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深夜の出会い


雨が降る前に、どうしても試乗がしたくて190Eのボディーカヴァーを外して夜の街に出た。

友人の所で所用を済ませ、その足で東京へ。

この車のメカニカルレストアをコーディネートして下さったK氏を乗せて首都高をクルーズ。

エンジンのオーバーホールをしたから、慣らしの意味もあります。

急な渋滞停車でも温度変化の無い水温、快適な空調。

小さなトラブルも見逃さないようにドライブしながらK氏との会話を楽しむ。

”もし止まっても、二人居るから路肩まで押せるな”

などと余裕の気分にもなって来た。



休憩に寄った芝浦PAで、珍しい「BMW M5トゥーリング(E34)」を見かけた。



ワゴンであるトゥーリングのM5は正規輸入されていないから貴重な1台だ。

その直後、偶然にもこのオーナーH氏から声をかけていただいた。



E34の後期型なので3.8リッター(340PS)だという。



ドライブ バイ ワイアーなんて言葉が一般的では無かった頃のBMW。

”今のFシリーズよりEシリーズの方が真面目だよな”

などと生意気に思うのは僕の悪い癖だ。



気さくにお話ししてくれるオーナーのH氏と話しているうちに、

内容はメルセデスになった。

普段はBMW系のお仕事をしているというが、それだけではない様子。

「実は私も190を長年持っているんですよ」

聞くところによると、ドイツに留学されていた帰りに新車の2.5-16を持ち帰り、

26年経った今でも所有されているそうだ。

当時のお話を聞いていたら、とにかく面白くて仕方ない。

冷戦が終わった前後に西ベルリンにいらっしゃったそうで、

東ベルリンだ、憲兵だ、トラバントだ、ヴァルトブルグだ、

という話を聞いていたら時間を忘れてしまった。

それ以上に190のレア情報をお持ちで、メルセデス初心者としては、

本当に楽しいし、為になりました。

もう一度、お話をお聞きしたいなぁ・・・。



帰宅の時間を知らせてくれたのは、小雨より北風だった。

これ以上H氏を足止めしては申し訳無いと、後ろ髪を引かれながらお別れを言った。

深夜4時の気温は、2時間前より一気に5℃も下がり、

温度変化の少ない190の外気温計が17℃を指していた。

それでも心は温かい。

本当の自動車マニアに会ったからだろう。

給油をして帰宅し、水分を十分拭き取ってボディーカヴァーを掛けたのは

空が明るくなり始めた頃。

世の中いろいろあるけれど、こうゆう出会いがあるから人生楽しいんだよなぁ。

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