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花組「カリスタの海に抱かれて」「宝塚幻想曲」

2015-03-24 23:22:15 | TAKARAZUKA
ダイモンが観に来てた!一緒に観に来てた方は雪組生なのかな…?とツイッターで検索したら、なんと一花ちゃんにミツル君にマリンさんでした!私の席からはダイモンしか分からなかった…。

ということで、みりかの大劇場お披露目を観て来ました。

本当はもっと早くに観る予定でチケットも取っていたのに、その日はどうしても仕事が休めない日だったことをウッカリ忘れていて、泣く泣く友達に譲りました(涙)今日は遠くの席から、本来座るはずだった席を眺めながら、悔しさを募らせながら観てました。めちゃくちゃ良い席だったのに!!!(:大粒涙;)

私のどうでもいい話はさておき、

大石先生による歌劇団への書き下ろし第二作目は…、

祐飛さんの「美しき生涯」に続き、素晴らしい脚本でした!私は大好き!

今回も石田先生が演出だったのですが…、

どうしたの、石田先生??????

と言いたいくらい、ほとんど石田ポイズンのない正統派な演出でビックリしました!

アリシアの台詞の中に石田先生好みな台詞が混じっていたからちと気になりましたが、あれは大石先生の発想だと信じよう!(笑)

鑑賞後、この作品の舞台となるカリスタ島をネットで検索しましたが、宝塚関係以外ではWikipediaでも見つからなかったので、きっと架空の島なのでしょう。

を前提で作品を思い返すと、たとえ架空の島で架空の登場人物で架空の出来事であっても、大石先生の世界平和を望む脚本に感動してます。

リアルに中東問題とリンクする内容でもあったので、大石先生が伝えたい平和へのメッセージに感動しました。

私もBlogでも書いてますが、血で血を洗う争いは良くない。復讐からは新た復讐を生むだけ。

友達に言わせると、当たり前の台詞で、先が読める展開ではあるかもしれないけど、私は、当たり前の言葉でもちゃんと言葉にしないと伝わらないと思っているので、私はこの脚本は好き。

こんなこと書いたら自意識過剰だと思われそうですが、私が思っている気持ちがそのまま台詞になっていて、あの人の台詞にもあの人の台詞にもイチイチ納得しながら聞いてました。

人生、諦めることで前進出来ることもあるし、諦めない気持ちも大事だし、愛より友情を大事にしたい気持ちも分かるし、友情より自分の未来を大事にしたい気持ちも分かるし、名声にこだわりたい気持ちも分かるし、名声より傍で支えてくれる人がいればいいやん!ていう気持ちも分かるし…、

フランス革命下で、カリスタ島のフランス統治から独立を望む若者達の想いを軸に、各々が抱える問題というか、人物描写が明確で、その一人一人の考え方に納得しながら観てましたが、一見同じようでてんでバラバラな考え方が、最後統一されてハッピーエンドで締めくくる辺りは、大石先生の脚本力だと思います。

ぶっちゃけ書くと、最初の美穂姐さんの説明台詞で、なんとなくガラスの仮面の劇中劇がフラッシュバックされて、いかにもマンガ的な展開で“THE・宝塚っ!”の王道的な雰囲気はありましたが、それでも、この作品の良さは、大石先生の平和へのメッセージだと思っているので、ミリオ演じるカルロが眩しくて仕方なかった!←結局、そこかいっ!?(笑)

ホンマ、絵に描いたような理想の男役像で、「事件」の宏とは大違いや!と言いたくなった。本来座る席で観てたら気持ち悪いくらいキュンキュンしながらミリオカルロを見てたと思う(笑)

かのちゃん演じるアリシアの能動的な人物像にも大いに共感できる部分もあったし、芹香君演じるロベルトの気持ちも良く分かるし。

大石先生が描く登場人物の人物描写はどれも明確で説得力があったと思います。
石田先生が正統派な演出をされていたので、本当に素晴らしい作品に昇華してたと思う。

個人的には、御織先生による炎のダンサーやオリーブの精の振り付けが、故アキコ・カンダ先生を思い出させてくれる素晴らしいダンスシーンになっていてめちゃくちゃ大好き!

あと、美穂姐さんの雰囲気が、ガラスの仮面の「二人の王女」に出てくる月影先生そのものだったので、眼帯を付けただけでなくアニータが醸し出す雰囲気に萌えまくりでした(笑)歌も演技もめちゃくちゃ良かった!

