「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」in 松竹座

2014-01-07 00:07:11 | 古典芸能
今日は、お年賀の挨拶があってビックリ。玉三郎さん、風邪で喉を痛めていて辛そうだったのに、お詫びも兼ねてマイクを使ってたくさんご挨拶をされてました。今回の公演は舞踊がメインだったのが不幸中の幸いでしたね。

そして、今日は特別に手拭い撒き(?)がありました。三階席まで手拭いが飛んできました。今日はまさかの挨拶付きだったので驚きとお得感でいっぱいでした。

初春公演ということもあって、とても爽やかな初春を感じる内容でした。

演目を知った時から注目していた「操り三番叟」と「二人藤娘」。

「操り~」は、以前南座で観た人形で大活躍だった薪車さん(呼び捨てしました〓)が出るということでめちゃ楽しみにしていたんですが、これがまたガラカメワールド炸裂でしたね。見えない糸があたかもそこにあるかのように薪車さんの細かいマイム演技に感動。歌舞伎で観ると非常に新鮮。

そして、今回操り人形を演じることになった猿弥さんがこれがまた可愛い顔で(笑)どこかに鏡を仕込んでいるのでは…?と思わせるくらい薪車さんと息がピッタリなのも見応えがありました。

「二人藤娘」は今回新たな試みで、いつもは一人で踊るとこを二人で踊るという、「娘二人道成寺」を彷彿させる内容でした。

長い暗闇の中、チョンパからの幕開きは思わず唸りました。宝塚よりはっきりしたライトインなので、歌舞伎でのチョンパは初めとだったからかなり感動。宝塚は微妙に点灯がずれることがあるんよね。

本来の一人版の藤娘を観たことないからなんとも言えないんですが、藤の木がめちゃ印象的で、幹の裏で着替えが行われるんですが、藤の精だけあって玉三郎さんと七之助丈の舞いには宮崎駿ワールドを感じました。

なんか玉三郎さんが七之助丈をたしなんでる感があって、七之助丈が超真面目だから余計お姉さんにいじられてるように見えて面白かった。

あと、何といっても着物の柄が綺麗。特に帯が大注目です。黒地で金銀カラフルな“ふ”じの刺繍がめちゃ印象的でした。

最初の出し物の「村松風二人汐汲み」は私にはインパクトが弱かったんですが、四幕目「於染久松色読販」は、七之助丈をバックアップした内容で、中村屋を引き立てる演出に玉三郎さんの懐の広さというか愛を感じました。

私のイメージでは、七之助丈はお兄さんの勘九郎さんとセットみたいなところがあったので、今回みたいに七之助丈の独り立ちのような計らいに、玉三郎さんが勘三郎さんの親代わりになって育てているような感じを受けました。

この作品は七之助丈の三役早替わりが見ものとなってますが、海老蔵のスピーディーな早替えを観てしまうと流石に見劣りするものがありましたが、七之助丈の繊細さが引き立つ内容だと思いました。

今日は、ロビーでは獅子舞の獅子が歩き回ったり、開演前には舞台に登場した決めポーズを披露してくれたりと、正月気分を味わえる和やかな雰囲気があって、これも玉三郎さんの粋な計らいだと思いましたが、最後まで楽しませてもらいました。

そうそう、最後の七之助丈の挨拶も中村屋の看板を背負う一人としての意気込みのようなものを感じました。玉三郎さんを次ぐ女形としては、菊之助丈が最強ですが、この公演では玉三郎さんを独占しているわけだからたくさん吸収し精進してもらい、同じ弟としても、兄貴には負けず劣らずで頑張って欲しいです。

今日のまとめ:玉三郎さん、まだ公演が始まったばかりですが、くれぐれもお身体をお大事に千秋楽まで頑張って下さい。