【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

むかし習ったこと

2021-04-21 07:09:48 | Weblog

 飯ごう炊さんで私は「蒸らすときに飯ごうをひっくり返す」と教わりました。
 ところが最近では「ひっくり返す必要はない」となっているそうです。あれまあ。
 実際に両方を試してみた人も多いようですが、その結果を読むと「大差ない」が結論のようです。
 何でも試してみないといけないんですねえ。
 ちなみに「スパゲッティ(乾麺)を茹でるときに塩を入れる」と私はむかし教わりましたが、これは塩入りと塩無しを実際に自分で試してみて、大差ないので今はずっと塩なしで茹でてます。

【ただいま読書中】『SDGsの考え方と取り組みがこれ1冊でしっかりわかる教科書』バウンド 著、 技術評論社、2020年、1680円(税別)

 世界には「環境問題」「社会問題」「経済問題」が山積していますが、それはことごとく「人の行為が原因」です。そこで2015年9月国連で「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。その中核が「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標、略称SDGs)」で、17の目標から成ります。それは「貧困ゼロ」「飢餓ゼロ」「健康と福祉」「質の高い教育」「ジェンダー平等」「安全な水とトイレ」「クリーンエネルギー」「働きがい/経済成長」「技術革新」「人や国の不平等をなくす」「住み続けられるまちづくり」「つくる責任/つかう責任」「気候変動」「海の豊かさを守る」「陸の豊かさを守る」「平和と公正」「パートナーシップ」です。
 グレタ・トゥンベリさんの行動もまたSDGsでそのまま解釈することが可能です。彼女の言動は世界中に影響を与え、2019年の国連気候行動サミットの前に世界各地で行われた中高生を中心とする「世界気候ストライキ」には161箇国で400万人が参加しました。ただ、日本はわずか5000人だったとのことで、日本の若者は自分たちの将来の地球にはあまり興味がないのかもしれません。
 SDGsの目標はどれもきわめて平易な言葉で書かれていますが、その中身が平易なわけではありません。たとえばそもそもの「持続可能な開発」は「経済開発」「社会的包摂(弱者も含め一人ひとりの人権を尊重する)」「環境保護」の3要素の調和が求められています。重要なのは「調和」なのです。
 何もなくてもSDGsの達成は困難ですが(地球温暖化やグレタ・トゥンベリさんに対するトランプ(元)大統領の言動を見たら明らかでしょう)、困ったことに新型コロナウイルスがとんでもない悪影響を与えています。それでなくても貧困層はひどい状態にあったのに、それがさらに悪化しているのです。
 SDGsで特徴的なのは「トレードオフを許さない」基本姿勢です。何かを達成するために何かを一方的に犠牲にすることは許されません。ここでも「調和」が必要とされます。
 SDGsに罰則はありません。しかし、きちんと取り組まなかったり、取り組んだふりをしているだけ(SDGsウォッシュ、と言うそうです)だと、その政府は国際的な信用を失うことになります。日本政府、大丈夫かなあ。言葉を飾ることには熱心だけど、「透明性」「オープンな議論」「根拠を示す」「人権尊重」「公正な評価」などは苦手ですからねえ。日本の場合、政府よりも(真っ当な)企業の方がSDGsには熱心に取り組むのではないか、と私は予想しています。企業の姿勢が真っ当なら、SDGsにはビジネスチャンスがいくらでも見えますから。
 私が気になるのが「人口問題」です。人口の急速な減少も増加も、さらにはその中身の急激な変化(たとえば少子高齢化の進行)も、すべてSDGsに悪い影響を与えるのではないか、と思えるのです。でも人口をいじくるのは、なかなかナイーブな問題なので、よほど工夫をしないと難しいでしょう。でも、何かしないといけないはずです。

 



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