壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

『鉄の旋律』(手塚治虫著)読後記

2013年06月24日 | よむ

手塚治虫『鉄の旋律』を読む。日本人女性と伊系アメリカ人男性が恋愛する。アメリカで開かれた結婚式に、女性の兄も出席するが、トラブルに巻き込まれる。実は男性はマフィア一族の御曹司。両腕を切断させられた兄は、ある科学者により鉄の義肢を授けられ、復讐に出る…。理性では抑えられない怨念。

手塚治虫『悪魔の開幕』を読む。学生運動華やかりし時代。ある左翼のドンを信奉する理系学生は、電気工事店員になりすまし、与党大物政治家の講演会場に爆弾を装着するのに成功。しかし不発に終わる。じつは左翼のドンは裏で政治家とつながるスパイ。利用されていると気づいた学生は…。衝撃のラスト。

手塚治虫著『イエローダスト』を読む。在日米軍基地を占領した、ベトナム戦争帰りの米兵。美人保育士と幼児多数を人質にとり立てこもる。包囲する米軍。腹を減らす幼児たちにある保存食を与えるが、実はそれは「戦闘意欲を亢進させる」食料で、突入した包囲軍が見たものは…。痛烈な戦争批判。






メールでの謝罪って

2013年06月21日 | かんがえる

(1)維新の会の橋下共同代表が、自身の不適切発言で市民の批判を招き、自党の候補者に申し訳ない、と謝罪メール(ツイッター)を送ったとか。おいおい。謝罪って、対面でするもんでしょ。無理なら電話で。なぜメールなの。それで謝意を受けてもらえると思ってるのかな。火に油、逆効果でないか。

(2)大逆事件で同志を亡くした堺利彦は、全国の同志の里を回り、父母に形見の品を届けたり都での様子を話したり(『パンとペン』黒岩比沙子著より)。交通網の未整備の明治末~大正時代だよ。この時代の人はすごく情に篤んだ。「メールで謝罪」と対比しても、人間の器って現れるよね。




『松本清張短編全集(7)鬼畜』読後記

2013年06月17日 | よむ

『松本清張短編全集(7)鬼畜』を読みました。

「なぜ「星図」が開いていたか」
「反射」
「破談異変」
「点」
「甲府在番」
「怖妻の棺」
「鬼畜」

解説で、山前譲氏が「清張作品と家族」について論じています。たしかに清張の作品は、愛憎とか偏愛とか家族関係が背景にあることが多い。注意しないと気付かない点ですが、重奏低音のように流れています。

(あとがき)より。「武田家は勝頼のときに滅んだが、その遺臣は家康が多く召し抱えている。甲州の地が徳川家にとっても重要だと家康が考えての懐柔策だろう。しかし、その懐柔にも応じなかった頑固な遺臣も少なくなかったにちがいない。彼らは郷士となり、帰農したり山に入ったりした。」

10年ほど前に読んだ『奥多摩町異聞』『桧原村紀聞行』(いずれも瓜生卓造著)には、この地の先祖は甲州から流れてきた武田の遺臣とありました。それとちょうど符号します。

「江戸周辺で甲州はなんとなく秘密を持っている国のように思える。それだけに前から魅力があった。」

文庫片手に、1泊くらいの山旅をしたくなりました。



『使いきる。』(有元葉子著)読後記

2013年06月06日 | よむ

『使いきる。』(有元葉子著)を読みました。料理研究家の著者が、衣食住、からだ、頭の整理術を述べた本です。

片付けと掃除は違う。日頃、ちょこちょこ片付けをしていれば、大掃除の必要はない。
調理しながら、洗い物なども並行して行い、料理が完成したときは、切りに洗った調理器具が並んでいる状態がベスト。
金属やガラス、木材、竹など天然素材の調度を使い、プラスチック類は家に入れない。
カゴの多用。

基本的にモノを持たない。
新たにモノを増やすときは、「使うか・使わないか」を基準に購入を判断する。
一定量を決め、それを超えてモノが増えたときは、使わない物から処分していく。

その他、ためになることばかりでした。