竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

ナーミン(奈良の民話を語りつぐ会)の総会/グリム童話講演会:盛会のうちに終了!

2013年04月13日 | 日記
昨日は、ナーミン(奈良の民話を語りつぐ会)の総会があり、
今年度の活動計画を決定しました。

今年の主な活動は次の通りです。

1.奈良民話祭り
    8月8日(木)昼・夜 奈良町物語館
      9日(金)昼・夜  奈良町物語館

2.「ナーミンテラーズ」(ならの民話の語り手)のためのワークショップ
     4月16日(火)午後1時~2時 基本講義
     6月4日(火)18日(火)認定のためのお話会

3.奈良県下の子どもたちにお話を届ける活動(各種お話会への参加)
    ★ 絵本ギャラリーでのおはなし会
    ★ 春日公民館サマーシアターでのおはなし会    
    ★ 奈良市立北部図書館おはなし会 毎週水曜午後  ほか

4.おはなし勉強会
    毎月1回 第2火曜日 

5.一般向けの『子どもと家庭の奈良の民話』3分冊(ナーミン発行) 今春発行予定

6.ナーミンのホームページを近日中に開設


総会のあと、講演会もあり、50人を超える方が来てくださいました。
テーマはグリム童話とカルヴァン派と近代で、グリム童話「幸せハンス」と「貧乏人と金持ち」をめぐって
村上郁さんの語りのあと、私が講演しました。

グリム童話をヨーロッパの類話と比較してみると、グリム童話の特徴があざやかに浮かび上がります。
そこには、カルヴァン派の思想、モラルが埋め込まれていることが明らかになりました。


「幸せハンス」の話は本来、愚かな物々交換をする主人公を笑いとばす「笑い話」であった。
しかし、民衆はやはり最後には無一文では耐えられない。やはり賭けに勝って大金持ちになって満足したいのである。
それでこそ貧しい庶民は本当に笑えるのである。
ところがグリム童話は、アンデルセン系の民話の世界とは違って、賭けは許されないのである。
グリム兄弟の祖父はカルヴァン派の牧師であり、グリム兄弟は厳格なキリスト教の教えのもとで育てられた。
民間伝承を素材にグリム童話が編まれる際には、カルヴァン派が生み出した倫理思想というフィルターが掛けられた。
市場経済には賭けや暴利は許されないのである。

「三つの願い」の民間説話は、アラビアン・ナイトの「艶笑譚」から、ヨーロッパではソーセージをめぐる「愚かな夫婦の笑い話」として定着し、
それがグリム兄弟によって、「信仰深い夫婦の聖者伝風の教訓話」に仕立て上げられ、
『子どもと家庭のメルヒェン』として近代市民国家の子どもたちに受け入れられるようになったといえるわけある。

講演では、時間がなく、うまくまとめられませんでしたので、
このブログで結論部を再録しました。


では、ナーミンのみなさま、
今年も、語りの文化、子どもの好きなお話の文化を奈良から発信しましょう!

ブログをお読みのみなさま、
今年の「奈良なら民話まつり2013」に来てくださいね!
燈花会の期間中の8月8日、9日に 奈良町物語館で開催されます。