壁際椿事の「あるくみるきく」

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『情報を見抜く思考法』、切り札にされて切ない

2010年12月13日 | 読書(文芸、フィクションほか)
『情報を見抜く思考法』(伊藤惇夫著、ビジネス社)を読みました。「おや?」と思ったところがあります。

同書P127より引用。
「政権の座に就いてからも、小泉氏はその時々で移り変わる時代の空気、時間の変化がつくり出す環境を絶妙につかみながら、世論の支持を集め続けました。当時人気者だった田中真紀子氏を、外相の椅子から下ろしたことで支持率が低下すると、すかさず電撃的な北朝鮮(平壌)訪問で、拉致被害者(の一部)を連れ帰ってみせ(支持率を回復させ)たケースなどは、空気を読みきった典型的な例です。」

文意は、空気を読み、支持率が下がっていれば、手を打て、ということです。でも、その打ち手が拉致被害者救出とは!

「その気になれば拉致問題を(容易にせよ困難を伴ってにせよ)解決できるが、切り札として取っておいた」ということでしょうか? 拉致被害者家族は政治家の道具に使われているの?

著者は政治アナリスト。自民党本部勤務の後、新進党、太陽党、民政党を経て、1998年より民主党事務局長を務め、2001年より現職。政治の裏も表も見尽くしている方だけに、信憑性は高いです。拉致被害者家族は、かわいそうすぎます。