壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

『笑うに笑えない大学の惨状』(安田賢治著)読後記

2014年01月30日 | よむ

『笑うに笑えない大学の惨状』(安田賢治著)を読んでる。内容は、少子時代の、大学の生き残り策だよ。

学費無料のスポーツ推薦で、知名度の低い大学でも有望選手を集められる。それで、その選手が活躍したら、大学は広告効果が望め、受験生増が期待でき、バンバンザイ。箱根駅伝がその代表だね。昨シーズン活躍したプロ野球、ヤクルトの小川、楽天の則本、両新人とも、有名でない大学出身ということで、逆に注目されたよ。

一方、学力はどうだろう。特待生制度は、入試の成績次第では、学費無料だ。優秀な生徒としては、ランクを落としても、その大学に進学する道がある。なんたって学費無料だし、ゼミなんかでリーダーシップを磨く機会も多そうだからね。

でも実際は、特待生制度は、スポーツ推薦ほど人集めに効果がないらしい。多くの生徒が、フツーに学費を払っても偏差値の有名大に進むんだって。

スポーツと学力で、なぜ、こんな違いが生まれるの? スポーツ界は実力社会だけど、実業界はまだまだ学歴社会だから? でも、高級官僚や派閥のある大企業を除いて、多くの会社は実力社会になってるよ。親や学生の認識と、現実がズレてるのかな?

で、大学だ。思うほど優秀な学生を集められず、でも、上位○%の学生は無料で受け入れざるを得ず、学費無料者が増えるばかりで、経営は厳しいままとか。定員の充足率が高いからといって、経営が安泰とは言えないんだって。充足率だけ見ていては内実は分からないってことだよ。

充足率に関して言えば、じゃあ定員を減らせばいいじゃん、という考えが浮かぶ。定員300名に250名しか集まらないから、充足率が下がるんだけど、定員を250名にしたら、100%だ。これにも問題があって、先生を減らすわけには行かないから、総人件費は高いままで、これまた経営は苦しいんだって。

でも、学生数に対して先生数が多いわけだから、教育の質は高まりそうなもんだけどね。

先生数に関しては、各大学は、非常勤講師を上手く使ってるよ。薄給で結構大変。そんな人使いの大学は、ブラック大学と呼ばれてるよ。

教育の質に関しては、教員1人当たり学生数の問題でないね。この前取材した、某簿記専門学校は「生徒2名」だったよ。マンツーマンどころか、先生複数名に学生1人だ。

ま、大学は現状維持も地獄、拡大路線も地獄、縮小路線も地獄ってとこかも。

教育に関しては、ローン化する奨学金とか問題山積。

「山男に悪い奴はいない」という常識、「教育はいいものだ」という常識。もう根本から疑ってかからないとならないね。

大学経営に興味のある方は、ぜひ。



都知事選が始まった

2014年01月24日 | かんがえる

都知事選が始まったよ。

細川氏は脱原発への偏重が目立つ。細川氏を支持する小泉元首相は、「脱原発以外にも重要な都政の課題はある」との批判に、「原発以外は誰が知事をやっても同じ」と切り返したとか。正鵠を射てる。シングルイシュー化は、ケンカ上手な小泉氏らしいね。

元経産官僚の古賀茂明氏は、こんなツイートをしていたよ。

  都知事選の争点。原発を除くと、各候補とも、福祉やります、
  オリンピック頑張ります、防災は重要課題です、と皆同じ。
  これでは、争点にならない。結局、違うのは原発政策。「再
  稼動容認」の舛添、田母神両氏。再稼動は認めない細川、宇
  都宮両氏。優先順位では、細川氏は原発即ゼロを最優先。誰
  を選ぶ?

原発が、都知事選の争点になるのは、初めてじゃないかな。ってことは、今までは「誰が知事をやっても同じ」な行政だったわけだ。俺でも務まるのかな。ま、落下しないよう上手く神輿に乗ってればいいんだろうね。

以下は、浅井久仁巨氏のツイートから。

  都知事選における細川、宇都宮両候補者を支持する人たちの
  非難の応酬は、見る(読む)者の気持ちを不安定にさせるだ
  けでなく、無関心へと導く結果を招くのではなかろうか。渦
  中にある方たちに呼びかける。「これを見て喜ぶのは誰なの
  か。冷静になって考えていただきたい」。

  「細川・宇都宮ネガティヴ・キャンペイン」に心血を注ぐ方
  達に気付いて欲しいのは、「特定候補支持者なりすまし」に
  よる参加もあると思われることだ。彼らが火に油を注いでい
  ることは充分考えられる。だから、そういう尻馬に乗る行為は、
  “敵”を利する他に何も生み出さない事を理解していただきたい。