ミリオは言わずもがな正統派な男役像が格好良かったですが、芹香君が…、

どうしたん?????

と言いたくなるくらい、男役に磨きがかかっていて、ミリオの中性的な男役像に比べたら、そりゃもう完全に男だったね、あのロベルトは。自己アピールも冴えていて迫力満点でビックリしました。これはもう二番手確定文句なしの存在感でした。

かのちゃんのアリシアは、最初、髪の色がちょっとオバサンちっくで違和感を感じました。アッシュ(?)じゃなくポスターのように茶色がいいと思ってましたが、何回も見ると慣れました。あの髪の色はどうなんだろう…?

アリシアは、自分に正直でサバサバしていて、裏表のない素直な人間でもあるのが見ていて気持ち良かった。ヨシ子と大違い!(笑)かのちゃんは的確に演じられていたと思ってます。

ナポレオンの柚香君は、時々台詞が裏返りそうでヒヤヒヤもんでした。この役は少し石田ポイズンを感じる役作りではありましたが、その不必要に威勢があったのが、出番が少ない分逆に存在感をアピール出来ていたと思います。

アキラ君がここにきて演技力を見せつける素晴らしい役作りで、嫌みたっぷりで良かったです。アキラ君で頭中将が見たいと思った。これは芹香君の可能性を感じるが…。惟光は柚香君のイメージやねんな…。ミリオが光の君様ならそれ以外の配役は劇団に任せます。

後、印象的だったのがユキちゃんのイザベラですね。かなり振り幅の広い役柄を自然に演じられていたことにビックリ。前回の新公のゾフィが嘘みたい。ユキちゃんもかなり化けもの要素があるね!←これ、最上級の誉め言葉ですからね!

このお芝居、たくさん詰め込んでいるのに、上演時間が1時間半なんよね。もっと長い印象だった。音楽というか、みりかののデュエットSONGはいかにも「ガイズ&ドールズ」を意識した曲調で、そこまでアピールせんでも…と思った(笑)個人的には手島先生の作曲センスは好き。

で、ショーは…、

ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、お芝居の時間を延ばして、ショーの時間を10分ばかり削った方がいいと思った。

なんか、「Mr.Swing」を観てるようで…。決して悪くはないけど…、こればかりは好みの問題やね。

でも、BOY先生の大階段の振り付けからは目が釘付けでした。あの黒燕尾のフォーメーションは素晴らしい!あんな小走りで大階段を降りて怪我しないか心配したけど、観た印象はテンポが良い振り付けで圧巻でした。鳥の大群が宙を舞ってるイメージやな。見応えがありました。

ミリオは、腕力を付けることが今後の課題やな。腕力に関しては、「アルジェの男」からの課題ではあったとは思うけど、良く頑張ってリフトしてたと思う。最近はリフトを見ないことの方が多いから、ミリオの頑張りには感嘆してます!片手でリフト出来るよう頑張れ、ミリオ!

その点、似たような体型の柚香君は腕力あるよね~。柚香君の課題は歌やな。トートの時に比べたらそりゃもう音域が広がって良くなってきている。

ショーでも、芹香君のアピール度は凄い!歌も表現力も貫禄があって頼もしい限りや。

かのちゃんは、大階段がエレガントさがあって良かった。「アーネスト~」の時から、かのちゃんはしっかりした表現力を身につけていると思う。意外と大人びた演技を普通に出来るよね~。次のマリー・アントワネットは声のトーンに工夫があれば貫禄が出て問題ないと思う。

お芝居もショーも友達が大変気に入っていて、私はまだ観てなかったのに、衣裳やら靴やら振り付けやら感動して大いに語ってて、私には全くもって意味不明でしたm(__)m久しぶりの宝塚だったらしく、かなり衝撃的だったそうです。オリジナルの作品&ショーの中では、初宝塚の方でも満足出来ると思います。

今日のまとめ:来月最低一回は観に行きます!

