「モンテ・クリスト伯」

2014-01-08 23:08:29 | ミュージカル
良かった順に感想を書いたらこうなっちゃいました。関係者さんごめんなさいm(__)m

改めて、石田先生の宝塚宙組版の脚本演出の完成度の高さを感じさせる内容でした。

ぶっちゃけ、脚本がイマイチ。

ラスト、岡本健一さん演じるモンデゴが登場しなかったから、まだマシだったと思った。なんせモンデゴが出てきたから、後味がよくないハッピーエンドになってしまった。っていうか、モンデゴが生きていたことに驚き。あの見せ方は勘違いすると思う。私はあそこでモンデゴも死んだと思った。

メルセデスがクリスト伯に真実(?)を打ち明けてハッピーエンド、それで終わりにしたら良かったと思う。か、メルセデスがクリスト伯を庇ってモンデゴに殺される…ならまだ筋が通ると思う。罪は償わなくてはならないという前提で。

色々、宝塚版よりメッセージ色は弱いけど、思想や哲学をそれなりに盛り込んでいるのに、モンデゴの再登場で台無し。モンデゴを従者に殺させることで、クリスト伯とメルセデスの愛は正当化されるかのような描き方はマジあかん。もっと罪深いわ。

って考えると、石田先生の脚本と演出は本当にお見事なのが分かる。敵役三人の人物描写も明確だったし、何より家族関係を描くことで娘役にもチャンスが増えたし、しかもそれが見せ場となるシーンでもあったし、何よりラストは涙のハッピーエンドだったしで、ほんと1時間40分で上手くまとめたと思う。

今さらここで石田先生をベタ褒めしても仕方ないけど、東宝版は詰めが甘い。って以前に、そもそも私自身が東宝ミュージカルに合わないのかもしれないとも思った。ぶっちゃけ、改めて宝塚が好きだとも思った。

と同時に、劇団四季出身者の実力をまざまざと見せ付けられた感じもした。丸さんはもちろん文句ないけど、坂元さんも濱田さんも声量が半端ない。花ちゃんも東宝アンサンブルも完全に負けてた。実力の差がはっきりし過ぎて、観ていて気持ちいいものではなかった。四季が苦手なだけにねm(__)m

脚本はイマイチだったけど、大道具の使い方や見せ方は上手かったと思う。特に遺体として海に放り投げられた後の脱出(?)シーンがめちゃ見応えありました。あれは斬新でしたね。

ほんと、ダメ出しばかりで本当に申し訳ありません。もし再演する予定であるなら、練り直しは必然だと思います。そこは宝塚版をパクってもいいと思います。なぜなら、宝塚版は再演なさそうだからm(__)m

作品自体はミュージカルなんだけど、岡本さんや村井さんがいることで、お芝居の部分が面白かった。もちろん笑えたという意味ではないですよ。

そこは花ちゃんも、特にラストは舞台女優の演技を見せてもらいました。メルセデスという役はエリザベートを彷彿させるくらい年齢に振り幅がある役柄なので、ぶっちゃけ、丸さんがトートなら花ちゃんの東宝版エリザベートもアリだ思ってしまった。っていうか、個人的には宝塚版で終わってほしかったけど、実現するかも…と思ってしまった。その時は多分私も封印を解いて観ると思います。多分ね(笑)

丸さんのクリスト伯はめちゃくちゃ魅力的ですね。声量が半端ないのでめちゃ惹き付けられるものがありました。一時期、四季時代の丸さんにドハマリしてたことがあったんですが、またハマりそう(笑)そういえば、東京まで観に行ってたな(笑)初めての劇団四季が「オペラ座の怪人」でラウル役が丸さんでした。あの頃と全く変わらない。ほんま、ええ歳の取り方してるな~と思いました。

丸さんトートで花ちゃんエリザベートは大アリだと思う。

役者ベタ褒めオンパレードするつもりはないですが、禅さんが、も、良かった(笑)禅さんの役作り好き。今回はめちゃ偽善者な役作りでした。何作か禅さんを観てますが、全くもって同じアプローチがないね。声音から表情まで役作りが被らない、まさにその役を創ってくるとこがマジ素晴らしい!今のところ、どの役もアプローチが違う。マジ化けもの(笑)

観劇初の坂元さんは噂には聞いてましたが、禅さん同様かなり遊び心があって、坂元さんも化けもの俳優さんですね。声量も半端ないけど、見せ方がほんと面白い。キャラというか存在感が濃い(笑)

その点、濱田さんはいつもの濱田さんの歌い方だったのが私には残念。アバズレな感じはめちゃ良かったけどね。

岡本さんも、元々ミュージカル俳優さんじゃないから演技的に浮いてしまう存在感でしたが、やはり名役者。悪人が似合う!

