竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

入鹿の首塚は高見山にもある!?明日香村を歩く。その4

2010年06月19日 | 旅行
明日香村を歩いてからちょうど1週間が経ちました。
あれから気になっていたことがあります。

飛鳥寺で飛鳥大仏を見たあとで、
お寺の西に少し歩いたところに
甘樫丘を背景に入鹿の首塚がぽつんと立っていました。



蘇我入鹿が飛鳥板蓋宮で討たれたとき、
入鹿の首が飛んで、中臣鎌足を追いかけまわしたのです。
そして板蓋宮の北方600mのところに首が落ちてきてました。
その入鹿の怨念を封じ込めるため、その首を供養したのが
この五輪塔だそうです。

ところで、今から25年前、比較民話研究会の方々と
東吉野の民話調査をしたとき、
入鹿の首塚の話を既に聞いていたのです。
入鹿の怨念は強く、その首はなんと高見山まで飛んできていたのです!?

その時聞いた話を紹介しよう!


高見山の入鹿の首塚

昔、大昔の話やけども、藤原鎌足と蘇我入鹿の話でございますが、
蘇我入鹿が横暴を極めたということで、藤原鎌足が怒って、
そのう、蘇我入鹿の横暴を鎮めるために、
色々と意見を申し上げたりしてましたが、
いっこうに、横暴な行いが直らんと、いうことでありましたから、
藤原鎌足は思いあまって、蘇我入鹿の諜殺をするという決心を決めて。

そして、蘇我入鹿を誘い出して、蘇我入鹿の首を切ったと、
その首が、血を流しながら、桜井の多.武峰あたりですから、
多武峰からずっと東へ飛んで行ったと、高見山の頂上に、
その、落ちて、そのまんま消えてしまったという話を聞いたことがあります。


高見山にある入鹿の首塚

語り手: 桝本静勇(東吉野村 小栗栖)
原典:竹原威滋 丸山顕徳編『東吉野の民話』(平成4年)




最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (まいける)
2010-06-21 16:02:58
明日香にいったんですかぁ。
いいところですよね。のどかで。

入鹿の怨念はすさまじい・・・
それだけ不本意だったのでしょうね
返信する
Unknown (ヘンゼル)
2010-06-24 20:18:29
イルカの執念は凄かったと思います。しかし、イルカは意外に良い人物だと私は思います。

飛鳥寺の後ろで、ひっそりとありますね
返信する
Unknown (Dylan)
2010-07-01 11:29:41
私もこの首塚を訪れたことがあります
600メートルも首が飛んでゆくなど
科学的にはありえませんが
このような言い伝えがあるというのは
それほど恨みが強かったということなのでしょう。

碑をつくれば供養できると考えていた当時の人々のことを思うと、現代の文明の力とは違った、ヒトそのものを考えてしまいます

民話調査に行った話を聞いて、
伝承文芸の魅力を感じました
返信する

コメントを投稿