雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

050404 題詠マラソンから

2005-04-04 10:29:44 | 題詠マラソン2005から
047:大和 しきしまの大和八十島パンゲアの裔の涙と散りし国かも(中村悦子)

 歴史学・民俗学の世界では日本列島吹きだまり論というのがありますが、これはまたさらに規模雄大にしてかつ叙情的ですね。
 2億5千年前に諸大陸がぶつかってできたというパンゲアが5千年後に再び分裂して現在の大陸ができたという、ヴェーゲナーの大陸移動説。
 そのパンゲアの裔の涙と散りし国が、わがしきしまの大和八十島だというのです。ここには自己陶酔の偏狭なナショナリズムはありません。むしろ、この小さな小さな涙と散りし国をいとおしむ叙情が胸を打ちます。

015:友 人類のふた粒の種として友とぬるぬる過ごす春の炬燵に(島なおみ)
 
 人類のふた粒の種、という意表をついた表現がまず新鮮です。問題は次の、友とぬるぬる過ごす、です。
 春の炬燵に続くのですから一見このぬるぬるは、ぬるいのぬるぬるかに見えますが、ぬるぬるにそのような意味はありません。ぬるぬるはあくまでヌルヌルです。人類のふた粒の種として春の炬燵で友とヌルヌル過ごすのです。
 俄然この歌がなまめいてくるではありませんか。
 ぼくの誤読でないことを祈ります。

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050404 日々歌う

2005-04-04 09:40:00 | 日々歌ふ
芽吹く木々洗うごとくに降る雨は冷たくあれどやさしかりけり

匂いたつ木々の緑は雨に濡れ荒むもろもろ包みて映ゆる

ほころびし雪の柳も桜木もバラ科と知りて心躍りぬ

言の葉を惰性で使うおかしさよ日直なんぞ死語の死語なり

日直の直を辿れば宿直(しゅくちょく)にさらに辿ればとのいに行かん

壁に貼る派手なポスターよく見ればプーケットなるビールあるらし

ふんわりとビニール袋が空に舞い幼子見上ぐ桜樹の下 
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