嗚呼、早くミリオの光の君様が観たい!その前にフェルゼンやけど…、これは観れないやろな…。 芹香アンドレは完璧やと思う。柚香オスカルも見応えあると思う。


「事件」

2015-03-24 02:03:09 | 映画
めちゃくちゃ偏見だらけです。前もって謝りますm(__)m

しのぶさんの作品ということで、以前から観たい!観たい!と思っていたら、やっとこさ、地元のTSUTAYAでも置いてくれたので、「博士の~」と一緒に借りて観ました。私には凄くタイムリーな内容で、ホントよく出来た作品でした。

1978年の作品ですが、取り扱っているテーマは、今と変わらず、何故未成年者の犯罪が増えてきているのか?だったことに驚きました。

以前、中学一年生の男の子が犠牲になった殺害事件で、私なりに意見を書いたんですが、この作品はまさに私の意見に対する返答のように感じました。なんせ、山本圭さん演じる先生が私と同じ考えだったから。

殺人、イジメ、虐待など、他者を傷付ける行為には、その人を取り巻く生活環境が行為を引き起こす要因になっている、深層心理を含めた心のケアが大事、犯罪者には心理カウンセラーが必要だと偉そうに書きましたが、

この作品に関しては、犯罪は必ずしも、生活環境だけが犯罪を引き起こす要因とは限らない…ということを訴えてましたね。

作品的アプローチはまさに、犯罪者である宏(永島敏行さん演じる)の人間性や生活環境に原因があるみたいな描き方から始まるんですが、後半からはそれを覆す展開になっていて、

その覆し方がこの作品の最も訴えたかったことだと思うんですよ。

率直に書くと、犯罪は、本人の意思とは別に、他者の意思によって引き起こされることもある。巻き込まれると言った方が正確かな…。

宏は、ハツ子(松坂慶子さん演じる)を殺す気はなかったけど、ナイフを持っていたのは事実。刺したことも事実。殺す気はなくても、結果的には殺人をしたことには変わりはない。

でもここでは、結果的には宏に殺害意思があったかどうかが問われているのではない。何故殺したのか宏の深層心理が問われているのでもない。宏が未成年者であるかどうかも違う。

何故この事件が起こったのか?そもそものその真相こそがテーマ。

自転車と自動車の人身事故なら、100%自転車側に原因があっても自動車側にも罪が問われますよね?と同じようなことがこの作品でも描かれている。

ネタばらしすると、宏はただ脅しでハツ子にナイフを突き付けただけ。殺すために購入したのではなくたまたま買ったナイフをその時持ちあわせていただけ。ハツ子が自分の意思で刺されにいった、つまり自殺行為をしたのである。明菜さんと永作さんのドラマ「冷たい月」で、永作さん演じる主人公が刑務所に入った理由と同じ。ドラマの方は復讐心からでた作為的なものだけど…。

宏は、ハツ子の深層心理となる環境要因に巻き込まれてしまった訳だよ。だから、宏が未成年者かどうかなんて関係ない。

未成年者に限らず、殺人事件は自分の意思に関係なく引き起こされることもあるということやね。犯罪を起こす気はなくても犯人にさせられてしまうケースもあるということ。

この事件に関しては、心理カウンセラーは必要はない。むしろ、事件の真相を追求する弁護士と検事の役割が重要になってくる。

ナイフを持っていた、刺しただけで、簡単に宏に死刑判決を下されてはいけない。事件そのものに対する真相追求、基本中の基本こそがこの作品のテーマなんよね。

犯罪者に対する心理カウンセラーの必要性は、生活環境に問題があると判断された場合やな。私が知らないだけで、きっと刑務所では行われているかもしれんな。

犯罪の行為だけで刑量を決めてはいけないという点だけは、私と同意見だと思ってる。あえて、私が書かなくても当たり前に行われていることやけどね…。ついつい、当たり前のことを、もっともな意見として書いたことに反省…。あと、誰もが犯人になる可能性があることも考えなかったことも反省…。

を前提に更に感じたことを書きます。

この作品って、誰が主役なん!?と訊きたいくらい、この人が主役!と言える人が言えないないのが斬新でした。

宏、ハツ子、ハツ子の妹ヨシ子(しのぶさん演じる)、弁護士、検事、裁判官、ハツ子のヒモの宮内(渡瀬恒彦さん演じる)、宏のお父さん、ハツ子とヨシ子のお母さん等々の視点から、事件の真相を追求されていく過程は見応えがありました。

事件は未然に防げるにことに越したことはないけど、この事件のように、自分の意思に関係なく、様々の要因が見事に重なって引き起こされる事件は未然に防げないと思った。世の中のほとんどがこのパターンなんだろうと思った。

宏と比較するわけじゃないけど、若い頃の自分自身を振り返って思うのは、自己分析することの大事さは常々感じる。若い時は勢いだけで前に突き進んでいくことがあるから、それが良い結果を生む時もあるけど、悪い時もあるんよね。自分の長所・短所は若い頃から知っておく必要はある。口に出さなくても、分かってると分かってないとでは結果が違う。

就職活動で自己アピールの時、自己過大評価ばかり言うのは間違ってるね。←私のことです(汗)

正直過ぎるのはアカンけど、どんな欠点があっても素直さをアピール出来たら、面接に関しては就職活動は上手くいったやろな~と今なら思う。今の私が面接官なら自己評価が高い人間は採用しない。

短所が分かれば直せばいい。もし直せないなら、その短所をカバーする技量を身に付ければいいと思う。それだけでも評価は違うと思う。

結局何が言いたいかというと、宏は最低!だということ。ヨシ子も最低!

