goo blog サービス終了のお知らせ 

気まぐれ猫の徒然の日々

気楽に、時々思いついたことなどを書きつづっていきたいと思います・・・。
諸般の事情で絶賛引きこもり中。

青い紅玉

2021-09-24 14:46:08 | Weblog

先日、某国営放送で放送された 「青い紅玉」 を見た。
言わずと知れた 「シャーロックホームズ」 の代表的な短編のドラマシリーズである。

シャーロック・ホームズは小学生の頃、大好きでほぼ全部読んだんだけど、当時から気になっていたのがこの 「青い紅玉」 と言う題名。
何で "青い" のに "紅玉" なんだろうと・・・。

え~っと、ここをもうちょっと詳しく書かないと分かり辛いと思うが、"紅玉" とは "ルビー" の事で、ルビーとは鉱物的には "コランダム" (酸化アルミニウムの結晶) で、これにクロムが含まれ紅く発色した物を指す。
それ以外の色のコランダムは全て "サファイア" と呼ぶのだ。
(因みに、クロムの含有量が 0.1%程度のピンク色の物も "ピンクサファイア" と呼ばれ、"ルビー" とは呼ばない。)
(更に因みに、エメラルドは鉱物的には "ベリル" と呼ばれ、ベリリウム・アルミ・ケイ素・酸素の結晶で、全くの別物。これの水色の物がアクアマリン。)

私の困惑が判っていただけただろうか。
"青い紅玉" って、青い "サファイア" の事で、・・・・・・って普通のサファイアじゃん。
だったら普通に "蒼玉" って書けよ!と思わず一人で突っ込んじゃったんだ。

で、今頃になって調べてみたら、原題は 「The Adventure of the Blue Carbuncle」 で、直訳すると 「"ブルーカーバンクル" に関わる冒険」 となるようだ。
(定冠詞の "the" が付いているので、作品中の盗まれた宝石そのものが "ブルーカーバンクル" と言う名前で呼ばれているみたい。)
ここで言う "カーバンクル" とは、額に宝石が貼り付いたファンタジーな生物・・・では無く、"ガーネット" の事で、天然物の青いガーネットは見つかったことが無いらしい。
つまり、これが意図した物かどうかはともかく、「青い紅玉」 は "誤訳" ではあるらしい。
なので、最近出版された物の題名は 「青いガーネット」 や 「青い石榴石」 となっているそうな。

因みにこの "青いカーバンクル" ってのも色々謎があるらしい。
ホームズは作品中でこの宝石を「40グレーンの炭素の塊」 と説明しているらしく (小学生の頃に読んだので、覚えていない。(汗))、それだと "青いダイアモンド" になっちゃうのだ。
まあ、これでは題名と食い違うので、作品の初期プロットでは青いダイヤだったのを途中で青いカーバンクルに変更した際、ここの修正を忘れたんじゃないかなぁと俺はそう思う。
だって、40グレーン≓13カラットのブルーダイヤ・・・、うん、40~50億円ぐらいしそうだし、そんな高価な物なら普通は銀行の貸金庫なんかで厳重に保管して、手元には出来の良いイミテーションを置いとくよね。
知り合いに金持ちは居ないので多分だけど・・・。
で、話そのものが成り立たなくなるんで、もっと安く、なおかつ珍しい宝石って事で "青いガーネット" に変更したんじゃ無いかと。
まあ、世界でただ1つの "青いガーネット" (天然物限定) の価値がブルーダイヤと比べてどうなのかって言われると、余り変わらん気はするけどさ。

う~ん、中々奥が深い・・・。
って、なんの役にも立たない無駄な知識なんだけどさ。 (笑