竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

猿沢池の衣掛け柳が消えた!

2010年04月10日 | 日記
奈良公園の桜は満開、春爛漫です。
でも、でも、猿沢池の衣掛け柳がなくなっているのをご存知ですか?

池の東畔には「きぬかけやなぎ」の石碑があって、その右手奥の湖畔に柳があったのに、
現在は消えています。
私が最後にその柳を目撃したのは、昨年の燈花会、2009年8月12日の夜でした。
夜の燈火に映し出された柳なので、見えにくかったのですが、枯れかけていました。
でも、確かにその木は立っていました。少し池側に傾いていましたが。
心配していたところ、きっと奈良公園の管理者が、危ないので、切り取ったのでしょうか。

その次に現場に行ったのは、4ヶ月後の12月10日でした。
衣掛け柳は、切り株のみになっていました。
その写真を上記に掲げます。

衣掛け柳には次のような伝説があるのを皆さん、ご存知でしょうね。

  天皇のお側で仕える釆女が天皇に恋をした。一度召されたが、その後召されないことを
 悲しんで、湖畔の柳に衣を脱いで、猿沢池に入水する。これを聞き知った天皇は猿沢池に
 行幸して、歌を詠んだ。
   猿沢の池もつらしな吾妹子がたまもかづかば水ぞひなまし
   (猿沢の池までも恨めしくてならぬ。いとしい乙女が池に身を投げて水中の藻を
    かついだ時に、水が乾けばよかったのに)

10世紀中頃に成立した『大和物語』に始めて登場し、『枕草子』に取りあげられ、
謡曲『釆女』の題材にもなった伝説です。

その衣掛け柳の後継の木を植えてください!
平城遷都1300年の年、観光客に申し訳ない!
公園の管理者の方、よろしくお願いします!

奈良公園の良弁杉も、影向(ようごう)の松も後継の若木が育ってますよ。

今日現在の様子は、知らないので、ひよっとして、もう植えられているのでしょうか。
どなたか、コメントでお知らせください。