めっちゃええやん!?
ラストの韓国のシーンは、深読みすべきか悩むところがありますが、
カンヌ審査員のセンスの良さ、お目の高さに唸りまくり!
ぶっちゃけ「万引き家族」より良い!
m(__)m
いやー、3時間が全く長く感じなかった!
あっという間でもなかったけど、映像に醸し出される空気感、特に劇中劇の「ワーニャ伯父さん」の役者さん達がめちゃくちゃ良い!多言語の役者さん達なのに、めちゃくちゃ癒やされる!
そして、岡田君が最高に良い!相変わらずこういうダメンズがお似合いですが、言葉と目に説得力があった。私なら岡田君に助演男優賞ノミネートあげます。
っていうか、これって村上春樹氏が原作ですよね???
めちゃくちゃ良いやん!?「ノルウェイの森」と雲泥の差があった!
私がイメージする春樹氏の登場人物は、日本人なのに遠い国の人みたいイメージなので感情移入できないんですが、
この作品に登場する人物は、多国籍なのにめちゃくちゃシンパシーを感じる!
今まで春樹氏の本は何冊かチャレンジしましたが読破したことない…。私には全くハルキストになれる要素ないけども、今回ばかりは、原作を読んでみたくなった。
それくらい惹きつけられるものがあった。
「ワーニャ伯父さん」の台詞と西島秀俊さん演じる主人公の生き様が被り、
まさに舞台の怖さというか、演じることの怖さ、
他人を演じているようで実は自分自身をさらけ出す怖さ、
他人を演じることで自分自身と向き合い対峙しないといけない。
加えて、
内観することで前進していく様を「ワーニャ伯父さん」の台詞に乗せて、正に並行して描いていて、
素晴らしい!!としか言いようがない。
西島さん演じる主人公が、奥さんの死をきっかけに、自分が演出する舞台の役者さん達、専属ドライバーとの関わりの中で内観し、気づきを得、
そして、殻を破り新たな自分に出会った時のワーニャ伯父さんの台詞がめちゃくちゃ泣かせる!
岡田君もそうでしたが、内観し気づきを得たあとの舞台の台詞が本当に素晴らしい!
映画なのに、シーンごとでカットしてるのに、生の舞台を観てる感覚だった。
あと、屋外での、韓国の手話の女性と台湾の女優さんの台詞のやり取りがめちゃくちゃリアルに良かった!
映画なのに、全くの多言語同士、しかも、相手は手話、それなのに、本当に生の舞台を観ているようなリアルな感情、いや、得体の知れない感情が伝わってきて、
舞台好きには堪らない見せ方でした!
チェーホフの四大喜劇の台詞にはスピリチュアルな台詞が多いので、それがこの作品に生きて、
まさに、カセットテープに吹き込まれた奥さんの棒読みの台詞や、本読みの時の棒読みの台詞が、ラストの舞台シーンで生きていて、というか引き立てられていて、
本当に見せ方が上手かった!
演劇だけに関わらず、スポーツや職場、学校においてもそうだけど、調和って大事なんよね。
上からのトップダウン的な命令による調和ではなく、自発的な調和って大事なんよ。
それってまさに心やん。
舞台を見終わったあとの拍手と同じ。拍手の音の中に気持ちが込められてる。つまらなかったら拍手はない。拍手がないというのも調和だけどね。気持ちが一体になってる証拠だから。
演劇は、台詞を伝えることだけが大事なんじゃなくて、その得体の知れない感情を観客に伝えることが演劇の醍醐味だったりするわけやん。
特に、言葉がないバレエにしろ、クラシック音楽にしろ、スポーツにしろ、技術の良さだけじゃない感動ってあるわけやん。フィギュアスケートなんて典型的だと思うよ。もちろん、言葉がある音楽もそうだけど。
そこも描いてるのが尚素晴らしい!
亡くなった奥さんの存在は、カセットテープの声にしか現れないけど、その奥さんの存在がまさにガーディアン・エンジェル的でもあるのが更に良い!
夫婦間に限らず、様々な人間関係において本来あるべき姿を西島さんを通して、専属ドライバーを通して伝えている様も素晴らしい!
脚本だけでなく作品として本当に素晴らしい!
私なら、これ、作品賞!
ということで、今週で関西のほとんどの映画館では上映終了するため、今日しか観られる日がなかったので観てきました。
やっとこさ、試験も終わり、久々にマイブロガーさんsのブログを拝見したら、ほとんどの方がこの作品をご覧になられていたので、急遽観てきたわけですが、
本当に良かったです。
なんせ、春樹氏のイメージがちと変わった!
脚色のせいで変わったのならオイオイですが…。
スワロウテイルの時と同じように、歳を取ったから印象が変わったのかを確認するためにも原作を読んでみたくなった。っていうかラストシーンが1番気になる。
ほんとはね、西島さんにも主演男優賞をあげたいとこですが、今年は、断トツで役所広司さんです。←お前が決めるな!
m(__)m
っていうか、ケラさん版「桜の園」は、完全に流れたの?再集結しないの?