音楽はそれなりに良いから、ほんと脚本だけテコ入れしたら再演はありだと思いますよ。ここはほんと宝塚版を参考にして欲しい。

今日のまとめ:私が観た日は大阪千秋楽だったのですが、カーテンコールでまさかの丸さんの花ちゃんへのむちゃ振り挨拶に個人的にありがたや(笑)で、挨拶中、どう締めたらいいか分からず丸さんに甘えてる姿が可愛かったです(笑)

花ちゃんのエリザベス楽しみ!あのチラシの写真を見て思わず、化けもの!と心の中で叫んだのは私だけ…?(笑)丸さん同様、花ちゃんも全く歳とらんよね。あの違和感のない若作りに楽しみが倍増しました(笑)m(__)m


「マイヤーリング」

2014-01-08 00:10:12 | 映画
カトリーヌ・ドヌーヴ版の「うたかたの恋」はずっと昔に観て、ぶっちゃけつまらなかった。今観たら分からないけどね。

たまたまか計画的かは分からないけど、「ルートヴィヒ」も上映されていて、ここで「双頭の鷲」も上映されたら完璧「恋人たちの肖像」やん!?とあり得ないことに浮かれつつ、オードリー版を楽しみにしてました。

ぶっちゃけ書くと、流れ的には地味な展開なんだけど、ルドルフとマリーの人物描写は上手かった。ほとんど流れは宝塚版と同じだから、この人物描写を宝塚版に活かしたらいいのにと思った。

女癖の悪いルドルフがマリーと出会って真実の愛に目覚める。一目惚れであっても、最初はマリーは打算でルドルフに近づいているのでは?という疑いの気持ちを持つ。ルドルフが狂気的に拒絶するも、マリーはあたかもマリア様のようにルドルフに寄り添う。そしてルドルフはマリーの真実の愛に気付く…。

もう、めちゃ完璧な人物描写やん!?(笑)

これは宝塚版でも活かすべきやで!と思った。

宝塚版は一目惚れから自然に愛が育まれていくけど、オードリー版には屈折があるんよね。だからルドルフにとってマリーは心底必要な人物になる。めちゃ説得力がある。見せ方はイマイチだけど自殺までの過程は納得もんでした。ルドルフを狂人チックに描いていたのが一番良かった。これはルートヴィヒとかぶる。

オードリーのマリーは男性諸君にとっては理想の女性像やね(笑)女性に言わせれば、それぐらい魅力のある男性ならマリーになれますよ…と言われそうだけど(笑)

ストーリー的には宝塚版の方がドラマチックな展開だけど、オードリー版は平坦な感じでした。ま、カトリーヌ版よりは良いと思います。

柴田先生はこのオードリー版を観てたんですかね?と思うくらい流れや見せ方が宝塚版と似てた。

オードリーもルドルフを演じたメル・ファラーも当時は夫婦共演で、しかも「戦争と平和」でも夫婦共演でしたが、現役夫婦には見えないくらい初々しさがあって新鮮なカップルでした。

オードリー好きは必見です!本当にマリア様に見える瞬間があるから(笑)


今日のまとめ:ここで「マイヤーリング」の感想を書くということは…、丸さん、花ちゃん、ごめんなさいm(__)m役者陣は良かったよ!感想は後日書きます。


追記:ちょっと鬱憤晴らさせて下さい。

結婚していて浮気していて、しかもホテル代は女に払わせてる奴に、(私が)孤独が好きなのは殻に閉じこもってるだけやん…と間接的に言われた。確かにその通り。でも、お前にだけは言われたくない!

今まで見て見ぬふりしてきましたが、私なりに世直しさせて頂きます。間違ってることはやはり間違ってる。ちゃんと教えてあげないとね。私自身、確かに色んな点で自分を甘やかしてきた。それを当たり前にしていた。私も反省しなきゃならん。そのための世直しと出直しでもあります。