雪組「フットルース」

2012-07-19 23:10:23 | TAKARAZUKA
ケヴィン・ベーコン主演の映画は、当時二十年以上前、予告は見たことあったけど、映画はテレビでも観たことなかったのでレンタルで予習しました。あまりにもつまらなくて最後まで観れませんでした。途中を飛ばして最後は見ましたけどね。

なので、正直ミュージカル版も期待してなかったのですが、これはこれで普通に良かった。ロミジュリで書いた普通に良いとは全然違うけど、二幕目は涙がこぼれたしで、断然映画より良い。

ただ、去年の「H2$」同様、もう少しコンパクトにまとめた方がノリが途切れず最後まで盛り上がれたのでは…と思った。どうしても台詞の部分がダレる。間も繋ぎきれてないし。もっと個性が出せれば間も楽しめたかと思った。もう少しキャラを濃くしてもいいと思う。遊べるキャラたくさんいるやん!ちょっと優等生すぎかな…?

レンのキム君、化粧以外は文句なし。ま、ポスターよりもマシだけど、なんか違和感ある化粧だった。フィンチ並みで良いのでは…?それはさておき、二幕目のレンの本心を語るシーンでは涙が…。とても良かった。

美海ちゃんのアリエルは歌が…。「HERO」の時は、あゆっちの方が良いかもと思った。高音が痛かったな。地声でいいのではと思った。あそこは歌い上げてナンボやから、頑張れっ、美海ちゃん!
役作りはあれでいいと思う。あまり不良キャラだとレンとのバランスもあるから、優等生だけど実はプチ不良キャラの設定で良いと思う。映画のアリエルは遊び人キャラだったからあまり好きじゃなかったんだよね…。

牧師のまっつ。闇を抱えたパパさんを上手く表現してただけに、もう少し声に説得力が欲しかった。もう少し腹から声が出るといいんだけど…。

あゆっち、コマちゃんはもっと弾けてもいいと思う。主役二人を喰うくらいの勢いが欲しい。あの役は遠慮する必要ない。キャラを濃くすればする程、主役二人が引き立つから、この二人が中心でもっと笑いを狙って欲しいな。隠れキーパソンだから、頑張れ、コマちゃん、あゆっち!

アリエルの恋人チャックの蓮城君ももっと悪ぶっていいよ。君も悪ぶれば悪ぶれる程、レンが引き立つからチャックもキーパソンやし。

高校の同級生諸君もそうだけど、もっと皆個性出して全然構わんで。主役を喰えるもんなら喰ってみろ!ってくらいはっちゃけ度があってエエのに。ダンスや歌以外の台詞の部分やない部分での君たちの個性が、ダレるシーンを引き締めてくれると思うので、もっと遊べ!と言いたい。主役に遠慮するな!ミュージカルには、主役を喰うくらいの勢いが必要な作品もあるんやで。

もう少し脚本をコンパクトにして、もっともっと個性を出したら傑作ミュージカルになると思うねんけどな…。それに生徒たちがもっとはっちゃければ大人たちの演技も引き立ってメリハリがつくと思うし。博多座までにもう一度、せめて役の練り直しをしてもいいと思う。いや、すべき。


今日のまとめ:優等生気質を捨てるんや!!!もっと舞台で遊べ!(^O^)/


「少年は残酷な弓を射る」

2012-07-19 01:16:11 | 映画
雪組の「フットルース」を観た後に、なんかもの足りなさを感じたので、居酒屋のハシゴならぬ劇場のハシゴしてきました。実は「フットルース」の前にも映画を観たんですけどね…。

記憶に新しい順に感想を書いていこうと思います。

先ずはこの「少年は残酷な弓を射る」…。

まさにタイムリーな内容というか、私が言いたかったことがこの映画で表現されていて正直驚いてます。

この映画はイジメが背景ではないのですが、母と子の関係を、極端ではあるけども的を射た内容であったと思ってます。

この映画の背景は育児ストレス。一種の幼児虐待が描かれてます。

まさに過去は現在に繋がり、現在は未来に繋がると言わんばかりの展開で、極端ではあるけどとてもリアルでした。

タイトル通り、少年は残酷な弓を射ます。本当の弓の的は違うのに、彼の中の母親に対する愛の渇望と復讐心があの事件を引き起こしたんだと思ってます。それは今だから分かることであって、当時は心の整理がつかないから感情の赴くままに行動してたと思うんですよ、少年も母親も。

本当、同じ過ちでも分かってするのと無意識でするのとは大きな違いがある。

大概の分かってすることは直しが効く。でも無意識の行動は自分で意識して気付かない限り直しようがない。ちゃんと自分を知っていないと(自己分析)、同じことを何度も繰り返す、無意識に。

自分でも分かってるけど、直せない。よくある。まだ気付いてるだけマシ。分かってる上での結果なら後悔は少ないけど、気付かずの結果はあの時ああしとけば良かった…と後悔することが多い。

一つ一つの行動にちゃんと意識と納得と覚悟と予知があれば何も恐れることはないと思う。

この母親がまさにその悪い例だと思う。悪いと言ったら悪いけど、子供よりあなたに問題があるだろ!と思ったのと同時に、男親も自分は大丈夫だと安心しきっているのも問題だなと思った。まるでリア王そのもの。

それは夫婦関係なく、男女関係なく社会でもよくあること。陰口なんてまさにその象徴だからね。言われてないと思ってたら分かんないよ。ま、言われてもいいや~と開き直っていたらそれはそれでいいと思うけど。

それはさておき、育児ストレスによる虐待は母親だけ責任ではないので、夫婦間に限らず助け合いとコミュニケーションは本当大事だと思う。結婚もしてない、父親にもなったことのない私が言うのもなんですが…。でも、コミュニケーションは社会で生きていく上でも大事です。言葉でちゃんと伝えないと伝わらない。昔は以心伝心が当たり前の世の中でしたが、現在は以言伝心。IT時代は特にちゃんと言葉で伝えないと誤解が多々生じる。絵文字があるかないかで気持ちの探り合いなんて馬鹿馬鹿しい。

それもさておき、この映画、できれば男親にも観て欲しい。あの時ああしておけば…と後悔する前にすることあると思うんで…。


それもさておき、もう一つ、この映画を観てつくづく思った、子供はやはり親の鏡です。子供は親を見て育つ。

この映画、夫婦のあり方や親子のあり方の極端な例ではあるけど、もし何某の問題を抱えているのであれば、それはそれで逆に観ない方がいいのかもしれないけど、興味があればご覧ください。

ケヴィン視点か母親視点になるかで意見が分かれると思うけど、私はとてもタイムリーな内容だと思った。加害者・被害者の親の立場もじんわりと描かれてます。

今日のまとめ:こんなこと書いたらなんですが、フィクションと言えども少年の気持ちは良く分かる。少年が実は内面マザコンという意味ではなく、親に対する復讐心は私にもあったから。私はあれは復讐心と見てとってます。私には自殺する勇気がなかったし、もしあの頃、そんな勇気があれば私も弓を引いていた可能性もあったと思う。

これも書くのもなんですが、今あの超反抗期だった頃を思い出すと、両親それぞれに愛されていたなと思う。でも、どうしても許す気持ちが持てない時期もあるんですよね…。子供の頃は今の年齢と違って、世間知らずな分、余計ナイーブになってしまうでね…。と自己分析。