047:大和 しきしまの大和八十島パンゲアの裔の涙と散りし国かも(中村悦子)
歴史学・民俗学の世界では日本列島吹きだまり論というのがありますが、これはまたさらに規模雄大にしてかつ叙情的ですね。
2億5千年前に諸大陸がぶつかってできたというパンゲアが5千年後に再び分裂して現在の大陸ができたという、ヴェーゲナーの大陸移動説。
そのパンゲアの裔の涙と散りし国が、わがしきしまの大和八十島だというのです。ここには自己陶酔の偏狭なナショナリズムはありません。むしろ、この小さな小さな涙と散りし国をいとおしむ叙情が胸を打ちます。
015:友 人類のふた粒の種として友とぬるぬる過ごす春の炬燵に(島なおみ)
人類のふた粒の種、という意表をついた表現がまず新鮮です。問題は次の、友とぬるぬる過ごす、です。
春の炬燵に続くのですから一見このぬるぬるは、ぬるいのぬるぬるかに見えますが、ぬるぬるにそのような意味はありません。ぬるぬるはあくまでヌルヌルです。人類のふた粒の種として春の炬燵で友とヌルヌル過ごすのです。
俄然この歌がなまめいてくるではありませんか。
ぼくの誤読でないことを祈ります。
歴史学・民俗学の世界では日本列島吹きだまり論というのがありますが、これはまたさらに規模雄大にしてかつ叙情的ですね。
2億5千年前に諸大陸がぶつかってできたというパンゲアが5千年後に再び分裂して現在の大陸ができたという、ヴェーゲナーの大陸移動説。
そのパンゲアの裔の涙と散りし国が、わがしきしまの大和八十島だというのです。ここには自己陶酔の偏狭なナショナリズムはありません。むしろ、この小さな小さな涙と散りし国をいとおしむ叙情が胸を打ちます。
015:友 人類のふた粒の種として友とぬるぬる過ごす春の炬燵に(島なおみ)
人類のふた粒の種、という意表をついた表現がまず新鮮です。問題は次の、友とぬるぬる過ごす、です。
春の炬燵に続くのですから一見このぬるぬるは、ぬるいのぬるぬるかに見えますが、ぬるぬるにそのような意味はありません。ぬるぬるはあくまでヌルヌルです。人類のふた粒の種として春の炬燵で友とヌルヌル過ごすのです。
俄然この歌がなまめいてくるではありませんか。
ぼくの誤読でないことを祈ります。