人を殺したことに対して最低と言ってるのではない。

宏、お前は、ハツ子とヨシ子のどっちが好きやねん!?と言いたい訳さ。

そもそも、宏の優柔不断がこの事件の要因の一つだと思うんよね。最初からハツ子だけを愛していたらこんなことにならなかったと思う。か、ヨシ子に手を出したらアカンわ!

もちろん、ハツ子にも原因はあるし、ヨシ子にも原因があると思う。

もうね、宏みたいな人間を見ていると同性としてイライラする。「宮城野」の弥太郎もそうやけど、自分のこと分からなすぎやねん!好きなら貫け!浮気するな!己を知れ!と言いたい。

ヨシ子のしたたかさもイライラする。あからさまなしたたかさな女大嫌い!女の武器を利用するなんて最低やな。あんなんで子供産んで大丈夫か?子供が心配や。余計なお世話やけど…。

あんな基礎も築けてない人間関係で、宏が出所してから理想の家庭を築けるんやろうか???子供の父親だからといって宏を縛り付けたらきっと逃げるで。か、ヨシ子が新しい男を見つけるか…。私には、宏の出所後、幸せな家庭が築けてる姿がイメージできない。

その点、ハツ子が一番可哀想。家出の理由もハツ子が悪い訳じゃないし…。生きていくための選択を間違えたとは言いたくないけど、何を選択するかで人生の歯車は大きく変わるのは事実やもんな。

新宿でホステスになって、チンピラの宮内に出会い恋する。でも、宮内は事件を起こし刑務所行き。出所した時は、ハツ子は宏を好きになっていた…。

絵に描いたような地獄絵巻の始まり…。

三角関係だけでなく、四角、五角…と複雑に恋愛相関図の線が絡み合う。上手く出来た脚本やわ。

ここまでくると、あの時あれをしなければ…と言ったような、“If節”や“If not節”はもはや結果論でしかない。狂った歯車は、壊れるまで狂い続ける。狂わないためには予見する想像力と修正力が必要やな。

結局、後悔しないための正しい選択は、常に誠実であれ、自分に対して相手に対して…、だと私は思う。

そのためには、自分を知ることが本当に大切だと思う。自分の短所・長所が分かれば他人も自ずと理解出来ると思う。自分と比較すればいいんだから。基本、人間の行動パターンは、天才を除いてあまり大差はない。

自分に置き換えて相手を視ればより理解出来るから、不必要な嫉妬や執着は自ずと消えて行くと思うんよね…。自分の思い通りの人生のレールなんて、そんな簡単に敷けない。必ず誰かが絡む人生なんだから、自分中心に地球は回れないと思った方がいいと思う。

ホント、色々考えさせられる内容でした。

それにしても、しのぶさんの演技は素晴らしかった!これは賞に匹敵する演技でした。小悪魔ぶりが最低過ぎて演技としては素晴らしかった。恐らく、この演技の印象が強くて、しのぶさんに魔性の女のレッテルが貼られたのかな…と思った。

そうそう、「SONGS」で語っていたしのぶさんの恋愛論は素晴らしかった。そうだよ、二番目があると思って付き合っちゃイカンのだよ!

今日のまとめ:学生時代、心理学に興味があって、ちょこっと一般教養で心理学の授業を受けてました。その授業は、“己を知る”を知ることがテーマで、一種の演劇エチュードみたいなゲームで自己表現して、他者から評価してもらったり、他者と比較したりして自分を知る楽しい授業でした。今でも、自分の知らない自分が一番怖い。どんな人格が潜んでいるのか、誰よりも自分が一番怖い。

今ではあの授業に感謝です。どれだけ自分を知ることが大切か!?後々身に染みて感じた。人間、誠実と素直が大事!

心理学の世界では結構権威のある方の授業(当時はまだ助教授)だったのですが、今思えば、親が敷いたレールもまんざら悪くなかったな…と親に感謝m(__)m