雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

050421 題詠マラソンから

2005-04-21 12:32:57 | 題詠マラソン2005から
【12933】024:チョコレート パイナップル、グリコ、チョコレート、石段を上つて下りて日の暮れるまで(近藤かすみ)

 神社かお寺の石段でしょうか。日の暮れるまでというのですから、親子でというより子ども同士の遠い思い出の歌だと思います。パ・イ・ナ・ツ・プ・ル! チ・ヨ・コ・レ・ー・ト!の声が聞こえてくるようです。

【12932】022:弓 人間は「狂った弓」と旧約の詩人は云へり罪の深きに(KADESH)

 狂った弓でなければ努力と鍛錬で的を正しく射抜くこともできる。しかし、狂った弓にそれはできない。だから努力と鍛錬が要らないわけではない。むしろ狂った弓だからこそいっそうの努力と鍛錬によって少しでも的に近づけようとすることが大事なのだ。
 そんなことでしょうか。
 旧約の詩人という表現が新鮮です。

【12930】 089:巻 「す」の文字のくるんと巻いたその辺りするするほどけて糸屑となる(武田ますみ)

 「す」の文字のくるんと巻いたその辺り。「くるんと巻いた」がすてきですね。「す」の字が生き生きと目に浮かびます。でも、くるんと巻いたのがいつまでも持ちこたえられずに、するするほどけて糸屑となる。お見事!

【12928】087:計画 計画を立てるための計画を立てなさい夏はもうすぐだから(武田ますみ)

 わかります、わかります。わくわくする夏休みはもうすぐ。ところが、先生や親は何かというと計画、計画と迫ってくる。
 元子どもの大人たちは夏を前にしたあのときめきをもうすっかり忘れてしまったんですね。
 計画を立てるための計画。委員会を整理するための委員会。先生や親もりっぱに哀しくこっけいな官僚になれます。

【12903】043:馬 駿馬の眸(め)もちにし人を野に送る ありぃべでるち、え・ありべでるち(萱野芙蓉)

 駿馬の眸(め)もちにし人。一点の曇りもない澄んだ大きな眸(め)をもった人は、愛する人でしょうか。それとも尊敬する人でしょうか。
 永久の別れを告げる「ありべでるち」のくり返しが、隠れキリシタンのお祈りのようにも聞こえて、印象的です。逝きし人はイタリアのおのこでもあったのかもしれません。

【12889】 012:メガホン 手メガホン作りてきみの迫り寄る耳尖らせばバーカと吹かれ(恩田和信)

 手メガホン。なるほど。
 「きみ」はガールフレンドでしょうか。その手メガホンを作って迫り寄られれば、耳も尖りますよね。当然、「ダ・イ・ス・キ」とかなんとか言われるのを期待したんでしょう。
 それなのに…。ははは。彼女は面白い人なんですね。
 清々しい恋の歌、青春の歌でした。
 
【12888】057:制服 制服は征服である ミニスカをはみだす足は誰がために光る(中村悦子)

 制服は征服である。大胆な規定です。 
 本来制服は生徒を管理・統制するためのものかもしれません。ところがいまや女子高校生たちはその制服のスカートをギリギリたくし上げ、闊歩しています。
 ミニスカをはみだす足は誰がために光る。おお、ヘミングウェイも真っ青。ユーモアがありますねえ。
コメント (5)
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050421 日々歌う

2005-04-21 11:12:00 | 日々歌ふ
歌わずにいられぬものの裡に棲むうれしくもあり哀しくもあり

白八重のさくら舞いちる草のうえカラスついばむタンポポの花

濡れ羽色間近に見せてピョンピョンと近寄る鴉タンポポポ咥う

漆黒に総身の濡れて輝ける鴉が咥う真黄色の花
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