ネット内では、細川・宇都宮の双方の支持者が、互いに罵り合っているんだとか。初めて知ったよ。ネガティブキャンペーンは良識ある人たちの関心が離れていくだけ。プロレスもそうだろ。ヒールでなく、ベビーフェイスが最後は勝つんだよ。

選挙戦、さあ、どうなるんだろう。



テレビドラマ『三億円事件』を見た

2014年01月23日 | みる

松本清張の昭和史シリーズの一つ、『三億円事件』のテレビドラマを見ました。

東芝の労働者のための年末のボーナスを輸送する車が、白バイ警官に騙し取られた事件。昭和40年頃かな、実際にあった事件で、いまだ未解決、迷宮入りしています。その謎に、巨匠が独自の解釈で迫ったドキュメンタリーのドラマ化です。

3億円には、盗難保険が掛けられており、2億円は補償された。その保険会社はアメリカの会社で、そこの調査の専門家が、真相を究明し、犯人に損害賠償請求するため日本に遣わされる、というストーリーです。

盗難保険がかけられていた事、保険会社はアメリカの会社だった事など、初めて知ることばかりでした。

調査員を演じるのは、田村正和。清張作品のドラマ化では、『球形の荒野』に続く主演です。太平洋戦争の悲惨な経験、その後の日本社会の変貌が、つくずく嫌になった田村演じる武田は、千葉に母を一人残して渡米。保険会社の調査員として成功します。日本への帰国は25年ぶりとなります。

犯人は、当時、カミナリ族と呼ばれていた暴走族の地元の青年2人。実行犯の青年には、姉夫婦がいて、警視庁高官を務めて当時は警備会社を経営している叔父がいる。

長くなるので、これ以上は止めておきます。とても面白いドラマでした。興味のある方は、このドラマだけでなく『球形の荒野』も是非。


『日本テレビとCIA』(有馬哲夫著)を読んだ

2014年01月22日 | よむ

日本テレビは、正式には、日本テレビ放送網株式会社という。

なぜ、放送「網」か。

『日本テレビとCIA』(有馬哲夫著)を読みました。副題は「発掘された正力ファイル」

なぜか。それは、テレビ創設当時、日本を反共の防波堤にするべく、アメリカが宣伝によって日本国民を洗脳する方策として、テレビを利用しようとしたからです。テレビだけでなく通信を含め、広く電波を扱う組織を作ろうとした。だから「放送網」なのだそうです。

日テレは、公共放送のNHKに続いて、日本の民間放送局で初めてテレビ放送を始めた局です。設立に当たっては、陰に日に、アメリカ政府(CIAとか大物議員とか)の支援があったようです。当時のアメリカには、日本の電波放送に関して、HNKはラジオ専門局にし、テレビは民放だけに任せようという考えもあったそうです。

著者は序章で、「これは特定の関係者や企業、機関を責めれば済むという問題ではないことだ。(中略)企業、機関についていえばそこに働く人々や体制も多くの場合、変わってしまっている。」としています。いまの日テレがどうか?という問題ではないのです。

が、それにしても、昭和史の暗部が示された好著でした。

著者の有馬氏は早稲田大の先生。アメリカの公文書を調べ「正力ファイル」を発掘し、本書を著されました。

なお蛇足ですが(日米の違いはありますが)特定秘密保護法によって公文書が表に出ることがなくなれば、このような力作が生まれることがなくなるかもしれません。残念なことです。


こたつ保有率、46位の都道府県は?

2014年01月22日 | 見聞きしたこと

以下、ネットのニュースより。

エイチームのグループ会社である引越し侍はこのほど、同社が運営する引越し比較・予約サイト「引越し侍」の利用者へ実施したアンケート結果を元に、「都道府県別こたつ保有率ランキング」を公開した。

同調査は2012年12月~2013年1月にかけて、同サイトを利用の上、実際に引越しをした人を対象にインターネットアンケートにて実施。回答者の中から、無作為に5,000サンプルを抽出した。(引用終わり)

さて、どの都道府県が、こたつ保有率が高く、どこが低いと思いますか?

47位は沖縄県。温かい地域だけに、暖房器具の必要度は低いようです。
意外なのは、46位の北海道。

北海道は、めちゃくちゃ寒いか。そのため、たとえば二重ガラスなど、家の構造がそもそも違うようです。で、暖房方法も、大型ストーブで「部屋全体を暖める」のだとか。なるほどね。

近ごろの都会の家は、鉄骨コンクリートなどで出来ており、設備も発達して空調もばっちり。いわゆるま「魔法瓶の構造」です。隙間風が入る昔の家でない。だんだん「北海道化」していくのでしょうね。