続いてもうひとつ東大寺にまつわるお話をしましょう!
二月堂の前に「良弁杉」があるのは前回のお話でよくわかりましたよね。
その二月堂の西側の廻廊の階段を降りて、右手に祠(ほこら)があります。
下の写真見てください。
鬼子母神を祭った祠です。
それにはこんな話があります。
鬼子母神とザクロ
奈良の二月堂の下にある良弁杉の横に、鬼子母神という祠があります。
鬼子母神というのは、女の神様で、たくさんの子どもがおりました。
この神様は、恐ろしい事に、人の肉を食べるのが好きで、
人間の子どもをさらって来ては、その肉を食べていました。
ある時、お釈迦様が、それを諭すために、
鬼子母神の大勢の子どもの中の一人を隠してしまわれました。
鬼子母神は、無我夢中でわが子を探しまわりました。
すると、お釈迦様は、
「お前は、子どもがそんなに大勢いるのに、
たった一人いなくなっただけで、それほど悲しむだろう。
ましてや人間はわが子の数が少ないのに、なくした親は、
どれ程悲しい思いをしていることか・・・。
よいか!二度と、子どもをさらって食べたりなどするのではない。」
と言われました。
鬼子母神は、
「ああ、確かにそうです」
と言って、自分の過ちを認め、それからは、子どもをさらわなくなりました。
お釈迦様は、
「人間の肉が食べたくなったら、人間の肉とよく似た、
このザクロを食べるがよい」
と言って、
鬼子母神にザクロを渡されました。
それで、今でも、ザクロのできる時期になると、
鬼子母神の祠の前に、たくさんのザクロをお供えするのです。
奈良の民話を語りつぐ会
なら・語りの講座 II (講師:村上郁)
再話:吉本 京 不許転載
みなさん、もう一度上の写真を見てください。
確かにザクロの実がなっているでしょ。
ちょうどザクロのできる秋に私が撮った写真です。
二月堂の前に「良弁杉」があるのは前回のお話でよくわかりましたよね。
その二月堂の西側の廻廊の階段を降りて、右手に祠(ほこら)があります。
下の写真見てください。
鬼子母神を祭った祠です。
それにはこんな話があります。
鬼子母神とザクロ
奈良の二月堂の下にある良弁杉の横に、鬼子母神という祠があります。
鬼子母神というのは、女の神様で、たくさんの子どもがおりました。
この神様は、恐ろしい事に、人の肉を食べるのが好きで、
人間の子どもをさらって来ては、その肉を食べていました。
ある時、お釈迦様が、それを諭すために、
鬼子母神の大勢の子どもの中の一人を隠してしまわれました。
鬼子母神は、無我夢中でわが子を探しまわりました。
すると、お釈迦様は、
「お前は、子どもがそんなに大勢いるのに、
たった一人いなくなっただけで、それほど悲しむだろう。
ましてや人間はわが子の数が少ないのに、なくした親は、
どれ程悲しい思いをしていることか・・・。
よいか!二度と、子どもをさらって食べたりなどするのではない。」
と言われました。
鬼子母神は、
「ああ、確かにそうです」
と言って、自分の過ちを認め、それからは、子どもをさらわなくなりました。
お釈迦様は、
「人間の肉が食べたくなったら、人間の肉とよく似た、
このザクロを食べるがよい」
と言って、
鬼子母神にザクロを渡されました。
それで、今でも、ザクロのできる時期になると、
鬼子母神の祠の前に、たくさんのザクロをお供えするのです。
奈良の民話を語りつぐ会
なら・語りの講座 II (講師:村上郁)
再話:吉本 京 不許転載
みなさん、もう一度上の写真を見てください。
確かにザクロの実がなっているでしょ。
ちょうどザクロのできる秋に私が撮った写真です。