三郎さんで「東海四谷怪談」。雪之丞さんも緑郎さんも立たれる。伊右衛門は歌舞伎界の愛ちゃん。楽しみでしかない!

必ず観させて頂きます!

仁左衛門さんも大阪七月歌舞伎で復帰です。良かった!

あー、仁左衛門さんの碇知盛を観ておけばよかったと後悔…。

追記:残念ながら、仁左衛門さん、休演されることになりました。

一日も早く回復されることを祈ってます。