竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

Eテレ:100分de名著「アラビアンナイト」★第1回:世界最長のファンタジーを見ました!

2013年11月09日 | 日記
9月28日のブログで「枠物語」について紹介しましたのを覚えていらしゃいますか?
あの時は、モンゴル説話集『シッディ・クール』と『シンドバード』について
口承文芸学会例会での発表の案内をさせていただきました。

ところで、NHKテレビのEテレで枠物語「アラビアンナイト」についての面白い番組を見ました!


Eテレ:100分de名著「アラビアンナイト」★11月6日放送:第1回:「世界最長のファンタジー」です。

-----NHK番組案内より-----------------

「アラビアンナイト」(千一夜物語)というと、
「アラジンと魔法のランプ」「アリババと40人の盗賊」「シンドバッドの冒険」などが有名ですが、
児童文学として紹介され、広く知られている話は「アラビアンナイト」のほんの一部に過ぎません。
その中には、まるで落語のような話もあれば、推理小説のような話もあり、全体を通読すると、
その豊かな文学世界に圧倒されます。
また「アラビアンナイト」には、歴史史料としての価値もあります。
9世紀に原型となる話が生まれ、時代と共に書き足されていったため、
過去の人々の営みが克明に記録されているからです。
番組では、あまり知られていない「アラビアンナイト」の全貌を明らかにしながら、
千年の時をつめたタイムカプセルとして、物語に秘められた様々な歴史を解説します。
謎とロマンに満ちた「アラビアンナイト」の意外な真実に迫ります!

------番組案内以上----------------------------------


最古の文献としては、9世紀のカイロの古写本「千夜の物語」があるそうですが、
中世イスラム世界で語りつがれて来た物語集で
12世紀までに「千一夜」(アルフ・ライラ・ワ・ライフ)という物語として定着してきたようです。
「千一」(せんいち)とは、日本語の「八万」(やよろず)と同じように、
「たくさんの、数の多い」という意味で用いられてきたそうです。


1704年、フランスの東洋学者、ガランがアラビア語写本からフランス語に初めて翻訳し、
やがて、ヨーロッパで出版ブームになり、
英語版では「アラビアンナイト」と名付けられたのです。

そこには、子ども用の話もあれば、大人用のエロ話も入っています。

その発展の歴史を見ると、
このガランがみた15世紀の写本は、282夜で約35話
ガランの翻訳版(1704~1717年)は、約480夜で60話
それが、ブーラーク版(1835年)とカルカッタ第2版(1839~1842年)では
ついに、1001夜で約260話になったそうです。

もともとは、たくさんの夜をあらわす「千一」が
文字通り「1001夜」にするため、
世界最長のファンタジーが生まれたのが実情だそうです。

はじめから、「千一夜の物語」の原本があったわけではないのですね。

1回目の番組の動画をぜひ見てください。
第1回 世界最長のファンタジー

もちろん、番組ホームページで次回以降の番組予告を参照くださいね。
100分で名著HP

2013年11月13日(水)午後11:00~11:25/Eテレ(教育)
第2回:異文化が出会う場所

第1回目の再放送:
2013年11月13日(水)午前5:30~5:55/Eテレ(教育)
2013年11月13日(水)午後0:25~0:50/Eテレ(教育)

今日のブログは、Eテレの番組紹介でした。

それはそうと、NHK・BSプレミアム:ファンタジードラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』
見ておられますか?

寒くなってきました。
ご自愛ください。
では、来週、ブログでお会いしましょう!

2013. 11. 9.   竹原威滋