「ブランカニエベス」

2014-01-15 23:34:41 | 映画
“ブランカニエベス”:スペイン語で白雪姫という意味。

白黒で無声のサイレント映画なんですが、同じサイレント映画でも、私には大不評だった「アーティスト」に比べたら、そりゃ音楽もストーリーも見せ方も良かった。途中何回も感動して涙するシーンがあった。なのに、あの救いのないラストは本当に切なすぎる…。

父娘の絆を描きつつ、人間の欲と妬みも上手く盛り込んでいて、基本ピュアな心を描いていただけにあのラストがね…。本当に切なかった。

全く救いがない訳ではないけど、素直に喜べない。ぶっちゃけ、「カイロの紫のバラ」みたいな展開。やっと幸せを掴んだと思ったら…な展開が…。許せない訳ではなく、本当に切ないとしか言いようがない。

白雪姫の物語をフラメンコと闘牛といったスペインテイストに上手く置き換えていて、小人役の方達がいい味を出してた。音楽も全く単調でなく、色んな曲調があってサントラがあれば欲しいと思った。

実質6人の小人が後半に登場して、ストーリー的に意味があって重要な存在なだけに、差別発言になってしまいますが、小人だけにアングラテイストというか寺山ワールド的なオチが本当に居たたまれなかった。ピュアさの中にある現実味が余計切なさを増す。

原作の魔女に当たる継母(訂正:原作も継母でした)や毒リンゴも上手く見せて&使っていて、ぶっちゃけ、そこで毒リンゴ!?的な流れなんですが、食べるか食べないか?がその先が重要となるだけに、そうきたかぁ~!?的な展開に…。←全くもって意味不明発言をお許し下さいm(__)m

あ~、切ないとしか言いようがない…。

ぶっちゃけ、オススメはしません。でも、「アーティスト」がイマイチだった方にはオススメ出来るかも…。

「アーティスト」ではワン公が大活躍でしたが、こちらは雄鶏がいい味出してた。なのに、違う意味でいい味出してもうてた…(涙)そういう意味では結構皮肉めいたシーンが多かったかも…。

あ、この映画を観て一つだけ救われることがあった。

昔、一人旅で(いつも一人ですが…)マドリッドに行った時、闘牛を観たんですよ。ヤンさんの「哀しみのコルドバ」に触発されて。でも、実際に何頭も牛が殺されるのを観ると、もう二度と観たくないと思った。で、この映画を観たら、闘牛にとどめをさすのをやめさせるために観客皆が白ハンカチを振って止めさせるシーンがあってめちゃ救われました。いくら、皆牛肉食べてるやん!?といっても、見世物として牛を殺すのは…と思ってただけに私個人にとっては本当に心が救われる思いでいっぱいでした。

今日のまとめ:実は、今日は千円の日だったので、「鑑定士と顔のない依頼人」も観てきました。

ぶっちゃけ、どちらも後味悪いラスト。先に「鑑定士~」を観ておいて良かった…と思った。「鑑定士~」は後日感想を書きます。

↓マドリッドの思い出写真。当時の写真ほとんど捨てたのに奇跡的にスペインとモロッコの写真だけ十数枚残ってた。そのうちの一枚。

通称、“ソル・イ・ソンブラ”。闘牛場の砂地がちょうど半分で光と影で別れる所。太陽の傾きで光と影の割合が変わるんよね。これは超魅力的な瞬間でした。