観察月日 2019.4.2.晴 12℃
観察場所 清川村 宮が瀬
街の中にばかり居ると、サクラは咲いたのか、満開は何時頃
なのかと、TVの情報に頼る事になるが、野山を歩いている私
達にとっての春は、ミミガタテンナンショウが芽を出すのを、季
節の一つの区切りとして楽しみにしている。
今日も林道を歩いていると、道の片隅に葉を重ねた葉鞘の先
に佛炎苞を開き、中を見ると棍棒状の付属体が怪しげに覗い
ていた。
私達の山歩きは、何歩か歩いて花が咲いていれば止まり、虫
がいれば見つめ、鳥がいれば双眼鏡を取り出し、中々進まな
い事もある。
私達の歩きと前後しながら、高校生の男の子と母親の二人が
歩いている事に何となく気付いた。二人は時折止まっては山側
の林を眺め、止まってはダム側の斜面を覗き、身支度は散歩
風だが何かに興味があるように見える。
私達と緩く追いつ追われつ、有る程度の時間が経過し、先を行っ
た親子が林道の端でしゃがみ込んでいた。そして暫く動かず、二
人で足元を見ながら何かを話している。「何か あるんだな」と直
感したので離れた位置に止まる。
「しゃがんだ二人の足元に、ニホンリスがいますよ」双眼鏡を覗い
ているRさんが私に知らせる。すぐに望遠レンズを向けて見ると、
ニホンリスだ。足元にいる。向こう向きなのでリスが何をしている
かは解らない。暫くすると二人は立ち上がりその場を離れた。リス
もすぐ前の茂みに入ったらしい。
「茂みの中に リスがいる」Rさんが呟く。
レンズで探して見るとリスがいるのは解るが、細かな枝葉があって、
写真にならない。リスはオニグルミの実を抱え、実の凌をかじってい
る。時々休む様だ。リスは枝から降りると地上を走り去った。
この日は、ナガバノスミレサイシン、ユリワサビ等が印象的だった。
ミミガタテンナンショウは 春の兆し。
崩れた山の斜面に ナガバノスミレサイシンの群落が。
ヨゴレネコノメの花が キレイ。
ユリワサビの 花が目を引いた。
見透視のよくなった向うの岩場に ハルユキノシタが。
ニホンリスが オニグルミの実を。