【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

数学のテスト

2015-03-07 07:04:07 | Weblog

 私がもしも出題者だとしたら「円周率が『3』ではまずい理由を述べよ』なんてものを出したいですね。あ、文部科学省を敵に回したらまずいか(笑)。私は良いけれど子供がまだ教育を受けていました。

【ただいま読書中】『今なら解ける!大人のための東大数学入試問題』齋藤寛靖 著、 講談社、2014年、2000円(税別)

 東大は入試の“ポリシー”を公表していますが、数学に関しては「数学的思考力」「数学的表現力」「(幅広い分野の知識・技術を総合して)総合的に問題を捉える力」を問うのだそうです。つまり「公式」や「解法」を暗記してなんとかしよう、とする「効率的秀才型対応」では良い点を取るのは困難。さらに東大は、自分の所の過去問どころか、過去35年間の日本中の大学の数学の入試問題を調査してそれと類似した問題にならないようにしている、のだそうです。
 で、本人の弁によれば「能力は大したことはない予備校講師のおっちゃん」である著者は「社会的経験を積んだ大人こそ、こういった思考力を問う問題を解けるのではないか」と読者を煽ってくれます。
 たとえば登場するのは「一般角θに対するsinθとcosθを定義せよ」なんて問題です(1999年理文共通前期)。私は一瞬呆然とします。「定義」ですから「計算式(例の割り算)」を示しても無意味。たまらず正解を見てしまいましたが、単位円とか関数とかの言葉を使って“定義”されていました。いやいやいやいや……(要するに、原点を中心とする単位円での角度θでの(x,y)の座標を示しているのです)
 ほかにも「微分という概念」「積分という概念」を理解しているかどうかを問われたり、確率について再確認をしたり、空間認識を問われたり(たとえば「正八面体を水平な台に置き、真上から見たときの平面図を描け」という問題です)……脳みそがいやーな汗をかいてしまいました。