オレンジの火玉となりて陽は落ちぬみちのくの旅終はる車窓に
メイド・イン・チャイナの安き品々のあふれる日々にいつしかなれど
百円で売られし中に『朗読者』の背表紙ありて痛みの走る
吹き荒れし<造反有理>の毛の無理共にす世代六十路に入れり
(毛=マオ)
奴隷らのうめきと血をば塗りこめし白き砂糖の黒き歴史よ
百円で売られし中に『朗読者』の背表紙ありて痛みの走る
吹き荒れし<造反有理>の毛の無理共にす世代六十路に入れり
(毛=マオ)
奴隷らのうめきと血をば塗りこめし白き砂糖の黒き歴史よ
梅雨明けか梅雨の晴れ間か久々の陽射に惑ふ五月の空の
驟雨去り辿る家路の雲間より竜蛇のごとく虹の降りくる
公園のベンチの脇のシモツケの花芽目に見ゆ一歳経つも
(一歳=ひととせ)
*
肌白く滑らかなるを薄切りて塩もみなせばカブの美味しも
カブの葉の青々として捨てがたくゴマ和へ食めば農薬恐る
驟雨去り辿る家路の雲間より竜蛇のごとく虹の降りくる
公園のベンチの脇のシモツケの花芽目に見ゆ一歳経つも
(一歳=ひととせ)
*
肌白く滑らかなるを薄切りて塩もみなせばカブの美味しも
カブの葉の青々として捨てがたくゴマ和へ食めば農薬恐る