【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

「ぼっち」と「ソロ」

2021-04-21 07:09:48 | Weblog

 「ひろしです」の自虐ネタで一時売れていたひろしさんが、最近なぜか「ぼっちキャンプ」で“復活”して、テレビに出たりDVDまで発売したりしています。「ぼっち」というネーミングには彼のお得意の自虐ニュアンスが入っていますが、それで人気が出ると「ソロキャンプ」という格好良いネーミングで実行する人が増えているそうな。
 そういえば「ぼっち飯」も悲哀漂う言葉だったはずですが、最近の「個食」「黙食」ブーム(?)だとそれが当たり前になっているわけで、だったら「ソロ飯」と格好良く言っても良いのかな。淋しい感じはぬぐえませんけれど、気の持ちようです。

【ただいま読書中】『はじめよう!ソロキャンプ』森風美 著、 山と渓谷社、2012年、1300円(税別)

 キャンプ好きの著者は、誰とも予定が合わなかった日にどうしてもキャンプをしたいとソロキャンプをやってみて、その魅力にはまってしまったそうです。
 道具はどうするか、キャンプ場までどうやって行くか、など考えることは多そうですが、著者は「キャリーバッグに荷物を詰めて、徒歩や電車でも出かけられる」と肩から力を抜くことをまず勧めます。著者自身、ソロキャンプを始めた頃には車どころか免許も持っていなかったそうです。なるほど、キャリーバッグなら、転がせるし、電車の中でも普通の旅行者に見えますね。飛行機に乗ってのキャンプ、も可能です。段差が障害になるようなら、バックパック。ただしこれは自分の体力との相談が必要です。
 道具も豊富に紹介されています。しかしすごい種類ですね。直火禁止のキャンプ場では必須アイテムの焚き火台も、頑丈なステンレススチール製だと3.5kgだけど、チタン製だと423g、とか、何を重視するか(「軽さ」を取るか「コスト」を取るか)も重要そうです。
 あとは何を楽しむか。それは個人個人で決めることでしょう。なにしろ「ソロ」キャンプなのですから。
 私がするとしたら、「自然の音を楽しむ」か「炎を見る」か、かな。

 


むかし習ったこと

2021-04-21 07:09:48 | Weblog

 飯ごう炊さんで私は「蒸らすときに飯ごうをひっくり返す」と教わりました。
 ところが最近では「ひっくり返す必要はない」となっているそうです。あれまあ。
 実際に両方を試してみた人も多いようですが、その結果を読むと「大差ない」が結論のようです。
 何でも試してみないといけないんですねえ。
 ちなみに「スパゲッティ(乾麺)を茹でるときに塩を入れる」と私はむかし教わりましたが、これは塩入りと塩無しを実際に自分で試してみて、大差ないので今はずっと塩なしで茹でてます。

【ただいま読書中】『SDGsの考え方と取り組みがこれ1冊でしっかりわかる教科書』バウンド 著、 技術評論社、2020年、1680円(税別)

 世界には「環境問題」「社会問題」「経済問題」が山積していますが、それはことごとく「人の行為が原因」です。そこで2015年9月国連で「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。その中核が「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標、略称SDGs)」で、17の目標から成ります。それは「貧困ゼロ」「飢餓ゼロ」「健康と福祉」「質の高い教育」「ジェンダー平等」「安全な水とトイレ」「クリーンエネルギー」「働きがい/経済成長」「技術革新」「人や国の不平等をなくす」「住み続けられるまちづくり」「つくる責任/つかう責任」「気候変動」「海の豊かさを守る」「陸の豊かさを守る」「平和と公正」「パートナーシップ」です。
 グレタ・トゥンベリさんの行動もまたSDGsでそのまま解釈することが可能です。彼女の言動は世界中に影響を与え、2019年の国連気候行動サミットの前に世界各地で行われた中高生を中心とする「世界気候ストライキ」には161箇国で400万人が参加しました。ただ、日本はわずか5000人だったとのことで、日本の若者は自分たちの将来の地球にはあまり興味がないのかもしれません。
 SDGsの目標はどれもきわめて平易な言葉で書かれていますが、その中身が平易なわけではありません。たとえばそもそもの「持続可能な開発」は「経済開発」「社会的包摂(弱者も含め一人ひとりの人権を尊重する)」「環境保護」の3要素の調和が求められています。重要なのは「調和」なのです。
 何もなくてもSDGsの達成は困難ですが(地球温暖化やグレタ・トゥンベリさんに対するトランプ(元)大統領の言動を見たら明らかでしょう)、困ったことに新型コロナウイルスがとんでもない悪影響を与えています。それでなくても貧困層はひどい状態にあったのに、それがさらに悪化しているのです。
 SDGsで特徴的なのは「トレードオフを許さない」基本姿勢です。何かを達成するために何かを一方的に犠牲にすることは許されません。ここでも「調和」が必要とされます。
 SDGsに罰則はありません。しかし、きちんと取り組まなかったり、取り組んだふりをしているだけ(SDGsウォッシュ、と言うそうです)だと、その政府は国際的な信用を失うことになります。日本政府、大丈夫かなあ。言葉を飾ることには熱心だけど、「透明性」「オープンな議論」「根拠を示す」「人権尊重」「公正な評価」などは苦手ですからねえ。日本の場合、政府よりも(真っ当な)企業の方がSDGsには熱心に取り組むのではないか、と私は予想しています。企業の姿勢が真っ当なら、SDGsにはビジネスチャンスがいくらでも見えますから。
 私が気になるのが「人口問題」です。人口の急速な減少も増加も、さらにはその中身の急激な変化(たとえば少子高齢化の進行)も、すべてSDGsに悪い影響を与えるのではないか、と思えるのです。でも人口をいじくるのは、なかなかナイーブな問題なので、よほど工夫をしないと難しいでしょう。でも、何かしないといけないはずです。